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スーパーロボット大戦パーフェクト 第三次篇

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第百六十二話 アクセル=アルマー

              第百六十二話 アクセル=アルマー
ベルリンで束の間の休日を過ごしたロンド=ベルはそのケーニヒスベルグに入った。このカントが生きた街で彼等は次の戦いを待っていた。
「次は何処に出るんだ?」
「一体何処に」
「誰がだ」
敵のことばかり考えていた。その時だった。
「ミュンヘンです」
シホミが皆に告げてきた。
「ミュンヘンに出ました」
「どちらだ!?」
すぐにリーが彼女に問う。
「シャドウミラーか、それともアインストか」
「シャドウミラーです」
こう答えるシホミだった。
「どうされますか?」
「答えはもう出ている」
こう返すリーであった。
「全軍ミュンヘンに向かう。いいな」
「わかりました。それでは」
「全艦発進する!」
彼はすぐに指示を出した。
「ミュンヘンだ!」
「了解!」
「行きましょう!」
ロンド=ベルはすぐにミュンヘンに向かった。既にそこにはシャドウミラーの軍が展開していた。
「アクセル=アルマー!」
「ここで終わりにさせてもらう」
アクセルはキョウスケに対して言ってきた。
「この世界の御前とはな」
「噛ませ犬になるつもりはない」
まずはこう返すキョウスケだった。
「そして」
「そして。何だ」
「向こうの世界の俺に御前とのケリをつけさせる気もない」
「安心しろ」
今のキョウスケの言葉にこう返したアクセルだった。
「それは俺もだ」
「御前もだというのか」
「御前との勝負をうやむやにしたまま」
キョウスケを見据えての言葉である。
「元の世界に帰るつもりはない」
「そうか」
「それでは」
それを聞いてあることを察したラミアであった。
「アクセル、貴方は」
「何だというのだ?ラミア」
「時間稼ぎをするつもりなのね」
それをするのかと問うのだった。
「ヴィンデルはだ」
「ヴィンデルは」
ラミアはここでまたあることに気付いた。しかしアクセル自身は気付かずそのまま言葉を続けていく。
「このままで転移を行う気だ」
「そうか」
ギリアムはそれを聞いて述べた。
「俺のこのヘリオスなしでか」
「そういうことだ」
「賭けに出たな」
それを聞いたまた述べるギリアムであった。
「つまりは」
「しかしだ」
だがここでアクセルは言うのだった。
「俺はそうした分の悪い賭けに二度も乗るつもりはない」
「では一体」
「どうすると?」
「ベーオウルフやラミアを倒し」
二人のことは決して忘れないのだった。
「それからギリアム、貴様を捕らえる」
「俺もか」
「示現転移を確実なものにさせる為にだ」
「そうするか」
「俺と共に来てもらうぞ」
さらに言うアクセルだった。
「ヘリオス=オリンパス」
「断る」
しかしギリアムは素っ気無くこう返した。
「何度でも言う。断る」
「元の世界に戻る気はないのか」
「今はだ」
ないというのだった。
「ここでやるべきことがあるからだ」
「ふん、そう言うのか」
「ではどうするのだ?」
「他の連中を倒してからだ」
結局その考えは変わらないのだった。
「そのうえでもう一度返答を聞こう」
「それも不可能な話だ」
ギリアムが彼に述べる言葉は否定だけであった。
「貴様が我々を倒すことはできん」
「戯言を」
「それは今からわかることだ」
やはり否定であった。
「これからな」
「面白い、それならばだ」
アクセルの言葉に炎が宿った。
「この勝負に互いの世界の命運をだ」
「賭けるというのか」
その目の炎を受けるキョウスケが応えた。
「そう言いたいのか」
「などと言うつもりはない」
今度は彼が否定したのだった。
「俺は俺の信念を貫かせてもらう」
「いいだろう」
キョウスケはその言葉は受けた。
「御前の目的が何であろうと構わん」
「そうか」
「だが」
しかしであった。
「撃ち貫けると思うな」
「何っ!?」
「この俺を」
まずは彼自身であった。
「そしてだ」
「今度は何だ!?」
「ここまで来た俺達の意志をだ」
次はこれであった。
「撃ち貫けると思わないことだ」
「ならばだ」
アクセルは彼のことばをここまで受けたうえで述べてきた。
「最後に立った者が答えを出すまでだ!」
「そういうことだな」
「来い、ベーオウルフ!」
「これで終わりにする」
今まさに戦いがはじまらんとしていた。
「行くぞアクセル=アルマー!」
「全軍突撃せよ!」
「このまま踏み潰せ!」
ブライトとヘンケンが指示を出す。
それに従いロンド=ベルは動きだす。そうしてだった。
「接近戦に強いのは前だ!」
「縁距離戦はその後ろに!」
「はい!」
「わかってます!」
二人の言葉通りに陣を整える。そうしてだった。
迫るシャドウミラーの軍勢を引き付けてそのうえで。
「撃て!」
「撃て!」
一斉射撃を浴びせる、そうして。
敵を数多く撃ち滅ぼす。ビーム砲に実弾、ミサイル、ファンネルの類がこれでもかと放たれそれで敵を潰していったのである。
「よし、今だ!」
「斬り込むぜ!」
接近戦に強いマシンが一斉に斬り込む。それで敵をさらに減らすのだった。
ロンド=ベルはそのまま勢いに乗る。そうしてだった。
戦いの主導権を握った。シャドウミラーのマシンを次々に破壊していく。
「撃ち抜く・・・・・・止めてみろ!」
その中にキョウスケもいた。敵の一機に突進する。
「前より大口径だ。只では済まんぞ!」
それで一撃で粉砕する。それでまた道を開ける。
そこにエクセレンが来た。そうしてだった。
「いっくわよ~~ん!」
ライフルを構えてその後ろにいる敵を撃墜する。見事なコンビネーションであった。
「この調子ね」
「そうだな」
エクセレンのその言葉に頷くキョウスケだった。
「このままだ」
「ええ、行きましょう」
「アクセル=アルマー!」
「行きましょう」
二人の他の面々もさらに進んでいく。キャラが前にいる敵にゲーマルクの粒子砲を放つ。
「行くよ!」
それで一気に敵を減らす。同時に道を開ける。
「よくやってくれた、キャラ」
そこにマシュマーが斬り込む。そして数機瞬く間に斬る。
そこに他のモビルスーツも来た。穴に入って行く。
「雪崩れ込め!」
「ここにだ!」
そのうえでマシンをさらに倒していくのだった。
ロンド=ベルは瞬く間にアクセルのところまで迫った。まずはラミアが彼に問う。
「アクセル」
「来たな、ラミア」
そのラミアを見据えての言葉である。
「ここで決着を着ける」
「いえ」
しかしだった。ここで彼女は彼に告げた。
「それは私ではないわ」
「まずはベーオウルフというわけか」
「ええ」
その彼だというのである。
「そうよ。大尉が」
「いいだろう」
それを拒まないアクセルだった。
「では来い、ベーオウルフよ」
「アクセル・・・・・・」
レモンがその彼に対して声をかけてきた。
「この闘いは」
「手を出すな」
止めようとするレモンに対して告げる。
「いいな」
「どうしてもなのね」
「最初からそのつもりだ」
その心は変わらないのだった。
「わかっている筈だ」
「・・・・・・ええ」
静かに頷いて応えるゼオラだった。
「確かに」
「ならば見ていろ」
こう言ってだった。己の前に来たそのアルトアイゼン=リーゼを見据えるのだった。
「俺の闘いをだ」
「わかったわ」
レモンもここで腹をくくった。
「ラミア」
「ええ」
敵と味方だ。だが心は触れ合っていた。
「私達のやるべきことは」
「見守ること」
「そうね」
あらためて話す二人だった。
「それが私達の務め」
「今は」
「いいな」
キョウスケはまたアクセルに対して告げてきた。
「これで終わらせる」
「いいだろう」
二人は今対峙していた。そのうえで言葉を交えさせる。
「来い・・・・・・今ここでな」
「行くぞ!」
二人は同時に前に出た。そうしてだった。
激しい闘いに入る。互いに激しい攻撃を繰り出しダメージを負っていく。しかしそれでもだった。
「まだだ!」
アクセルの激しい闘志は衰えない。
「俺はまだ闘うぞ。まだだ」
「それは俺もだ」
二人も身体のあちこちから血を流している。それでもまだ闘うのだった。
そうしてだった。アクセルは至近から一撃を繰り出した。これで決めるつもりだったのだ。
しかしそれはかわされた。キョウスケは紙一重でそれをかわしたのである。
「くっ!」
「よし・・・・・・」
そしてだった。彼はここで反撃に出たのだった。
「この間合い・・・・・・もらった!」
「何っ!」
「これで抜けない装甲はないぞ・・・・・・!」
いきなり一斉射撃を浴びせながら体当たりを仕掛ける。吹き飛んだそこにも攻撃を続けそのうえで、だった。
拳に一本の牙を出す。それでアクセルを貫いた。
「くっ!」
「これで終わりだ・・・・・・!」
そのうえで上に大きく吹き飛ばし派手に再度総攻撃を浴びせるのだった。
決まった。アクセルの動きが完全に止まった。
「ぐっ・・・・・・」
攻撃を受けたアクセルは呻き声をあげる。
「ベーオウルフ、貴様!」
「賭けは俺の勝ちだ」
そのキョウスケが彼に言った。
「アクセル=アルマー」
「まさか・・・・・・」
アクセルは所々から火を噴くマシンの中から声を出した。
「ここで俺が敗れるとはな・・・・・・!」
「いや」
「いや!?」
「貴様は既に負けていたかも知れん」
「何っ!?」
「己の世界を捨て」
キョウスケは彼に言うのだった。
「この世界へ逃れてきた時点でな」
「その時に既にだというのか」
「そうだ」
まさにそれだというのであった。
「既にな」
「・・・・・・ふん、そうか」
「アクセル」
ラミアが敗北を認めた彼に対して言ってきた。
「脱出を」
「脱出だと!?」
「そう、脱出を」
再度それを勧めるのだった。
「レモンが悲しむわ。だから」
「馬鹿なことを言うものだな」
だがアクセルは今のラミアの言葉に冷笑で応えた。
「俺は敗れた」
「それでは」
「敗者には死あるのみ」
これが彼等シャドウミラーの掟であった。
「俺だけがそれに従わないわけにはいかん」
「いえ」
しかしだった。ここでそのレモンが言ってきたのだった。
「それは違うわ」
「どういうことだ!?」
「そう言うと思っていたから」
既にアクセルの閑雅は見越していたというのである。
「自動で」
「馬鹿な、止めろ!」
レモンが何をしようとしているのか悟った。それを止めようとする。
「俺は敗れた、敗れたならばだ」
「貴方はまだやるべきことがあるわ」
しかしラミアは彼の言葉を退けるのだった。
「だから」
「馬鹿な、止めろ!」
しかしだった。彼は脱出させられたのだった。
機体は爆発した。だがまだ動けていた。
「アクセル=アルマーは一度死んだわ」
レモンはまた彼に告げた。
「さあ、これから貴方がするべきことを」
「俺がするべきことを」
「ええ」
「それは一体何だ?」
「人形ではなく人として」
「人としてだと!?」
「ええ」
こうアクセルに対して話すのだった。コクピットから脱出した彼に対して。
「考えてもらいたいのよ」
「俺がすることか」
それを聞いてまずは考えだした。しかしであった。
「・・・・・・わからん」
こう言うのだった。
「それが何かは。しかしだ」
「しかし?」
「貴様の言う通り今は生きよう」
それは選ぶというのだった。
「それで貴様が満足するというのならな」
「ええ、御願い」
また告げるレモンだった。
「それでね」
「それでどうなるとも思えんがな」
「わからないかも知れない」
その可能性は否定しないレモンだった。
「けれどわかるかも知れない。だから」
「私にも読めない」
ラミアも言った。
「しかし今ここで死んでは何にもならないから」
「俺にとってというのか」
「そうよ」
まさにその通りだというのである。
「だから今は生きて。絶対に」
「・・・・・・話を聞いてやろう」
彼女にも答えるアクセルだった。
「では。今は去ろう」
「シャドウミラーに戻るのかしら」
「・・・・・・いや」
戻ろうとも思った。しかし考えが変わって今での言葉だった。
「今は止めておく。去ろう」
「・・・・・・そうなの。去るの」
「気が向けばまた会おう。ではな」
アクセルは姿を消した。その乗機と共に。彼が姿を消した時にはシャドウミラーの軍勢はかなりの姿を消していた。しかしであった。
「さて」
「むっ!?」
「援軍!?」
「そう、私ですよ」
その言葉と共にであった。今度はアーチボルトが軍を引き連れて出て来たのであった。
「この私がです」
「アートボルト、生きていたのか」
ラミアは彼の姿を認めて言った。
「暫く姿を見なかったが」
「貴方が私を見ていないことが私が死んだことにはなりませんよ」
笑って言う彼だった。
「そういうことにはね」
「確かにな」
ラミアも忌々しい顔でそのことは認める。
「それはその通りだ」
「さて、エキドナさんが倒れられアクセル隊長も行方知れずにですか」
「そうだ」
彼の今の言葉に答えるレモンだった。
「見ての通りだ」
「ふむ。わかりました」
それを聞いてまずは頷くアーチボルトだった。
「それではです」
「何か考えでもあるのかしら」
そのアーチボルトに対して問うレモンだった。
「だとしたらそれは一体?」
「面白い人材を手に入れまして」
「人材!?」
その言葉に眉を動かしてしまった。
「それは一体。ヴォータン=ユミルだけではなくて」
「ええ、あの戦士だけではありません」
彼の姿は今はなかった。
「そう、三人のです」
「三人の」
「少年達です。さあ」
そう言うとだった。アーチボルトの率いる軍に三人出て来た。それは。
「何っ!?」
「それは」
レモンだけでなくラミアも声をあげたのだった。
「イーグレット=ウルズ」
まずは一人の名前を言ってみせたアーチボルトだった。
「そしてイーグレット=アンサズ」
二人目だった。
「最後にイーグレット=スリサズ」
「あの者達はまさか」
ゼンガーは三人の姿を認めて言った。
「ソフィアの研究していた」
「ある世界に通っていた時に見つけ出してきたものです」
こう語るアーチボルトだった。
「彼等の力があればエキドナさんや隊長の分は取り戻せますよ」
「好かないな」
レモンはその彼のことばを聞いていて不機嫌な声を漏らした。
「何かな」
「おや、それは何故ですか?」
「その三人を使って何を考えているのだ」
「何を、とは微妙な言葉ですね」
そのレモンの言葉を聞いて含み笑いを浮かべたのだった。
「また微妙な」
「微妙というのか」
「ええ。私はあくまでシャドウミラーの為に彼等を連れて来たのですよ」
あくまでそういうことにしようというのだった。
「ただそれだけですが」
「どうだかな。だがいい」
今はそれ以上は言おうとしないレモンだった。
「その力、使わせてもらうぞ」
「はい、それでは」
こうしてアーチボルトと三人の存在を得て再度攻勢に転じるシャドウミラーだった。ゼンガーはそのアーチボルトに対して向かうのだった。
「アーチボルト、あの三人のことを」
「はい、知っていますよ」
彼の剣を受け止めてみせての言葉だった。
「それは当然ではないですか」
「わかっていてだというのか」
「シャドウミラーは力を追い求めている組織です」
これは既に知られていることだった。
「だからこそです」
「そうか。わかっているならばだ」
ゼンガーはそれ以上は聞こうとしなかった。そうして間合いを戻して剣を構えなおしてだった。
「参る!」
「貴方は剣で語られる方でした」
「それと共に貴様を許すわけにはいかん」
こうも言うゼンガーだった。
「どの世界のソフィアかは知らんが」
「それでもですか」
「そうだ。貴様が何を考えその世界に通ったかも知らん」
「危険を犯して通ったかいはありましたよ」
楽しそうな笑みと共に出した言葉だった。
「私にとってね」
「貴様にとってか」
「私の趣味も満喫できました」
笑みがさらに楽しそうなものになる。
「あの方もそれで」
「あの世界のソフィアをか」
「さて、それはどうでしょうか」
あえて言わないがそれは言う必要のないものだからだ。
「とにかく。私の手許には今は彼等がいます」
「それだけ聞けべもう聞くことはない」
再度言うゼンガーであった。
「参る!」
そしてダイゼンガーのその巨大な剣を振るうのだった。戦いは新たな場面に入っていた。
戦いは続きロンド=ベルは押してはいた。しかしであった。
「何かあの三人」
「今は動かないけれど」
「一体」
アーチボルトが連れて来たその三人のマシンを見て怪訝な顔になっていた。
「何だっていうの?」
「動かないなんて」
「只の飾りとも思えないし」
「何を考えている」
ラミアもその三人を見て目を顰めさせていた。
「アーチボルト、貴様は」
「さて」
ゼンガーの剣をかわし時折牽制を出しながらだ。アーチボルトは言うのだった。
「これでいいですね」
「いいというのか?」
「はい」
そうだとレモンに述べるのだった。
「今はこれでいいです」
「ラーニングさせていたのか」
こう察したレモンであった。
「まさかとは思うが」
「さて」
ここでもあえて答えないアーチボルトであった。
「それよりもです。戦力の消耗が深刻なものになってきました」
「わかっている」
それはもう言うまでもないと返すのだった。
「それはな」
「それでは」
「全機撤退する」
この指示を出すのだった。
「これでだ」
「はい、わかりました」
返答するその声は恭しいものではあった。
「それでは。これで」
「またすぐにロンド=ベルに攻撃を仕掛ける」
今はこう言うだけのレモンであった。
「すぐにだ」
「では私もその時は」
今は大人しく撤退するアーチボルトであった。しかしここでの戦いは終わった。
ミュンヘンの戦いは終わりアクセルは姿を消した。しかしだった。
「アーチボルト、一体」
ラミアが険しい顔で思索に耽っていた。
「何を考えているのだ」
「おそらくはだ」
ここで言うゼンガーだった。
「あの三人に我々のことをラーニングさせている」
「そうね」
それはラミアも察していることだった。
「だから今は何もしなかったのね」
「そうだな。だが次はわからない」
「ええ」
ゼンガーの今の言葉に頷くラミアだった。
「次ことはね」
「次の戦いが何処になるかはわからない」
ゼンガーはこう言いもした。
「しかしだ」
「ええ。あの三人」
今言ったのはアヤカだった。レイヴンではなかった。
「不気味なものがあるわね」
「エキドナとエクセルがいなくなってもだ」
またラミアが言ってきた。
「シャドウミラーの戦力はまだ残っている」
「その通りです」
ラトゥーニがその言葉に頷く。
「それはまだこれからです」
「何だよ、それってよ」
それを聞いてたまりかねたように言ったのはキーエンス=バゥアーだった。
「折角何かいけるかって思ったのによ」
「アインストもシャドウミラーもな」
アルフレドも言う。
「まだまだ力が残っているということだな」
「そういうことですね。それにしても」
セランは考える顔になっていた。
「あの三人の少年の感じですが」
「ああ、そうだね」
オルセンは妹の今の言葉に頷いた。
「アラド君と似てるよね」
「確かに」
彼の今の言葉にナタルも賛成した。
「そういう感じが」
「まさかアラドのクローン!?」
今言ったのはゼオラである。
「そんな筈が」
「違う世界から来たんだろう?それも有り得るぞ」
ムウが彼女に告げる。
「世界が違うんだからな」
「そういえば確かに」
そう言われると納得するものがあったゼオラであった。
「そうなりますね」
「そういうことさ。あの連中はあっちの世界のアラドを元にして造られたアンドロイドなのかもな」
「俺をですか」
アラドは話を聞いて微妙な顔になってしまった。
「何で俺なんかを」
「その生命力じゃないかしら」
今言ったのは小鳥である。
「それもかなりね」
「そうだな」
彼女の言葉に頷く宗介だった。
「それは間違いない」
「アラドの体力や生命力はかなりのものよ」
メリッサも言うのだった。
「接近戦の素質も凄いし」
「俺ってスクールじゃ落ちこぼれだったんだけれどな」
「素質が出ていなかっただけかと」
テッサはそう分析していた。
「それはただ」
「そういえばアラドって結構癖強いからね」
ハヤトはそう分析していた。
「それを考えたらね」
「スクールじゃその能力を発揮できなかったってこと?」
今言ったのはゼオラである。
「この子の」
「この子って」
「何か弟みたい」
「確かに」
皆今のゼオラの言葉に思わず言ってしまった。
「前からそんな感じだったけれど」
「ゼオラの方が年上だし」
「そうよね」
そのことを確かめ合う。姉さん女房というやつである。
「けれどこの子っていうのは」
「狙い過ぎじゃないの?」
「そうよね」
「うっ、ひょっとして墓穴掘っちゃった?」
「やったわね」
今更ながら戸惑うゼオラに対してオウカが言ってきた。
「流石に今のは」
「うう、しまったわ」
「仕方ないわね。とにかくアラドは」
「ええ」
話がそこに戻った。
「そうした素養を考えてのクローンのモデルなら」
「何か嫌だな」
アラド自身は顔を顰めさせていた。
「別の世界のことでもな」
「それでだけれど」
また言ったゼオラだった。
「あの三人どうしようかしら」
「答えはもう出ている」
ゼンガーが言ったのだった。
「倒す。それだけだ」
「ですか。やっぱり」
「倒すんですか」
「そうだ、倒す」
また言うゼンガーだった。
「わかった。それではな」
「はい、それじゃあ」
「やります」
ゼオラとアラドが応えて述べる。
「あの連中が今度出て来たら」
「俺達が」
「複数の世界が絡み合っている」
クォヴレーはふとこの言葉を呟いた。
「その中で何かが起こるのか」
「全軍とりあえずキールに入りましょう」
テッサが言ってきた。
「キールにです」
「キールっていうとドイツの軍港の」
「あそこですか」
「はい。あの場所なら設備も充実していますし」
それもあるというのである。
「あそこで整備と補給を受けるべきかと」
「わかりました。じゃあ」
「キールに」
「けれどあれね」
今度言ったのはアスカだった。
「ドイツっていうのはあれよね」
「あれって?」
「ドイツって?」
ケンスケとヒカリがアスカに尋ねた。
「何かあったの?」
「ドイツ料理の他にも」
「あるわよ。ドイツは元々軍が強くて有名じゃない」
「そうだな」
名前からすぐにドイツ人とわかるライが彼女の言葉に頷く。
「だからこそ軍事基地も多い」
「あたしも一応ドイツ人の血が入ってるし」
「何だ?猿じゃなかったのかよ」
「あんたは永久に黙ってなさい」
すぐにシンに噛み付いて返す。
「あたしみたいな美女を捕まえて何が猿よ」
「赤猿じゃなくて何なんだよ」
言い返し続けるシンだった。
「それでカガリがあの中国の金色の毛の猿でよ」
「そうか。私がその希少な猿か」
「そうだよ。光栄に思え」
また睨み合う二人であった。
「手前がその猿だよ。下着は緑か白だけれどな!」
「何故それを知っている!」
「いつも酔って朝になったら下着になってんだろうが!」
彼女の悪い癖である。
「どんどん脱いでいってな!」
「見たな、生かしてはおけん!」
「自分から見せてんだろうが!」
「死ね!死んで忘れさせてやる!」
取っ組み合いに入った。
「永遠にだ!」
「この孫悟空!」
「このタツノコタロウ!」
最早何が何かわからない。
「ここで成仏させてやる!」
「天国を見せてやる!」
彼等は大喧嘩に入った。これはいつものことだった。
「まあドイツはね」
「そうね」
これまたドイツ人のレオナがアスカの言葉に応える。
「そうよね。そういう関係でいい軍事基地が多いのよ」
「おまけに欧州の中央にあるし」
「何処にも行きやすいのよ」
「だからここに留まっていていい」
今言ったのはマイヨだった。
「暫くはだ」
「欧州に出て来る相手には」
「そうするか」
「そうよね」
皆でまた言い合うのだった。
「キールに入って」
「暫くは留まって」
「連中を待つか」
「それにだ」
今言ったのはレーツェルだった。
「あのアーチボルトは必ず我々を誘き出して来る」
「俺達をですか」
「そしてそこで」
「そうだ。その為には手段を選ばない」
彼はこうも言った。
「来る。間違いなくな」
「それじゃあ今は」
「様子を見て出て来たところに」
「そうだ。そこで倒すしかない」
レーツェルの言葉は続く。
「いいな」
「わかりました」
「それじゃあ」
こうして彼等はキールに入った。そうして彼等はシャドウミラーを待つことにした。彼等は今は戦いを待つことになったのであった。
その時ホワイトスターでは。マーグがロゼに対して話していた。ロゼはマーグに対して述べていた。
「戦いは今は欧州中心になっています」
「あの場所でか」
「はい、あの場所に留まってそれぞれの勢力がせめぎ合っています」
「ロンド=ベルを軸にしてか」
「はい、やはり彼等です」
こうも話すロゼだった。
「そこにシャドウミラー、アインスト、それとインスペクターが来ています」
「ゲストはどうしているか」
「今は動いていません」
ロゼはこう答えた。
「動きは静かです」
「わかった」
「何をしているのか不明です」
ロゼはこうも話したのだった。
「間違いなく何かを考えているのでしょうが」
「そうだな。ゲストは必ず来る」
「その時ですが」
ロゼの言葉は続く。
「我々も動きべきかと」
「そうだな。ゲストが出て来たその時はだ」
「はい、軍を出しましょう」
「その用意はもうできているな」
「何時でも」
できると答えるロゼだった。
「間違いなく」
「よし、では待とう」
マーグは決意を固めた。
「その時に我々も出るぞ」
「わかりました、マーグ様」
マーグもそうだというのであった。
「それでは」
「出て来たその時にすぐに出撃する」
「はい」
「特にあの三人だ」
「ゲストのあの三人の幹部ですね」
「そうだ。あの三人が来たのならばだ」
特にその三人を警戒しているのであった。
「我々もすぐに出る」
「ではあのゴッドマーズで」
「ロンド=ベルもその時に叩いておく」
彼等もだというのだ。
「同時にだ」
「全軍何時でも出撃できますので」
「流石だね。用意がいいね」
ロゼに対して微笑むのだった。
「ロゼがいつもそうして気配りしてくれるからおかげで助かるよ」
「有り難き御言葉」
マーグのその言葉に微笑むロゼだった。
「私はマーグ様の為に」
「私の為にかい」
「そうです。マーグ様の為にです」
しているというのである。
「ですから」
「有り難う。しかし」
「しかし?」
「それは私の為ではなくバルマーの為だね」
「あっ、はい」
言われてそのことにやっと気付いた彼女だった。
「その通りです。言葉のあやでした」
「そうだね。それはね」
「申し訳ありません。それでだけれど」
「はい」
「バルマーの為に頼むよ」
「わかりました」
マーグのその言葉にこくりと頷くロゼだった。
「それでは」
「ゲストは動くかな」
「動くかと」
ロゼはこう予想しているのだった。
「おそらくですが」
「そうだね。動くね」
マーグもまた言う。
「それもすぐにね」
「はい、ではマーグ様」
「それと各艦隊だけれど」
次にはこの話もするのだった。
「銀河辺境方面軍の他の七個艦隊はどうしているかな」
「はい、第一艦隊は戦力を取り戻しました」
まずは第一艦隊について話したロゼだった。
「七個の艦隊が全て元に戻りました」
「そうだよね。これで」
「ではその七個の艦隊を地球に集結させようか」
「七個の艦隊をですか」
「うん。八つの艦隊を全てこの太陽系に集結させる」
そのことをまた言うマーグだった。
「八つの艦隊をね」
「それでこの太陽系に集まっている全ての組織を壊滅させるのですね」
「そうしよう。全ての組織をね」
「はい、それでは」
「全ての組織をね」
彼等も彼等の戦略を立てていた。地球にある多くの戦力が動き合い考えをめぐらせていた。地球圏の戦いは混迷の度合いを増していた。

第百六十二話完

2009・11・1
 
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