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スーパーロボット大戦パーフェクト 第三次篇

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第百五十九話 白騎士の心

              第百五十九話 白騎士の心

ロンド=ベルはヘブンズベースの基地に入った。そこがどういった場所かというと。
「寒いな」
「だよな、相変わらず」
「何だこの寒さ」
皆アイスランドのその寒さに辟易してきていたのである。
「いい加減何ていうかな」
「暖かい場所に行きたいっていうか」
「それではだけれど」
ここでテュッティが皆に言ってきた。
「サウナはどうかしら」
「あっ、サウナですか」
「いいですね」
皆サウナと聞いて喜びの声をあげた。
「それじゃあ今からそこで」
「あったまって」
「おっと、その前によ」
しかしここで出て来たのはミレーヌだった。
「水泳大会だって」
「げっ、水泳!?」
「まさか寒中水泳とかか?」
「それは流石に無理よ」
笑ってこう返すミレーヌだった。
「流石にそれやったら皆死ぬでしょ」
「確かにな」
「それだけはちょっとな」
そうであった。流石にそれは誰も無理であった。
「じゃあやっぱりプールか?」
「そこに行くんだよな」
「そうよ。プールね」
やはりそこだというのである。
「これから皆で泳ぐんだって」
「水泳か」
「何かブンタとかゲンナジーの独壇場だな」
その彼等のというのである。
「まあいいか」
「泳ぐのもいいしな」
彼等にとっては泳ぐのも悪くないことであった。どちらにしろ身体を鍛えることだからである。だからそれでいいとしたのである。
「それじゃあ泳ぐか」
「そうだよな」
こう話をしてだった。皆で基地のプールに出る。当然水着である。
「皆水着新しいのにしたのね」
リンダは胸を強調した白いワンピースであった。
「何か見る度に違うけれど」
「そうね」
マウアーは見事なクロのビキニである。
「やっぱりスタイルがはっきり出るから気にするわね」
「ハマーンは今はそれなの」
「はい、ミネバ様」
何とハマーンはミネバと共に黒地の競泳水着であった。
「これにしております」
「そう。それにね」
「ミネバ様と同じものにしました」
「私と?」
「そうです。折角と思いまして」
そうしたというのである。
「これにしました」
「そうなの。有り難う」
「うっ、ハマーンさんのスタイルって」
「これはかなり」
ルーとエルにとっては完敗を感じさせるのに充分なものだった。ルーはオレンジの、エルは黄色のビキニをそれぞれ着ている。
「お肌も奇麗だし」
「流石っていうか」
「やっぱりあれねえ」
ミサトはかなり羨ましそうにハマーンを見ていた。彼女は黒と黄色のセパレーツである。
「年齢ってあるのね」
「そうね」
リツコは白衣の下に黒のビキニである。
「私達じゃあそこまではね」
「お肌もスタイルもね」
「ないわね」
タリアは青ビキニである。水玉になっている。
「とてもね」
「やれやれ、やっぱりハマーンは二十一歳ってことね」
「若さが出てるわ」
そうなのだった。ハマーンはまだ二十一歳なのである。
「スタイルもいいしお料理もお洗濯もできるし」
「よく考えたらパーフェクトよね」
「で、おばさん達は相変わらずなんだな」
「死になさい!」
ここでまた減らず口を叩いたシンを速攻でプールに蹴り入れるミサトであった。
「誰がおばさんよ!まだ二十九よ!」
「女は三十路からがはじまりよ」
リツコも言う。
「それでよく言ったわね」
「あぐぐぐぐぐぐ・・・・・・」
「それはいいんですけれど」
ここでアクアは戦闘用のスーツとあまり変わらない黒の水着で彼女達の前に出て来てプールの中のシンを見ながら言うのだった。
「あの、シン準備体操していないんじゃ」
「そんなのどうでもいいわよ」
「そうよ」
そんなことは構わないという二人であった。
「このまま死んでもね」
「全然平気だから」
「女の年齢を言うのはタブーだっていうのに」
タリアもまた言うのであった。
「毎回毎回全く」
「まあ自業自得ですけれどね」
実際のところアクアもそれは否定しなかった。
「死なないとわからないでしょうし」
「どうせ生き残るしね」
「しぶといから」
それもよくわかっている二人であった。実際にシンは見事生き残った。
「全くあんたは」
「何考えてるのよ」
そのシンにピンクのビキニのルナマリアと緑のワンピースのメイリンが言ってきた。
「毎回毎回同じこと言って」
「準備体操しないでプールの中は本当に死ぬわよ」
「冗談抜きで今度は死に掛けたぜ」
四つんばいになって口から水を吐きながらの言葉であった。
「ミサトさんもとんでもないことするな」
「あんたが悪い」
「そうよ」
しかしそれはそうなるのだった。
「それにしてもよ」
「あんたカナヅチだったっけ」
「アカデミーで泳ぐのもやってるだろうがよ」
シンはこう二人に返したのだった。
「それもちゃんとな」
「まあそうだけれどね」
「それはね。けれど」
ここでメイリンはアヤを見る。その水着は。
「アヤさんのスタイルも凄くない?」
「うっ、確かに」
それはルナマリアも認めるところだった。あまりにも豊かな胸とくびれた腰に赤と黒の二色のビキニが見事に映えている。隣のクスハも水着こそ黒のワンピースと大人しいものであるがその胸はかなりの大きさを誇っている。
「スタイルにも自信あったのに」
「あれには負けるわよね」
「ええ、確かに」
姉妹でそれを認めるのだった。
「あの見事さにはね」
「どういったものかしら」
「気にしたら負け?」
こう言ったのはステラだった。水色のビキニである。やはり彼女もそのスタイルはかなりのものである。二人に負けてはいない。
「こういうのって」
「それはそうだけれど」
「けれどあのスタイルは」
「どうしたのですか?」
ここでファーラが来た。彼女のスタイルもかなりのものだ。派手なダークレッドのビキニである。
「皆さん落ち込まれていませんか?」
「いえ、別に」
「そういうわけじゃないけれど」
そうはいっても、という調子であった。
「まあそれでも」
「皆凄いし」
「そうですね。皆さんかなりのスタイルです」
そう言うファーラにしてもかなりのものである。
「やはり戦っていて身を鍛えているからでしょうか」
「それでなのね」
「皆スタイルがいいのって」
「そうだと思います」
今度はこう述べたファーラであった。
「皆さん」
「ううん、私達も自信あるけれど」
「それでもアヤさん達はね」
「壮絶っていうかしら」
「おい、泳がないか?」
劣等感を感じる彼女達にミシェルが声をかけてきた。
「外にいても寒いだけだしな」
「そうだよな。それじゃあ」
「泳ぐか」
シンとレイがそれに応えるのだった。
「その為にここにいるからな」
「そうするべきだな」
「泳ぐのはいいことだ」
ジノが彼等の言葉を聞いて述べた。
「私は水練も得意としている」
「水泳もできるのか」
「左様、武芸一八般の中に水練もある」
グラハムに対して述べたのだった。
「だからだ。鍛錬を積んである」
「それでなのか」
「そうだ。貴官はどうなのだ」
グラハムに対して問うのだった。
「水練は得意か」
「少なくとも泳ぐことはできる」
幾分謙遜した言葉であった。
「貴殿程ではないだろうがな」
「では競ってみるか」
「そうだな。是非な」
「それでははじめよう」
彼等は競争をはじめた。しかし多くの者はまだそれはしていない。相変わらず落ち着いてプールサイドにいた。
「あら、留美も」
「どうしました?」
「スタイルいいわね」
スメラギは彼女の水着姿を見て言うのだった。鮮やかな赤のきわどいワンピースである。後ろから見ればビキニに見えるものだった。
「そこまでいいなんてね」
「あら、艦長こそ」
しかし留美は微笑んでスメラギに言葉を返した。するとだった。
テッサと並んでプールサイドに安楽椅子の上で寝ている彼女はであった。見事な黒いビキニであった。その見事なスタイルが露わになっている。
「お見事ですわ」
「そうかしら。もうスタイルが崩れてきたんじゃないかって思ってるけれど」
「全然ですよ」
隣のピンクの可愛らしいビキニのテッサが言っていた。
「スメラギさんもかなりのものですよ」
「ふふふ。だといいけれどね」
二人のその言葉を受けて笑うスメラギだった。
「やっぱりね。何時までも若く奇麗でいたいし」
「そうですか。やっぱり」
「美容には気をつけてるのよ」
自分でも言うのだった。
「本当にね」
「いいことだと思いますわ」
「私もです」
留美もテッサも彼女のその言葉に笑顔で頷いてみせた。
「やっぱり女の子ですからね」
「何時までも」
「そうなのよね。それにしても」
ここでスメラギは驚く目で見る者がいた。それは。
アヤカであった。彼女は白と青のビキニだったがそのスタイルがであった。
「何ていうかね。アヤカはね」
「私が?」
「もう犯罪じゃない」
その彼女のスタイルを見ての言葉である。
「そこまでいったら」
「そうかしら」
「凄過ぎますわね」
「本当に」
留美とテッサも言葉がなかった。
「もうこれしか言えませんわ」
「お見事です」
「私は別に」
本人はこう言いはする。
「そんなことは」
「凄いわよ」
「そうですわ」
「自信を持っていいですよ」
三人同時に彼女に告げた。
「そのスタイルを維持してよね」
「見ているだけで惚れ惚れしますわ」
「私達も」
「確かに」
ここでアルシオーネが出て来た。いつもと殆ど変わらない格好である。
「美はそれだけで尊いものだからな」
「けれどアルシオーネはいつもと変わらないように見えるわ」
これまた見事な紫のビキニのレインが彼女に言ってきた。
「やっぱり普段の服が普段だからかしら」
「実際に水着になっても抵抗はないわ」
自分でもこう言う彼女だった。
「それはね」
「やっぱりそうなのね」
「ええ。そしてそれは」
「うちもやで」
カルディナも普段と殆ど変わらない格好である。
「どや。いつもと同じやろ」
「確かに」
「全然違和感ないし」
「やっぱりあれやで。着慣れてるんやろな」
それだというのだった。
「そやから違和感ないんやで」
「そうみたいね」
今度出て来たのはプレセアだったが彼女は白いワンピースだった。
「私も実際スカートの下はこうした格好だし」
「セフィーロって女の人は露出高いのね」
「確かに」
皆このことに気付いたのだった。
「それなのに男の人はね」
「服の露出が」
「そうなのだ」
クリフが出て来た。彼だけは水着ではなくいつもの格好である。
「それが我がセフィーロの服なのだ」
「それってどうしてなんですか?」
「何で女の人は露出が」
「そういう決まりになっているのだ」
こう言うだけであった。
「詳しいことは私も知らない」
「知らないって」
「そんな」
「申し訳ないが実際に知らないのだ」
また述べるが言葉は同じであった。
「私にもわからないのだ」
「そうなんですか」
「そのことは」
「多分だけれど」
だがここでプレシアが自分の考えを述べた。
「お約束ということじゃないかしら」
「お約束!?」
「っていうと?」
「つまり。女の子の露出は誰もが見たがるでしょ?」
「ええ、まあ」
「確かに」
皆それを言われるとよくわかった。実際に今も女組はそれぞれ派手な水着を着ているが男はどれも同じトランクスタイプである。何の変わりもない。
「それを言われますと」
「本当に」
「そういうことよ。女の子はお肌を見せるのもね」
「必要ってことですか」
「そうなるんですね」
「そうよ。そう言うことだと思うわ」
そうだというのだった。
「そう考えればいいと思うわ」
「成程ね」
「かなり不公平かもって思うけれど」
こうした意見も出るには出た。
「それでもまあ。それはよしとするか」
「そうね」
「腑に落ちないところもあるけれど」
そんな話もするのだった。何はともあれ彼等は楽しい時間を過ごしていた。ただ今はいない一人のことがどうしても気になってはいた。
「エクセレンさんがいればな」
「そうだな」
ジェスの言葉にヘクトールが応える。
「雰囲気がもっと明るくなったからな」
「あの人がいるだけでな」
「けれどよ」
「今は」
その二人に若草色のビキニのパットと競泳水着のミーナが言ってきた。
「そのエクセレンさんを見つける為にもアインストと戦わないといけないし」
「だからね」
「それはわかっている」
アーウィンの言葉は沈痛なものだった。
「それはな」
「それじゃあここはやっぱりぃ」
グレースは赤地に白い水玉の可愛らしいワンピースだった。しかしそのスタイルは見事なまでにはっきりと浮き出ていた。
「待つしかありません?」
「そうだな。それしかない」
それに応えたのはダイテツだった。彼も軍服のままである。
「落ち着くことだ。今はな」
「やれやれ。それじゃあ今は」
「リラックスするしかないか」
「そうね」
そのことに頷いてだった。彼等は今は遊ぶしかなかった。
それからまた三日程過ぎてからだった。南フランスにストーンサークルが現れたのだ。
「現れた!?」
「発見されたのではなく」
「ああ、そうだ」
皆にトーレスが述べていた。
「出て来たんだよ、急に」
「それじゃあやっぱり」
「そこに」
「そうだな」
キョウスケは既にわかっていた。
「間違いなくそこにいる」
「それじゃあすぐに」
「そこに向かいましょう」
結論は出ていた。既に。
「出て来るんならな」
「今度こそエクセレンさんを」
「そしてアインストの謎も」
全て解くつもりだった。ここで。
「解くか」
「そこに行ってな」
「場所はプロヴァンスの少し北だ」
トーレスはまた言った。
「そこに出て来たんだよ」
「それじゃあすぐに」
「そこに行きましょう」
皆で言い合うのだった。
「本当にね。それでよ」
「今度こそエクセレンさんを」
「よし、それではだ」
キョウスケはそれを聞いてすぐに格納庫に向かった。
「行くぞ。今すぐにな」
「南フランスか」
「少し遠いけれどね」
「そんなことを言っていられる場合でもないな」
そういうことだった。
「今は。それよりも前に」
「進まないとな」
「では諸君」
大文字が全員に告げた。
「すぐに来たに発つ。いいな」
「はい、それじゃあ」
「すぐに」
こうして彼等は南フランスに向かうのだった。ヘブンズソードを出てすぐに海の上を南下する。
その中で、であった。皆それぞれの艦内でこれからのことを話していた。
「今度こそ、だな」
「そうだね」
イーノがビーチャの言葉に頷いていた。既に格納庫にスタンバイしている。
「エクセレンさんをね」
「助け出そうぜ」
「それにしてもだけれど」
だがその中でドモンが言った。
「ストーンサークルが出て来たのって何でだろ?」
「アインストと関係があるのは間違いないよ」
「そうだな」
プルの言葉にプルツーが頷いた。
「それは確実だな」
「だからあそこにも」
「いるぜ、絶対にな」
ジュドーもそれを確信していた。
「あいつ等もエクセレンさんもな」
「だからこそよ」
セラーナも言った。
「私達もこうして向かっているのよ」
「ただ」
ここでノリスが言った。
「どれだけの数がいるかはわかりません」
「確かに」
「それは」
皆も彼の言葉でそれを思い出したのだった。
「いるのはわかるけれど」
「その数までは」
「戦術も全く」
「わかってないよな」
「ああ」
「戦術はどうとでもなる」
だがシローはこう言うのだった。
「あの連中はただ囲んで来るだけだ」
「そうね」
シローのその言葉にアイナが頷いた。
「彼等はね。そうね」
「戦術はこれといってない。囲まなければ正面から来るか」
「そういえば確かに」
「あの連中戦術はないわよね」
「ただ数で来るだけだし」
「そういうのは」
皆このことにも気付いた。
「じゃあ数で来ても相手できるし」
「それは別になのね」
「それなら話は楽だな」
ビルギットが述べた。
「潰すだけだからな」
「よし、それなら」
シーブックがここまで聞いて述べた。
「潰しに行こう」
「そうね。そうして今度こそ」
「エクセレンさんを助け出すんだ」
彼はセシリーの言葉にも応えるのだった。こうして彼等は南フランスに辿り着いたのであった。
平野にストーンサークルがあった。間違いなかった。
「間違いないな」
「そうね」
メリッサが宗介の言葉に頷く。既に全機出撃している。
「後は出て来るだけだな」
「ええ。相手がね」
「重力反応はどうだ」
ベルファンガンが問うた。
「これは」
「かなり高いです」
キングビアルからテッサが応えてきた。
「今にも出て来そうです」
「そうか、わかった」
それを聞いて頷く彼だった。
「それならだ」
「何時でも何処からでも来いってな」
クルツはあえて軽く言ってみせた。
「楽しみにしてるんだからな」
「それでですけれど」
「どうしたの?綾人君」
「エクセレンさんの感覚も感じます」
彼はこう遥に述べるのだった。
「それもはっきりと」
「そう、感じるのね」
「はい」
また答える彼だった。
「ですから」
「だったら。今回も」
「いいですか?」
八雲がすぐに全員に告げる。
「ヴァイスリッターまでの道を空けて」
「そしてまた」
「エクセレンさんのところにキョウスケさんを」
「そうです」
まさにそれだというのだった。
「それがアインストの謎を解く最も効果的な方法でしょうし」
「よし、それなら」
「出て来なさい!」
ボビーが叫んだその時だった。
実際にストーンサークルにアインスト達が出て来たのだった。
「あらっ、あたしの呼び掛けに応じて」
「出て来ましたね」
「何てタイミング」
これにかミーナもラムも驚きだった。
「何はともあれ出て来ましたけれど」
「それじゃあ」
「ヴァイスリッターもいるか」
オズマが二人に問うてきた。当然彼も出撃している。
「どうだ、反応は」
「いえ、まだです」
「アルフィミィもです」
「そうか、わかった」
二人の報告を聞いて静かに頷くオズマだった。
「それならだ」
「全機攻撃開始だ」
ジェフリーはこう命じただけであった。
「わかったな」
「はい、それじゃあ」
「今から」
アインスト達も向かって来た。こうしてまた戦いがはじまった。
アインスト達に戦術はなかった。これは予想通りであった。
「ただ正面から数で来てもな!」
「戦い方はある!」
闘志也とマリンがそれぞれ言い剣を振るう。その巨大な剣がアインスト達を切り裂いていく。さながら紙を切るようであった。
「それに今の手前等なんぞもう」
「俺達の敵じゃない」
「けれどです」
ここでテッサはその二人に対して言ってきた。
「決して突出しないで下さいね」
「そうしたら囲まれる」
「だからか」
ジュリイとジャックが彼女の言葉に応えてきた。
「それでだな」
「迂闊に前には出ないことか」
「まだ前進する時ではありません」
テッサは言うのだった。
「ヴァイスリッターも出ていません」
「そうだな。出たその時が」
「勝負の時だな」
謙作と雷太も言う。
「それまでは耐える」
「持久戦か」
「出て来るまで待ちましょう」
ジェミーも言うのだった。
「エクセレンさん達が」
「その通りです。けれど」
「ちぇっ、それにしてもな」
ゴウがここでぼやいた。
「真ドラゴンがなくなったのがな」
「ああ、何で消えたんだ?」
コウタが彼に対して問うのだった。
「こっちの世界に移る時にな」
「それがわからないのですけれど」
ショウコもそれはわからないのだった。
「こっちの世界に合わないのでしょうか」
「俺も知りたいんだよ」
それは彼もだというのだった。
「いざって時には出て来るがな。それが終わったらな」
「消えるんだな」
「そうなんですね」
「そうだよ。今回もだった」
『つまりは切り札だ』
『そうね』
ロアとエミィはそう考えた。
『いざという時にしか出て来ない』
『何者かの意志で』
「意志か」
竜馬がその意志という言葉に反応した。
「だとしたらそれは」
「ああ、そうかもな」
「その可能性はあるぜ」
彼に対して隼人と弁慶も応えた。
「俺達もそれは感じるからな」
「何となくだけれどな」
「おいリョウ」
武蔵も竜馬に声をかけてきた。
「これってよ」
「そうかも知れない」
竜馬は三人の仲間の言葉に応えて述べた。
「その意志が何処にあるかだが」
「まだわからないな」
「そうだな」
「それは」
口々に話していく彼等だった。
「それが真ドラゴンを動かしているというのならばだ」
「また出て来るな」
「俺達の真の危機の時に」
「そういうことなんだな」
彼等にはわかるのだった。そうしてそのうえで、であった。彼等は戦いに戻るのだった。
戦いは続く。アインストは次第にその数を減らしていく。その数が遂に三割を切ったその時であった。
「来た!」
「援軍です!」
「そして」
そうしてだった。遂に出て来たのだ。
「ヴァイスリッターが」
「そしてその横には」
「アルフィミィか」
「そうですの」
そうだった。やはり彼女であった。
「暫くですの」
「・・・・・・・・・」
「エクセレン・・・・・・」
キョウスケは彼女の横にいるヴァイスリッターを見ていた。
「今度こそ御前を」
「よし、それではだ」
カイがここで全員に言った。
「道を開ける」
「ええ」
「いよいよですね」
「ヴァイスリッターまで一直線だ」
そう道を開けるというのだった。
「いいな、それでだ」
「ええ、やってやりますよ」
「またね」
そして今度こそ、というのだった。
「道を開けて」
「今度こそエクセレンさんよ」
「おい、キョウスケよ!」
カチーナが彼に声をかけてきた。
「道を開けるのはあたし達に任せておきな!」
「横もです!」
ラッセルはこう告げてきた。
「僕達がいます!」
「全軍突撃だ!」
カイの次の指示はこれであった。
「目標ヴァイスリッター!」
「了解!」
「やってやらあ!」
こうして彼等は突撃に入った。そうしてであった。
その作戦通り一直線に突っ切る。全軍でだ。
「隙だらけだ」
マイヨもまたその中にいた。
「突っ切るのは容易いか」
「いえ、大尉殿」
「敵の数は多いです」
「油断はできません」
カールとウェルナー、ダンはその彼のサポートに回っていた。三人で息を合わせてそのうえで周りのアインスト達を次々に撃破していく。
「確かに突っ切るべきですが」
「ここは焦らないで下さい」
「我々もいます」
「そうだったな」
三人の言葉を受けて今は落ち着くマイヨだった。
「私らしくもない。冷静さを欠いていたか」
「それも当然だぜ」
「そうだよ」
だがその彼にガルとミンが言ってきた。彼等はいつも通りかなり派手に暴れている。
「何しろ囚われのヒロインを救い出すんだからな」
「熱くならない方がおかしいよ」
「お、おでも」
ゴルは前にいる敵を押し潰していた。まさにそうした感じであった。
「何か燃えてきた」
「そうよ!ここで燃えないと男ではないぞ!」
「何か口の中がアドレナリンで一杯だよ」
グン=ジェムとジンもそれは同じだった。彼等も周りのアインスト達を薙ぎ倒している。剣が横薙ぎにされそれでまとめて破壊していた。
「さあ、道を開けていくぞ!」
「この調子でな」
「蛸殴りだぜ!」
カチーナがとりわけ燃えていた。
「どいつもこいつもよ!」
「あの大尉」
その彼女にラッセルが声をかける。
「それはいいですけれど」
「何だってんだよ」
「あまり前に出たら」
「あの」
ラーダも言ってきた。
「こちらにも射程がありますから」
「ちっ、援護射撃も必要だってことかよ」
「そうですよ」
ラッセルは困った顔で述べたのだった。
「さもないとこっちが囲まれてやられちゃいますよ」
「わかったさ。しようがねえな」
「そうして下さい。ただ」
「ただ。何だ?」
「思ったより派手に動いて来ないですね」
敵の動きを見ての言葉だった。
「どうしてですかね」
「そうね」
それにラーダも気付いたのだった。
「何か楯みたいに立ちはだかるだけで」
「横からはどんどん来るんだがな」
カイはその横からの敵の相手をしていた。
「次から次にな」
「しかし前からは来ない」
ギリアムも言う。
「どういうつもりだ、一体」
「まさかだ」
レーツェルの言葉である。
「あえてキョウスケを来させるつもりか」
「エクセレンの下にか」
「まさかとは思うがな」
こうギリアムにも返すのだった。
「そのうえでだ」
「また仕掛けるというのか」
「有り得ないことではない」
レーツェルは言うのだった。
「それもまたな」
「ではどうする?」
カイの目が鋭くなった。
「ここは」
「様子を見るのも危険だな」
レーツェルはそうも思うのだった。
「ここはな」
「それではだ」
それを聞いてギリアムの考えは。
「何時でもアインスト達に攻撃を仕掛けられるように」
「今は」
「キョウスケのところに行くか」
彼等はすぐにアインスト達のところに向かった。そのうえで何時でも行けるようにするのであった。
キョウスケはここでもエクセレンに声をかける。
「エクセレン!」
「・・・・・・・・・」
やはり返答はなかった。
「くっ、やはりここでもか」
「心には届きませんの」
そしてまた言うアルフィミィだった。
「前にも言いましたの」
「そうだったな」
キョウスケもそれはわかっていた。
「しかしだ」
「幾らやっても無駄ですの」
「無駄ではない」
だが彼は今の彼女の言葉を否定した。
「それはな」
「無駄ではないですの?」
「そうだ。一度で駄目ならばだ」
彼は言うのだった。
「何度でもやる。何度でもな」
「ならしてみるのですの」
それを言われても表情を変えないアルフィミィだった。
「本当に」
「してみせる。エクセレン!」
また彼女に声をかける。
「俺だ、キョウスケだ!」
「・・・・・・・・・」
「俺のところに戻れ。御前が必要だ」
「無理ですの」
アルフィミィはまた否定しようとする。しかしだった。
「・・・・・・キョウスケ」
「えっ!?」
アルフィミィも思わず声をあげてしまった。
「今まさか」
「聞こえただけではないな」
キョウスケもまた今の言葉を確かに聞いていた。
「届いている。今の言葉は」
「そんな筈がありませんの」
アルフィミィはそれを否定しようとする。
「今のは」
「違う。届いている」
だがキョウスケは確信していた。
「俺の言葉はエクセレンの心に」
「まさかと仰るのなら」
アルフィミィはその言葉に微かに動揺を見せていた。
「私は」
「どうするつもりだ?」
「キョウスケ、貴方を止めますの」
こう言いながらだった。両肩の鬼達を動かしてきた。そうして。
そこから青い炎が放たれる。それでキョウスケをマシンごと焼こうとする。
「来たか」
「これで貴方を倒せるとは思ってませんの」
攻撃を仕掛けてもなのだった。
「ですが。止めることはできますの」
「それでか」
「そうですの。これで貴方の言葉を」
「止められるのなら止めてみせるのだな」
それを受けても彼の言葉は強気だった。
「俺の言葉をな」
「そうしますの。これで」
一撃目はかわされた。しかしすぐに二撃目を繰り出そうとする。
また青い炎を放つ。しかしだった。
ここでカイとレーツェル、そしてギリアムが出て来た。彼等はそれぞれの攻撃で炎を打ち消しそのうえでキョウスケの前に来た。
「生憎だがそうはいかない」
「彼の言葉がエクセレンの心に届いたのならばだ」
「最後まで届かせてみせる」
こうアルフィミィに言うのだった。
「このままだ」
「邪魔はさせない」
「いいな」
「貴方達も来たのですの」
アルフィミィの言葉は抑揚のないままだった。
「それではですの。戦いも終わりましたのですの」
「!?去るというのか」
「我等が前に出て来たからではないな」
「まさか」
「答えませんの。それでは」
エクセレンに顔を向けての言葉だった。
「帰りますの」
「・・・・・・・・・」
エクセレンはまた表情を消していた。しかしその目はキョウスケを見ているのだった。
「そうか。もうすぐだな」
キョウスケにはわかっていた。そうしてエクセレンを見送る。エクセレンはその姿を消した。僅かに残ったアインスト達も同じくだった。
「消えたのかよ」
「奴等また」
「何処かに行ったのね」
ロンド=ベルの面々はそれを見送りまずは言った。
「しかしそれでも何か」
「さっきのエクセレンさんって」
「そうだよな」
皆もその声は確かに聞いていた。
「確かに応えていたな」
「そうよね」
「間違いないな」
彼等は口々に言った。
「エクセレンさんの心に届いている」
「それなら次は」
「いよいよ」
キョウスケ以外にも感じ取っているのであった。
「いけるな」
「そうね」
「またすぐに来るわね」
ここで言ったのはセニアだった。
「確実にね」
「そうだね、それは間違いないね」
テリウスが姉の一人の言葉に頷く。
「今までのアインストのパターンだと」
「それじゃあ今は」
「また基地に入って待つのね」
「それしかないわね」
ウェンディも言うのだった。
「今はね」
「それじゃあどうしよう」
「今は」
彼等は口々に行っていく。
「何処かの基地に入ろうか」
「ヘブンズゲートに?」
そこだというのだった。
「アイスランド行く?また」
「いや、あそこ遠いだろ」
「だよな。次何処に出て来るのかわからないけれど」
「何処にだよな」
アインストの神出鬼没ぶりがここで問題になるのだった。
「出て来る場所がわからないからな」
「それもね。どうしたものかしら」
考えあぐねているとだった。ここで言ったのは。
「あそこかも知れません」
「えっ、クスハ」
クスハの今の言葉にブリットが尋ねるのだった。
「何か感じたのか?」
「真龍虎王が感じているのよ」
それを彼女も感じているというのである。
「次に出て来る場所は」
「そこは・・・・・・そうか」
ブリットもここで感じ取ったのだった。クスハと同じく。
「あそこなんだな」
「あそこ!?」
「ブリット、御前にもわかったのか?」
「北だ」
そこだというのだ。
「スコットランドだ、そこに出て来る」
「そうよ、そこよ」
クスハもそこだというのだった。
「そこに出て来るわ、今度は」
「スコットランドか」
「次はそこに」
「真龍虎王が教えてくれてます」
また言うクスハだった。
「ですから」
「そうか。それじゃあ」
「今度は」
「スコットランドに行くか」
大河はそれを聞いてすぐに述べた。
「それではだ」
「そこで待って」
「そのうえで奴等との決戦を」
「その通りだ。行こう」
ダイテツはまた言った。
「このままな」
「よし、それじゃあ」
「スコットランドに」
彼等は口々に言う。
「そして奴等と今度こそ」
「エクセレンさんも」
「あと一歩だ」
皆このことも感じていた。
「だから今はここからスコットランドに」
「全軍北へ!」
大河がまた指示を出した。
「そうしてスカパフローに入りアインスト達を待とう」
「了解!」
「それじゃあ!」
こうして彼等はスコットランドに向かうのだった。北に向かいまたフランスを縦断する。
その中でティスがふと窓の外を見ながら呟くのだった。
「何かフランスワインとかフランス料理とか」
「食べたかったのか?」
「ちょっとね」
こうラリアーに答えるのだった。
「食べたかったけれどね」
「スコットランドの食べ物は?」
「ああ、駄目駄目」
デスピニスの言葉には右手を横に振って返した。
「イギリスは駄目じゃない、それも全く」
「そうなの」
「ハギスってのがあるぜ」
「それはどうなのよ」
三人にラージとフィオナが言ってきた。
「羊とかの内臓に色々入れたものだけれどな」
「それ食べてみたら?」
「美味しいの?それ」
ティスは二人の言葉を聞いてハギスについて興味を覚えたのだった。
「それって」
「さてな」
「どうかしらね」
しかし二人はそれには答えられなかった。
「俺も食ったことないからな」
「私も」
二人共それは食べたことがなかったりする。
「っていうかイギリス自体がな」
「全然駄目だしね」
「だよな」
食べ物がということである。
「ロンド=ベルだったら普通のもの食べられるし」
「美味いのがな」
彼等はイギリスの料理よりロンド=ベルの料理というのだった。
「やっぱりずっと美味いからな」
「そうそう」
「まあ例外も多いけれど」
ここで言ってきたのは妹赤水だった。
「うちの部隊はね」
「確かにな」
妹の今の言葉に兄が頷く。
「色々とな」
「けれどよ」
ティスは二人に対しても言うのだった。
「オルガ達は何でも平気で食べてるじゃない」
「ちょっとあの三人も」
「例外ですから」
このことにはミズホとラージが答えた。
「ですからそれは置いておいて」
「考えないといけません」
「それじゃあやっぱり」
「フランス料理なの?」
デスピニスがまたティスに問うた。
「食べたいの?」
「やっぱりね」
やはりそうだというのだった。
「できたらだけれど」
「じゃあ誰かに頼んでみる?」
ラリアーがこう提案してきた。
「部隊の誰かに作ってもらう?」
「誰か作ってくれるの?」
「そういう人も多いよ」
ロンド=ベルに人材は事欠かなかった。
「だからね。どうかな」
「そう。だったら」
それを聞いてティスも言った。
「御願いしようかしら」
「それじゃあラクスさんか?」
「ユリカさんでもいいんじゃないの?」
ラウルとフィオナはわざとこの二人の名前を出した。
「あの二人に頼んでみるか」
「そうよね」
「冗談言わないでよ」
ティスはその二人の名前を聞いてすぐに言い返した。
「あの人達の料理なんて」
「何だよ、美味いのにな」
「究極だよ、究極」
「最高だ」
しかしオルガ、クロト、シャニの三人はこう言うのだった。
「あの人達の料理食ったら力出るんだよ」
「あの刺激がいいのに」
「御前にはわからないのか」
「っていうかあんた達どういう身体の構造してんのよ」
思わずその三人に言うティスだった。
「前から思ってたけれど」
「おい、俺は普通だぜ」
「僕だってそうだよ」
「正常だ」
しかし三人にはその自覚は全くなかった。
「その俺達を捕まえてそんなこと言うのかよ」
「ちょっとあんまりじゃないかな」
「少し不快だ」
「不快ならそれでいいわよ」
だからといってそれでどうも思わないティスだった。
「まあとにかく誰がに御願いしてみようかしら」
「それがいいよ」
また彼女に言うラリアーだった。
「食べたいとね」
「そうさせてもらうわ。それにしても」
ここまで話して話題を変えてきたティスだった。
「あれね」
「今度は何だ」
フォルカが彼女に問うてきた。
「何かあったのか」
「いやさ、今度の戦いであの連中との戦いの終わるのかなって思ってね」
それでだというのだった。
「そう思うとね。やっとって思ってね」
「少なくとも終わらせたいわね」
「そうですね」
ゼオラは桜華の言葉に頷いていた。
「これでアインストはね」
「完全に」
「その場所がスコットランドか」
クォヴレーが呟いた。
「そしてその存在意義もわかるか」
「それですけれど」
クスハがここで皆に話す。
「気配が宇宙怪獣にも似ています」
「宇宙怪獣!?」
「あの連中にE!?」
「はい、そうです」
まさにそれだというのだった。
「そしてこれは」
「気のせいじゃない」
ブリットも言った。
「これはどうやら」
「宇宙怪獣に似ている?」
「どういうことかしら」
それを聞いていぶかしむ顔になった一動だった。
「宇宙怪獣とは全然ちがうのに」
「それが似ているなんて」
「どういうことなんだ?」
「それも謎だな」
その話を聞いて呟いたのはレーツェルだった。
「あのアルフィミィという少女もアインストもな」
「とにかくだ」
テツヤがここで言った。
「まずはスコットランドに入ろう」
「はい、それじゃあ」
「今から」
こうしてスコットランドに入っていく。そしてカイはその中でキョウスケに問うていた。
「それでだ」
「はい」
「御前とエクセレンのことだが」
それを彼に問うのだった。
「御前達二人の共通点」
「それですか」
「そうだ。そして」
さらに問うのだった。
「アインストとの関連性がわかるかも知れんからな」
「わかりました」
キョウスケは彼の言葉を聞いて頷いた。
「俺とエクセレンの共通点」
「うむ」
「そしてアインストの声が聞こえるようになった理由」
そのことを言うのだった。
「それ等について色々考えた結果」
「何かわかったか」
「はい、それはシャトルの墜落事故ではないかと思います」
「事故!?」
「何ですか、それって」
「俺が伊豆基地に配属される前」
キョウスケは皆に話しはじめた。
「士官候補生達が乗ったシャトルが大気圏突破直後に爆発炎上し墜落した」
「そんな事件があったんですか」
「候補生達が」
「生存者はわずか2名という大惨事となった」
こういうことがあったのだというのだ。
「そして生存者はだ」
「キョウスケ中尉とエクレセン少尉か」
レーツェルが言った。
「そういうことか」
「はい」
まさにそれだと答えるキョウスケだった。
「そういうことがありました」
「事故の原因は?」
ヴィレッタはそれを問うた。
「一体何だったの?」
「機体に不備があった」
キョウスケは彼女にも答えた。
「それだと聞いているが」
「だが」
しかしここで言ったのはギリアムだった。
「事実は違う」
「違う!?」
「そうだ、違う」
あくまで違うと言う。
「今先程まで調べていたのだがな」
「違うのか」
「はい」
ギリアムはカイに対して述べた。
「ストーンサークルでの件が気になり」
「それで調べたのか」
「俺の方でも二人の経歴について調査したのです」
「その結果、シャトル事故が引っ掛かったのか」
「ああ」
今度はレーツェルに対して答えた。
「その結果だ」
「それでその事実は」
ヴィレッタはそこを問うた。
「何だったのだ?」
「あの事故はシャトルに何者かが衝突して引き起こされたものだったようだ」
「衝突!?」
「一体何が」
「資料によれば」
そこからだというギリアムだった。
「あの当時各地に出没していたエアロゲイターの偵察機だと推測されている」
「推測!?」
「推測だと」
「そうだ。推測だ」
そうだというのだった。それが何故かも話した。
「衝突した物体の破片が回収されなかったからだ」
「それでか」
「そのせいで」
「けれど」
ここで言ったのはアラドだった。
「不自然な話ですね」
「そうね」
彼の今の言葉にゼオラも同意する。
「何かとても」
「エアロゲイターの機体の破片は回収が容易なのに」
「それなのに」
「しかもだ」
誰もがいぶかしむ中でギリアムの話はさらに続く。
「不自然なのはそれだけではなかった」
「破片以外にも」
「あったんですか」
「それだけの大事故にもかかわらず二人は生きていた」
このことも言うのだった。
「そしてエクセレン中尉に至っては」
「中尉は」
「どうだったんですか!?」
「焼け焦げどころから」
まずはそこからだった。
「その身体や衣服に何の損傷もなかったという」
「えっ!?」
「それはちょっと」
皆このことにはこれまでで最も驚いた。
「有り得ないっていうか」
「運がいいどころじゃ」
「それで大尉」
「貴方は?」
すぐにもう一人の生存者に問わずにはいられなかった。
「大丈夫だったんですか?」
「どうだったんですか!?」
「俺は病院送りだった」
彼はそうなのだった。
「重傷ではなかったがな」
「そうだったんですか」
「大尉は」
「目の前が爆煙で覆われた時」
彼は自己が起こったその時についても話をはじめた。
「俺は隣にいたエクセレンを庇った」
そうだったというのである。
「そしてそこから助け出されるまでの記憶はない」
「それで中尉は」
「無傷だったんだ」
「いや」
ところがだった。ここでまた言うキョウスケだった。
「あの時エクセレンは致命傷を負っていた」
「何っ!?」
「それじゃあ」
「だから無傷であったはずがない」
そうだったというのだ。
「あいつは」
「まさかと思うが」
ここでギリアムが言った。
「シャトルに衝突したのはエアロゲイターではなく」
「他の何か」
「まさかそれって」
謎は深まる一方だった。何もかもわからないまま謎だけが深まっていた。

第百五十九話完

2009・10・18


 
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