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転生者達による神世界開拓記

作者:三島 渓山
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閑話
  第十二話

 
前書き
遅くなってすいませんでした。バイトがない日に親が手伝えと……はっきり言って面倒です。でも、僕いい子ちゃん(笑)なんでちゃんと手伝ってあげましたよ。今後も続くと思うので更新は遅れそうです。 

 





 朝日が山の隙間から頭を出そうとする頃、二人の女と一人の男がいた。



 「もう行くのか?」

 「ああ……」

 「それは……寂しくなるね……」



 女達は寂しそうな表情を浮かべる。それを見て、男は苦笑した。



 「おいおい、これが最後って訳じゃないんだぜ?」

 「分かってる。分かってるけど……何か寂しい」

 「……そうだな、私も寂しい」

 「神奈子もか……」



 男は流石に困ったような顔を作る。



 「きっかけはやはり……香苗、か?」

 「……まあ、それも含んでるかな」

 「?」

 「最初の愛弟子の死は確かに泣いた。胸が張り裂けそうだった。ここにいるとその気持ちを思い出しそうになるよ」



 物憂げな顔に女性達は何も言えなかった。



 「それに元々俺は一つの場所に留まるような人間じゃないのさ!」



 そう言って男を空を翔け抜ける。女達はそれを見送るしかなかった。



 「あーあ、行っちゃったね~」

 「そうだな」

 「美苗と遊んでこよーっと」

 「おいこら。ちゃんと風祝の教育をだな……」

 「ブーン⊂ニニニ( ^ω^)ニ⊃」

 「ちょっおま」



 諏訪子は夜明けの空へ飛び立ったのであった。





 ~~~~~~





 その時に旅立った本人は何処にいるのだろうかだって?



 「へ~、こんな時代からあったんだ……世界樹って」



 麻帆良……いや、世界樹がある場所に来ています。多分埼玉県ら辺だと思うよ?



 「しっかしねぇ……人もいなけりゃ神もいねぇ。この樹の重大さが分かってないのか?」



 神奈子から聞いた話だと気味が悪くて誰も近寄らないらしい。この時代では発光の間隔が極端に短いらしく、一日に一回は光ってる事からだそうだ。



 「そんな事はどうでもいいとして……ゲートポートはどこにあるのかな?」



 2600年前にはナギに倒される前の造物主(ライフメーカー)は存在してたって漫画に描いてあった。暇潰しの為にを魔法世界(ムンドゥス・マギクス)散策するのだが……どこを見ても入口がない。



 「メンドくせぇな……大魔導転籍(ユングドヴァン)、5ページの魔法参照、詠唱開始。超音波探索(エコーロケーション)



 超音波探索(エコーロケーション)……簡単に言えば潜水艦とかについてるソナーみたいな魔法だ。勿論、地中や水中も透過するぞ。これで地下の建造物の把握出来る筈。



 「……あそこか。入ってみよう。」



 探索結果で分かった入口から潜り、原作と見比べても全く変わってない通路を通るのであった。





 ~~~~~~





 ゲートポートを通った先に見えたのは不規則な形をした建造物だった。しかも、空中に浮いてる。あれが墓守り人の宮殿って奴かね。



 「というかゲートポート自身も浮いてるんだったな」



 原作の地図は廃都になった後だから分からなかったが大体は同じか。違う所は活気ぐらいか?



 「暫くはここにいよう」



 いい暇つぶしになるといいがな。





 ~~~~~~





 魔法世界に来てから数百年が経った。最初の一年は旅して回っていたが、拠点を構えてからはそこに居座るように動かなくなってしまった。偶に来る狩り依頼に帯同して金を稼ぎながら怠惰な生活を送る日々……、



 「…………!」

 「…………」

 「お……ちゃ……」

 「…………」

 「お兄ちゃ~ん!」



 ……おっと、思考に没頭してしまったな。サクラに呼ばれている事に気付かなかった。俺がさくらの方を向く。見るとさくらはむくれて明後日の方向を見ていた。



 「何だサクラ?」

 「何だ、じゃないよ!さっきからボクの事無視して~!」

 「すまない、気づかなかった」

 「む~」

 「ごめんなさい」

 「……なら、許してあげる」



 サクラはそう言うとそっぽ向いた顔をこちらに向けた。容姿も体格もはD.C.Ⅱの芳乃さくらにそっくりだが、一つだけ違う所がある。



 「親に許しは貰ってきたか?」

 「うん!お母さんもお兄ちゃんなら安心出来るって!」

 「そうか」

 「お父さんは駄々こねてたけど、竜形態でお兄ちゃんに負けた事を引き合いに出されて黙っちゃった!」

 「(ご愁傷様です……)」



 そう、サクラは人化出来る竜なのだ。魔法世界(ムンドゥス・マギクス)だからいるだろうと知識にはあったが、初めて見た時は圧巻されたな。



 「だが……これからどうする?ここには何もないぞ?」

 「地球に行ってみたいな~」

 「地球……ねぇ」



 森の中で傷ついたサクラを見つけ、治してやったら懐かれた。そんで旅の事を色々話してやった……サクラは地球の事を特に聞き入っていたな。途中、逢引きだと勘違いされてサクラパパに襲撃されたが。



 「(ここにいるサクラは所詮幻……造物主が作り出した仮想現実の駒に過ぎない。魔法世界(ムンドゥス・マギクス)から出れば魔力素として分散するだろう)」

 「……駄目、かな?」

 「(何か方法は……)」



 寂しそうな顔をするサクラの頭を強引に撫でてやる。



 「うにゃ~!?」

 「三日待て。そしたら連れて行ってやる」

 「ホント!?お兄ちゃん大好き!」

 「調子いい奴だな……」

 「にゃははは~♪」



 優しく撫でてやると嬉しそうに顔を朗らかにする。癒されるな……ロリコンになりそう。 (←第六話で幼女万歳と言っています=手遅れ?)



 「それじゃ俺は準備があるからサクラも準備しなさい。当分帰ってこれなくなるからね」

 「分かったよ。それじゃまたね~」



 笑顔のまま帰って行ったサクラ。何しに来たんだろう……報告か。



 「……さて、大魔導転籍(ユングドヴァン)の改造に励むか」



 ちょうどあのシステムを作りたいと思ってたし……サクラには悪いけど被験体になってもらおう。



 「その名も……守護騎士プログラム」



 夜天より先に作ってやろうではないか!ふはははははははは!



 「それに管制人格も必要だし……ブツブツ」



 今日から三日三晩、徹夜で過ごした。隈が酷いのをサクラに見られて心配されたのは余談である。
 
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