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ハイスクールD×D 万死ヲ刻ム者

作者:黒神
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第七十四話 仲介


祐斗達は一誠と闇慈の力の暴走の巻き添え喰らう事無く神殿を脱出したが神殿は二つの閃光が消えた瞬間に崩壊してしまった。

「イッセー!!」

「闇慈先輩!!」

リアスが一誠の、小猫が闇慈を心配する声を張り上げると二人は瓦礫の中から這い上がるように出てきた。一誠は天に向かって悲哀に包まれた咆哮をあげ、闇慈は真紅の魔眼をフードの中で光らせながらあちこちを見回していた。

「足りない・・・こんな絶望なんか・・・全然物足りないぞ!!!もっとだ・・・もっと絶望を見せてみろーー!!」

闇慈は何かに支配されるかのようにデスサイズ・ヘルで次々と瓦礫を破壊していく。それは唯の破壊者そのものだった。そんな時・・・

「困っているようだな?」

第三者の声が聞こえ、再び空間に裂け目が生じる。そこから出てきたのは白龍皇のヴァーリと孫悟空の美猴、そして背広を着た聖王剣コールブランドの所有者だった。部員達は戦闘態勢に入ろうとしたがヴァーリは手を前に出して戦闘の意思がないことを告げた。

「やるつもりはない。見に来ただけだ。赤龍帝の【覇龍】『ジャガーノート・ドライブ』を。と言っても、あの姿を見るに中途半端にジャガーノート・ドライブと化したようだ。ジャガーノート・ドライブの現象がこの強固な作りのバトルフィールドで起こったのは幸いだったな。人間界でこれになっていたら、都市部とその周辺が丸ごと消える騒ぎになっていたかもしれない」

「・・・この状態、元に戻るの?」

リアスがヴァーリに尋ねるがヴァーリは顎を抱えながら、考えを口にする。

「完全なジャガーノート・ドライブではないから戻る場合もあれば、このまま元に戻れず命を削り続けて死に至る場合もある。どちらにしても、この状態が長く続くのは兵藤一誠の生命を危険にさらす事になる。そして黒神闇慈の・・・死神の力の暴走・・・あれは俺も初めて見る。あれは俺も解決方法は分からない」

そんな話をしている中、美猴が見知った少女を抱えて歩み寄った。美猴から渡された少女はシャルバから消された筈のアーシアだった。

「アーシア!」

「アーシアちゃん!」

リアスと朱乃を始め、皆がアーシアのもとに集まり容態を確かめるが気絶しているようだが、呼吸も安定し、命に別状はないみたいだった。

「けど、どうして?」

「私たちがちょうどこの辺りの次元の狭間を探索してましてね。そうしたら、この少女が次元の狭間に飛んできたのですよ。ヴァーリが見覚えがあると言いまして、ここまで連れてきたのです。運が良かったですね。私達が偶然その場に居合わせなかったら、この少女は次元の狭間の『無』にあてられて消失していくところでした」

しかしアーシアが無事に戻ってきた事に変わりはなかった。ゼノヴィアはアーシアを大事そうに抱きかかえ、嬉し涙を流した。

「後はイッセーとアンジを元に戻す方法ね・・・アーシアの無事を伝えればあの状態を解除出来るかしら」

「危険だ、死ぬぞ。ま、俺は止めはしないが。そうだな・・・何か彼の深層心理を大きく揺さぶる現象が起これば何とかなりそうだが・・・」

ヴァーリの考えに横で頭をかきながら美猴が提案した。

「おっぱいでも見せれば良いんじゃね?」

「あの状態ではな。ドラゴンを鎮めるのはいつだって歌声だったが。赤龍帝と白龍皇の歌なんてものはない」

「あるわよぉぉぉぉ!」

声を上げ、飛んできたのは転生天使の紫藤イリナだった。イリナは何やら立体映像機器をリアスを渡した。イリナの話によると、サーゼクスとアザゼルが用意した秘密兵器らしい。

「よく分からないけれど、お兄さまとアザゼルが用意したのなら、効果が見込めるかもしれないわね」リアスがボタンを押す前に小猫が言い聞かせる。

「・・・みなさん。闇慈先輩は私に任せてくれませんか?」

「それこそ危険だ、猫又の転生悪魔よ。黒神闇慈の力は今の俺でさえ、抑えることが出来るか分からない程だ。下手したら死ぬ事になるぞ?」

ヴァーリの考えに祐斗が付け加える。

「彼の言う通りだよ、小猫さん。例え君が闇慈君のことを思っているかもしれないけど、一人じゃ無謀すぎるよ」

「・・・だからこそです。私は闇慈先輩が大好きだから止めてあげたい。お願いします!!」

小猫の曇りの無い目を見ているとそれは了承せざるを得なかったようだ。他のメンバーは一誠を元に戻す事に取り掛かったようだ。小猫は闇慈の元に近寄り、話を始める。

「・・・闇慈先輩」

「何だ?お前が・・・俺の渇きを・・・絶望を見せてくれるのか?」

闇慈は覇気と威圧感を放ちながら小猫の寄るが小猫は心を保ち、闇慈と向き合う。

「・・・闇慈先輩はこんな人じゃない。だから・・・戻ってきて下さい」

「和解でも・・・しようと言うの・・・か?・・・ふっ」

闇慈はけなすように鼻で笑うとデスサイズ・ヘルを振りかざし、小猫に向かって振り下ろす。小猫はバックステップでそれを避ける。

「俺は・・・話なんか望んじゃ・・・いない。和解よりも・・・血を俺は・・・望む・・・ふふふっ・・・はっはははは!!!」

闇慈の言葉に小猫は格闘の構えを取り、猫又の状態になった。

「止める!!私の闇慈先輩はそんなことは言わない!!返して貰います!!」

「やって・・・みろ!!」

闇慈はデスサイズ・ヘルで小猫に斬りかかる。小猫はそれを紙一重でかわして行き、『気』を纏った拳で闇慈にダメージを与えようとするが・・・それも避けられていく。

「流石、猫又。だが・・・技はもう・・・分かった。丁度良い・・・俺も拳でジワリジワリ・・・苦しめてやろう」

(無闇に攻撃をしたら先輩の体を傷付けてしまう!!どうしたら・・・そう言えば)

小猫はあることを思い出し、これに掛ける事にした。

「さあ・・・苦しめ!!」

闇慈が体を屈め、小猫の横腹に徒手を差し込もうとしたが、小猫はそれを避けずに闇慈の手を掴み、威力を軽減した後にワザと横腹に突き刺さした。

「くっ・・・」

小猫は痛みに顔を歪ませるが、闇慈に接近し動きを封じる。これが小猫の目的だった。

「貴様・・・何を?」

「戻ってきて下さい・・・闇慈先輩」

小猫は闇慈の顔に近づき、そしてキスをする。『深層心理を大きく揺さぶる現象』を起こす事で元に戻ると言う話を小猫は思い出し、この作戦を行ったみたいだ。
そして闇慈の心の中で何かが反応し、目を見開く。

(この温かさ・・・この感触・・・以前の同じものを・・・僕は・・・僕は!!)

闇慈の力が弱まって行き、セイクリッド・ギアが解除された制服姿に戻った。

「僕は・・・何を・・・!?」

「闇慈先輩・・・良かった・・・」

闇慈の安全を確認すると小猫はそのまま気を失い、地面に倒れ付した。

「こ、小猫・・・ちゃん?」

そして闇慈は自分の右手に着いている血と小猫の血を見て、一つの事が結びついた。

「まさか・・・僕が・・・小猫ちゃんを・・・う、う・・・」

闇慈は段々、小猫を・・・恋人を傷つけた罪悪感に襲われて行き・・・

「うわああああああああああああああ!!!!!」

バトルフィールドに闇慈の叫び声が鳴り響いた。

(後書き)

一誠の復活は原作通りなので省略しました!!ご了承下さい!!

そして運動会の前にオリジナルストーリーを進めたいと思います!!

感想・指摘。よろしくお願いします!!
 
 

 
後書き

一誠の復活は原作通りなので省略しました!!ご了承下さい!!

そして運動会の前にオリジナルストーリーを進めたいと思います!!

感想・指摘。よろしくお願いします!!
 
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