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とある科学の対能力者

作者:kagerou
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その後

 
前書き
オリヒロイン、名前登場 

 
「オイ、てめぇ何ついてきてんだ」

「うるせーです、私の勝手でやがります」

さっきから同じやり取りを何回もしている。
こいつ、青髪の女は研究所をオレが跡形もなくぶち壊した後オレについてきている。
靴もなく裸足で着ている服もボロボロの病院服を身に纏っているこの女はフラフラしながらオレの服の裾を握っている。

「邪魔なん――っは!!何しやがる!」

「うっせーです!」

こいつ、オレの周りの酸素奪って一瞬意識を飛ばしやがった……!
能力の無断使いだコノヤロー!
血を流しながら徒歩数十分、裏路地にある『weapon』とかかれたドアの前にいた。
言わずともわかる、蓮財の店だ。
結構夜遅くだがきっと蓮財のことだ起きているだろう。
と思い中に入ったのだがそこに蓮財の姿はなかった。
静けさからしてどうも寝ているようだ。
何とか女を言いくるめそこに放置し店の二階へ上がり『れんきゅん』と書かれているネームプレートがかけられている部屋にノック無しで蹴飛ばす。

「蓮財、朝だ起きろ」

そしてベッドにいるであろう蓮財に踵落としを決める。

「いたたたたぁ……おや、キラーではありませんか、おやおやその傷は…いけません直ぐに包帯と薬を用意しましょう。」

そう言いテキパキといつものカーディガンに着替えオレを下に連れていった。
蓮財は救急箱を開きその中から包帯を取り出し構えた。

「ささ、脱いでくださいキラー」


「へいへい」

服を脱ごうとして女に殴られたのは別の話。
包帯を身体中に巻きながら「超能力者増加計画」の撲滅完了を伝え女の子とを隠蔽してもらった。

「それにしてもキラーが異性を連れてくるなんて初めてですね、コレですか?」

器用にも包帯を巻きながら右手の小指を立てやがる。
いや、ちげーよ超能力者増加計画の被害者だよ、さっき言っただろとは言わない。言っても数分後同じことを言い出す鳥頭だからな、こいつは

「はい、出来ました。後、着替えも用意しましたよ。私は珈琲でもいれてきます。そちらのお嬢さんは紅茶でいいかい?」

「ホットミルクが良いでやがります」

「了解しました」

蓮財はにこにこしながら奥に消えた。それにしても図々しいやつだ。そう思いつつ着替えを済ませ、同じく渡された白いパーカーを女になげわたす。これはこの女にネバネバの液体をこぼされた時の服だ。
皮肉も込めて渡してやった。

「それ着ろよ」

「あ、ありがとーです」

皮肉を込めたつもりが何かニヤけやがった
キメェ

「カハッ!?……てめぇコラ酸素奪うな」

「何か失礼なこと言われた気がしやがりましたから」

そうやってじゃれていると蓮財が珈琲とホットミルクを持って現れた。ご丁寧にシフォンケーキつきだった。
因みに白いパーカーはサイズがあっておらずダボダボだった。






「ほぅ、ではあなたがキラーの言っていた青髪の女ってことですね?いやぁ良かったあなたがシャバの空気が吸えそうで何よりです。この機会にどうです?キラーも洗いませんか?」

「アホか収入源なくなっちまうだろーが」

珈琲を一口含む。
相変わらず旨い、さすが喫茶店のマスターと言ったところか。
女の方を見ると一心不乱にシフォンケーキを口一杯に頬張っていた。リスみてぇ
そんな可愛いもんじゃ――可愛いです、はい
何だこの女、空気共鳴以外にも読心能力(サイコメトリー)でも使えるのか畜生。
右手に圧縮した空気をチラつかせる女を睨みつながらシフォンケーキの最後の一口を食べた。

「そうそう、ところであなたのお名前は?」

蓮財は何かの資料を眺めながらペン片手にそう言った。

「名前なんてねーですよ。と言うか知らねーです。識別番号ならありがりますけど」

そう、言った。
名前がない。
と言うことはこいつは親から名前を教えてもらう前、つまりそんな小さなころからアソコにいたということになる。
そして今までずっとアソコで仕打ちを受けていた。心の傷など数えきれないほど有るだろう。
それこそ今のオレにある体の傷より深いものばかりが。

「それは困りましたね、戸籍をつくるためには名前が必要なんですが……そうだキラーあなたが名前つけてください。」

表面上はそうでもないが蓮財は悲しげな目をしていた。

――って

「オレが名前をつけるだァ?」

「はい、キラーが連れてきたのだから当たり前です。お嬢さんもそれで構いませんよね?」

「それでいーです」

断れよ畜生。
名前つけるとかそんな大事なことオレが出来るわけがないふざけるのは顔だけにしやがれ蓮財。
と、言いたいところだが何か女がキラキラした目で見てくるのでやめた。
畜生……こいつの過去考えたら断れねぇ…畜生ぉ………
あ、いや、まてよ今凄く良い名前を思い付いた

「これでどうだ?」

オレは立ち上がり言う。
蓮財も女も期待の満ちた目でオレを見ていた。

「今日からお前は――――ポチだ。」


ドゴッ

不吉な音と共にオレは床にめり込んだ。
何故だ意味がわからん。
起き上がると蓮財は「やれやれ」と言った感じでオレを見、女は虫を見るような目でオレを見ていた。

「次変な名前にしやがったらミンチです。」

洒落になんねーよお前が言うと。
と言ってもポチがオレの中で最高の名前だったので他に思いつくことなど出来なかったので適当に名前をつけてみた。

「鈴」

「キラーにしてはまともですね」

「ま、まぁコレならいーです」

適当につけたのに大好評だった。
お前らの感性わかんねぇよ。




この後蓮財が名字をつけ、女は時咲坂 鈴《ときさきざか りん》となった。


オレはスズって言ったんだが……


 
 

 
後書き
どうしても短くなります 
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