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IS インフィニット・ストラトス~転生者の想いは復讐とともに…………~

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number-6 aspiration and determination

 
前書き


強い願望。決意。


この場合は織斑一夏。セシリア・オルコット。


 

 
第三アリーナ。


その観客席の上部通路。そこに更識楯無はいた。
理由は勿論、麗矢の実力を見ることにあるが……正直言って予想外であった。
性格はあれだったが、国家代表候補生である。しかもまだ、全力を出していない。まだ、余力を残しているに違いない。


――――あれなら、私と互角に……


生徒会長は学園最強の証である。が、それ以前にロシア代表として戦ってみたくなってしまった。
あの強さを近くで実感したい、そう思いつつまだ出るのは早い。
自分を必死に抑えていた。


      ◯


「俺が勝ったら、友達になってくれ。」


一夏の考えたこと。
麗矢に勝って友達になろうと思った。だが、それは難しいことである。
麗矢の強さは確認している筈である。どうして、そこまで拘るのか、理解が出来なかった。


開始の合図。


それと同時に麗矢に向かってくる一夏。真っ直ぐに、愚直に。何度も、何度も。


麗矢は気付いた。
織斑一夏という人物は戦いの中で強くなっていく人物ではなかろうか。
護衛対象が強くなることは麗矢としても喜ばしいことである。だったら――――


麗矢は両手に先ほどの重りを展開した。


「どういうことだ!」


一夏の質問はなぜハンデをつけるのか、俺にそんなものをつけて勝てるのかという問いかけだろう。
一夏の問いかけに答えない。そのかわり、麗矢がブレードを展開して一夏に斬りかかる。
一夏はブレード、それもおそらく《雪片》に酷似したもの。二代目であると予想が出来る。
それで切り結んでいく。


五合、十六合、二十三合――――


袈裟斬り、切り上げ、刺突……
一夏が剣道に準じて放つ雪片二型をブレード《スラッシャー》で流す。


確実に一夏の動きがこの戦いの中でよくなっている。このまま続ければどんどんと強くなっていくが、
今はもう時間である。先ほどから、秘匿通信《プライベートチャンネル》で千冬が麗矢に早く終わらせるように言っている。


頃合いを見て右腕の重りを解除する。
右からやるのは麗矢の利き腕が左であるから。


そこから一夏に手本を見せるように、麗矢は斬りかかる。
ただ単に真っ直ぐ攻めるだけではなく、フェイントも入れてタイミングをずらして戦うことも大切である。
一夏のシールドエネルギーが底を尽きかける。


「――――うおおっ!!」


いきなり声を上げる一夏。すると、雪片二型に変化が訪れる。
刀身が淡く光り、エネルギー展開された。


――――こっ、これは……単一能力《ワンオフアビリティー》。


この土壇場で、一時移行しかしていないのに、単一能力を発動させた……
しかもあれは《零落白夜》。


よりによって、あの人と一緒である。
これで謎が解けた。何故、ブレード一本だったのか。
流石は姉弟。とことん似ている。


一夏が雪片二型で麗矢に斬りかかる。
考え事をしていた麗矢は反応が遅れた。咄嗟に左腕を前に出す。
そして、刃が麗矢に迫る――――


『勝者、夜神鳥麗矢。』


勝者宣言。
麗矢が勝った。
一夏の願いは果たされなかった。だが、麗矢の顔は浮かなかった。


「麗矢!」
「…………なんだ」


一夏に呼ばれ、答えるか迷ったが答えることにした。


「俺の負けだけど、次は負けない。」
「……ああ、頑張れ。」


麗矢は左腕を動かす。
すると、爆発した。一夏の最後の攻撃は確実に徹っていた。
一夏は驚きよりも先に喜びが込み上げてきた。


      ◯


喜んでいる一夏を背にして、B-ピットへと戻った麗矢。
そこにはセシリアが落ち込んでいた。


「……おい。」


麗矢が話しかけると、ビクッと体を揺らし、明らかにおびえた表情で麗矢を見る。
そんなセシリアを見て麗矢は、頬を掻きながら少し考え、セシリアに近づく。


「お前の家に事情は全部知っている。お前の身に起こったことも全部。」


驚きの表情で麗矢を見る。
あんなに高飛車なセシリアが、こんな姿になるとは思わなかった。やり過ぎたと反省している。


「お前の父親のせいで今のお前が出来たと思っているか?」


首を横に振る。
少なくとも、親には感謝しているらしい。


「親が死んで、お前によってきた大人は金目当てだったはずだ。」
「大人とはそんなものだ。大体醜い奴しかいない。だが、男はどうだ。」


セシリアは黙って麗矢の話を聞いている。


「男でも最悪な奴はいる。でも、生き方を見出して、責任もって生きている。」
「こんな風潮の中で胸張って生きている奴だっているんだ。一概に男は最低な奴と言えない。ここまで言ってまだ心配なら――――」


一つ間を置く。セシリアに近づき、肩に手を置く。


「俺が支えてやる。お前が立ち直れるようになるまで、な。」


セシリアの目に涙が浮かぶ。そして、重力に逆らうことなく落ちていく。
分かったんだ。セシリアは自分の過ちを。
そして思った。


――――男には、いろいろな人が、いるんですね……


      ◯


夜。


セシリアはシャワールームにいた。
カチューシャは取って、一糸まとわぬ姿でシャワーにうたれている。
煌びやかな金髪は艶やかになった。


セシリアは今日のことを思い出していた。


――――夜神鳥麗矢。


身も心も強い男。
意志が強く、優しい人物。
失意に打ちのめされたが、自分に進む道を示してくれた。


「夜神鳥、麗矢。」


呟く。
心に何か温かいものが広がった。
何か包まれている。優しく。


セシリア・オルコットは決意した。


最高のお嬢様になって、麗矢を振り向かせてみる、と。


セシリアが人のために決意したのはこれが初めてである。


 
 

 
後書き
うまくまとめられています様に……


だが……戦闘描写が……
うまくかける人が羨ましい。 
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