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DQ3 そして現実へ…  (リュカ伝その2)

作者:あちゃ
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精霊神ルビス

 
前書き
さぁ皆様お待ちかね…
女神ルビスの登場です!
女の神ですよ!!
女ですよ女…女性なんですよ!!

我らが逞しき英雄リュカさんはどんな反応をしてくれるでしょうねぇ… 

 
<ルビスの塔>

さて、幾分苦戦をしながらも塔内を探索して行くアルル一行。
バリアの床以外にも、踏み込むと回転する床に悩まされながら隅々まで調べて回る…
途中、濃紺輝く神秘的な鎧を発見!
メルキドで譲り受けた『勇者の盾』と同じ鳥を形取った紋章を、胸の位置に飾り付ける鎧…
そんな鎧を見た瞬間、マリーが『光の鎧発見ですわ!』と叫び、周囲を驚かせた。

盾と同じ系列の鎧という事で、無条件でアルルが装備する事となり、ティミーが少しだけガッカリした様な表情をした。
殆どの者はそれに気付かなかったのだが、リュカとウルフの師弟が目聡く気付き、弟子の方が思わず尋ねてしまう。
「どうしたんですかティミーさん!?アルルの装備が強化されたのに、残念そうな顔をして?」
「え!?ぜ、全然…ざ、残念ではないよ!うん。アルルに似合ってて素敵だなと思うよ!」
尋ねられたティミーはバツが悪そうに慌てて言い訳をし、この場をやり過ごそうと試みる…

「ウルフ…お前もまだまだだなぁ…いらん言葉が多いよ」
だが師匠が余計な事を言った弟子に対し、戒めるかの様に状況の説明を始める。
「ただでさえ露出度の低い恰好のアルルなのに、その鎧を着るとパンチラすら拝めなくなるだろ。そりゃ彼氏(おとこ)としてはガッカリMAXだよ!そのぐらい理解してやれよ」

リュカの説明に誰もが大きく頷き納得する。
本人も顔を赤くし俯くだけで、否定はしないのでアルルも恥ずかしくなって思わずティミーに抱き付いてる。




さて…
イチャイチャラブラブなカップルを、極力気にしない様に努め、一行は塔の最上階へと到着した。
鉄柵で導かれる様に囲われた先に、1体の美しい石像が台座の上で悲しげな表情で佇んでいる。
「こ、これがルビス様ですかね?」
纏っているドレスがかなりミニスカートなので、ちょっと屈み気味だが美しさに見とれながら、ウルフが近付き誰にともなく尋ねるが、勿論誰も答える事は出来ないでいる。

しかしリュカファミリーは皆が訝しげな表情で、目の前の石像を眺め顔を引きつらせている。
「ど、どうしたのティミー…変な顔をして?」
「…あぁ…うん…あの…」
不思議に思ったアルルは、腕を組み寄り添っている彼氏に質問してみた………しかしまともな答えは返ってこず、何やら反応に困っている様子。

「どっかで見た事あるよね?」
「そ、そうねリュカ…な、何だか身近な気がするわね…」
リュカは石像を眺めながら苦笑いで感想を述べ、ビアンカは夫の感想に困った様に返事する。
「よ、予想外でしたわねお父さん…どうしますか、美女ではあるのだし、封印を解いたら口説きますか?ベッドに連れ込みますか?家族を増やしますか!?」
アスカリーとの言い争いを見て、父の思惑を的確に察知したマリーが、困惑状況のリュカに問いただす。
「………ともかく…封印を解かないとね」
娘の質問には答えず、妖精の笛を吹き始めるリュカ…曲目は『コンドルは飛んで行く』だ。

笛を吹き終わると、淡い光が石像を包み込み、色艶を取り戻させる。
完全に石化から解放された美女が、アルル達の前で瞳を開けニッコリと微笑む。
「あ、貴女がルビス様ですね…わ、私はアルル!表の世界より、大魔王ゾーマを倒すべくアリアハンより参りました。どうかお力添えをお願い致します!」
「よくぞ私の封印を解いてくれました。アリアハンの勇者アルル…私はルビ「やっぱり母さんじゃんか!」
ルビスがアルルに向け優しい声で礼を述べ、自己紹介をしようとした瞬間、それを遮るかの様にリュカが力の抜けた声で話しかける。

「は?…あの…私は…」
「何だよ…母さんもこっちの世界に来てたんだ。しかも何…石になったりしちゃって?来て早々、ゾーさんに封印されちゃったの?ダッせー!」
どうやら精霊神ルビスは、リュカの母…マーサにそっくりな様で、リュカファミリーが扱いに困っているのだ…リュカ以外。
「い、いえ…私は貴方の母では…」
一生懸命違う事を説明しようとするルビス。

「あれぇ?何だか少し若返った?…石化すると若返るのかな?僕もビアンカも10年近く石になってたから、今でも若々しいし!」
リュカは妻を抱き寄せ、自身の若さを自慢する。
「あ、あのね…私は貴方の母ではありません」
完全にマーサである事を否定するルビス。
「あはははは、何言ってるんだよ母さん!?僕が母さんを見間違える訳ないだろ。………あれぇ、でも母さん…オッパイが萎んだかな?アルルとそれほど変わらない…それとも歳か?寄る年波には勝てないか!?」
「な…し、失礼な!!私はそんなに高齢では………ない……………ハズ…………」
流石のルビスも年寄り扱いされ、思わず反論をしてみたが、人間と比べればかなりの高齢の為、後半は力無く黙ってしまった。

「あぁそうだ母さん!唯一の男孫に彼女が出来ました!」
続いてリュカは、アルルとティミーを抱き寄せて、孫(マーサにとって)に彼女が出来た事を自慢する。
「あの…父さん…マーサ様じゃない様な気が…「可愛い孫が幸せになったんだ…喜んであげてよ母さん!」
誰もが彼女がマーサでない事が分かっている中、リュカだけが執拗にマーサ(?)と話をし続ける。

「だからちげーって、お前のお袋じゃねぇーつってんだろ!そんなババアじゃねぇよバカ!いい加減に気が付けよ!」
遂にキレるマーサ…もといルビス。
自己紹介を遮り、言いたい事を言わせない(リュカ)に…
初対面にも拘わらず、自分の事を『母さん』と呼び続ける(リュカ)に…
胸が萎んだと言ってくる(リュカ)に…
年寄り扱いする(リュカ)に…
凡そ女神とは思えない口調でぶち切れるルビス。

「私は、この世界を創造した精霊神ルビスよ!いい加減お前のお袋と間違えるのを止めろバカヤロー!」
リュカ曰く萎んだ胸を大きく反らし、自身の偉大さを大声で主張するルビス。
リュカ以外、皆がドン引いている。



 
 

 
後書き
前作でマーサが死亡するのを回避してからずっと暖め続けてきたエピソードです。
ルビスに「だからちげーって」って言わせたくて、ここまで書き続けてきました。

次話は久々のグランバニアです。
あっちもこっちも佳境に入り、ちょっぴり長めのグランバニアです。
よろしくね。 
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