| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

インフィニット・ストラトス~IS学園に技術者を放り込んでみた~

作者:壬生咲夜
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

本編
  第03話「世界初のIS男性操縦者」

 
前書き
【前書き】
今回は一夏視点となります
 

 
<1年1組>

一夏
「こ、これは…」

女子一同
『じ~………』

一夏
「想像以上にキツイ…」

俺の名前は織斑一夏。
今年から、ここIS学園に通うことになった男子生徒だ。
俺が座っている席は何の嫌がらせか右からも左からも三列目の最前列…、つまり教卓の前で嫌でもクラス中の注目を集める場所なのだ。
あたりを見渡すと、女子、女子、女子とクラスの9割が女子…いや、この学園の9割が女性だ。

なぜならば、IS学園(ここ)はISを学ぶための教育機関であり、ISは女性にしか反応しないからである。
では、なぜ男である俺がここにいるのかというと…
高校受験で試験会場を訪れたさい、間違って別の会場に入ってそこにあったISに触れたら俺に反応し、異変に気づいた教員らしき人が駆けつけ、あっという間に世界初の男性操縦者として世間に公表され、あれよこれよと時間が過ぎてIS学園の入学式当日となり現在に至るのだ。

もっとも本来ならお目出度い日なのに、教員の何人かがキョロキョロと辺りを見回(警戒)したり、来賓の人達がどこかわくわくした表情でいたのが印象的な入学式だったが…。
というか俺は一体誰に説明しているんだ?

一人長たらしく思案(現実逃避)していると、クラスの入口が開き緑髪で小柄の女性が入ってきた。


真耶
「みなさん、ご入学おめでとうございます。私はこのクラスの副担任になりました山田真耶です」
女子一同
『………』
真耶
「あ、あれ? えっと…、今日から皆さんはこのIS学園の生徒です。この学園は全寮制で学校でも放課後も一緒です仲良く助け合って楽しい3年間にしましょうね」
女子一同
『………』
真耶
「じ、じゃあ…、名字が“あ”で始まる人から順に自己紹介をしてもらおうかな…」
女子一同
『………』
真耶
「…グスッ、それでは相川さんからお願いします…」
清香
「はい、相川清香です。中学の頃はハンドボールをやってました。趣味は……」

先ほど入ってきた女性が教壇に立って何かを喋っていたが、正直全く頭に入っていない。
今はこの状況をどう切りぬくことのほうが俺にとって重要なんだ。
取りあえず、この危機的状況を打破するためにSOS信号を偶然再会した幼馴染…、箒に向けてみよう。

≪イチカ は エスオーエス を ホウキ に はなった≫


「………(フイッ」

[ヒラリ]

≪ホウキ は それを かわした≫

な、なんということだ!! それが6年振りに再会した幼馴染に対する態度か!!
嫌われるような事をした覚えはないぞ!!
っというか何だ今のは!? なんでド○クエ風!?
クソッ、いったいどうすれば……

真耶
「…む……ん、…お…むらくん、…織斑君!」
一夏
「はっ、はい!」
女子一同
「「「クスクス…」」」

突然の事で大きな声で返事をしてしまい、周りからクスクスと笑い声が上がっている。
は、恥ずかしい…///

真耶
「ご、ごめんね、大きな声出して。えっとね、いま自己紹介の最中でね、あいうえお順で今織斑君の番なんだけど…お願いできないかな?」
一夏
「え、わかりまs―」
真耶
「本当ですか! 約束ですよ! やぶらないでくださいね!」
一夏
「は、はい」

俺からの了承を言いきる前に不安で押しつぶれそうだった顔から、心底嬉しそうな笑顔を浮かべる童顔の女性。

なんかすごい低姿勢な人だな…そんなに謝らなくてもいいと思うけど…。
それにしても自己紹介か……席を立って皆の方向かないと…ダメだよな……。
ええい織斑一夏。何を弱気になっている。男は度胸だ!

覚悟を決め席から立ち、皆の方へ顔を向けると、

一夏
「うっ…」
クラス全員
『………じ~』

総勢約30名の視線を浴びた。

一夏
「え、えっと、織斑一夏です。よろしくお願いします」
クラス全員
『………じ~』

な、なんだこのもっと喋ってよ的なオーラは!
無理だこれ以上喋れない。まったくと言っていいほど考えていないんだ。
そんな期待した眼を俺に向けないでくれぇぇえ!!
え、だめ? ですよね~。
ええいこうなったら…

一夏
「すぅ…」

女子一同
『……ゴクッ』

一夏
「以上!!!」

女子一同
『だぁぁああ!!!』

クラスの皆が面白いくらいにずっこけた。

一夏
「え、あれ? だめでした?」
???
「当たり前だバカ者」

[スパァァァン!!]

一夏
「いっ!?」

彼女らがずっこけたあとすぐに、頭上に物凄い衝撃を受けた。
物凄く痛い…。
いったい誰が叩いたのかと顔を後ろに振り返るとそこには…。

一夏
「げっ、関羽!!」
???
「誰が三国志の英雄か、馬鹿者」

[スパァァァン!!]

一夏
「あだっ!?」

上から下まで黒のスーツで決めた見知った姿がそこにあり、ちょっとした冗談を言ったら出席簿で頭を叩かれた。
どうやらさっき俺の頭を叩いたのもはアレらしいのだが、それよりも何でここに千冬姉がいるんだ?

千冬
「すまない山田先生。会議の方が長引いてしまった」
真耶
「い、いえっ、私も教師ですから全然大丈夫です」

俺の疑問を余所に千冬姉は山田先生(←今覚えた)と二、三会話を交わす。

千冬
「諸君、私が担任の織斑千冬だ。君達新人を一年間で使い物になるまで育て上げるのが私の仕事だ。私の言うことはよく聞け、そして理解しろ。逆らってもいいが私の言うことは聞け、いいな。わかったらハイかイエスのどちらかで答えろ」

やや面倒くさそうにこちらに振り、自己紹介を始めたのだが……。
千冬姉、それは最初から選択肢が無いと思うのだが……。

女生徒A
「きゃぁぁあああ! 本物の千冬様よ!!」
女生徒B
「ずっとファンでした!」
女生徒C
「私、お姉さまに憧れて北九州からこの学園に来ました!」

千冬姉が挨拶をしたあと一瞬の静寂が生まれ、今度はすぐに女生徒による黄色い声援がクラス…いや学園中に響きわたる。

み、耳が! 耳がぁぁあ!!!

千冬
「はぁ……、よくも毎年これだけの馬鹿者が集まるものだ。全く感心させられる。毎年これだと作為的なモノを感じるぞ」
真耶
「あ、あははっ……」

そう語る千冬姉は本当に迷惑そうで、鬱陶しいという態度を隠そうとせず、山田先生なんかは苦笑している。

女生徒A
「きゃぁあああああっ!! お姉さま、もっと叱って! 罵って!」
女生徒B
「でも時には優しくして!」
女生徒C
「そして、つけ上がらないように躾して~!!」

そして、本日二度目の音波攻撃(黄色い声援)
今度は事前に察知して、自分の耳を塞いだので被害は全くなかった。

とこで最後の子。君は何を言っているんだ。
それとも俺の聞き間違いだったのだろうか…、自分からペットになろうとするなんて…。
そんなの言ったとしても真に受ける人がいるわけ…

千冬
「フム、そうか…」

女生徒C
「え?」
一夏
「は?」

い、イタァアアア!!
目の前の姉が真に受けた!?

コツ、コツと女生徒C(先ほどの発言者)のもとへゆっくりと歩いていく千冬姉。
その動作にクラスの誰もがシンッと静まり返り、千冬姉のことをじっと見つめている。

千冬
「ならば、お前はあとで特別授業をしてやろう」
女生徒C
「え、あの…」

先ほど、冗談でいったのだろう(と俺は信じている)女生徒は震えながら返事を返す。

[コツ、コツ、コッ]

発言元の席にたどり着いた千冬姉は右手をその女生徒の頬に伸ばす。

女生徒C
「あっ…」

撫でるように触れたあと、綺麗な指を彼女の顎に持っていき顔を自分の方に向け、

千冬
「安心しろ、痛いのは最初だけだ。あとは己の本能に従って墜ちて行けばいい」

人を魅了する声でそう告げた。

女子一同
『き、きゃ~~~///』

本日三度目の(ry…

女生徒C
「ち、千冬様///」

顔を真っ赤に染め、どこかうっとりとした表情を向ける女生徒と、その子の頬に手を伸ばし優しく撫で、強者の目を向ける千冬姉。
その姿にクラスの皆も顔を赤くしている。

こ、こんなの千冬姉じゃないっ…!!

救いを求めて、山田先生の方に顔を向けると…

真耶
「お、織斑先生。か、彼女は生徒ですよ! あ、でもそういう関係を否定しているわけじゃないんですよ。ただ、お誘いを受けた方が羨ましいとかそんなんじゃなくってですね……」

同じく顔を赤くし、何やらブツブツ呟いていた。

駄目だ。あの人はあてにならない。ならば箒!!

今度は数年ぶりに再開した幼馴染に救いを求めるべく視線を向けたが、


「………」

口をあんぐりと開け、呆然と千冬姉を見つめていた、

クッ、駄目だ箒もあてにならない。俺と会っていない間に一体何があったんだ千冬姉っ!!

クラス全体が混沌と化し、このまま悪戯に時間が過ぎると思われたそのとき、

???
「ここでなにをしている」

非常に聞きなれた声が教室に響いた。



 
 

 
後書き
【後書き】
誤字脱字、質問や疑問がありましたら、よろしくおねがいします 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧