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対決!!天本博士対クラウン

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第五百二十話


                  第五百二十話  決定
 美樹と梨花も口を開いた。そして言うことは。
「私も。ここはね」
「私もよ」
 それぞれこう華奈子に切り出してから話す。
「春奈ちゃんと赤音ちゃんの言う通りにしたらいいと思うわ」
「そうした方がいいと思うの」
「やっぱりあれなのね」
 華奈子も二人が言いたいことがわかった。それがおおよそ美奈子の考えと同じものであるということがである。
「二人のお兄ちゃんとお姉ちゃんね」
「そう。お二人に歌詞を訳してもらって」
「それを歌った方がいいわ」
 こうそれぞれ華奈子に言うのである。
「多分。私達がやってもね」
「充分にいかないから」
「ううん、そういえば」
 ここで華奈子も言う。難しい顔になって。
「あたし達の作詞も最初はね」
「私達が見てもだったわよね」
「あまりいい感じじゃなかったでしょ」
「ええ、確かにね」
 その通りだとだ。華奈子は美樹と梨花のこの言葉にも頷く。
「何でも経験だけれど」
「今回は教えてもらうって意味でもね」
「その方がいいと思うの」
 美樹と梨花が言うと春奈と赤音も言ってくる。提案者の二人もまた。
「私達じゃ作詞はやっと何とかなってきたけれどね」
「凄く皆で勉強したし」
「けれどこれって学校の授業で歌とか歌って詩を作ってきたからだから」
「昔の言葉を今の言葉に訳すのってまだじゃない」
「だからって思うの」
「ここは私達のお姉ちゃん達に訳してもらおう」
「それでよね」
 華奈子はまた言った。
「春奈ちゃんのお兄ちゃんと赤音ちゃんのお姉ちゃんに訳のことも教えてもらうのね」
「そう、そうしよう」
「ここはね」
「わかったわ」
 華奈子は納得した顔にあった。その顔で頷いた。
 そしてそれからこう言ったのだった。
「それじゃあね」
「これで決まりね」
 美奈子は華奈子が頷いたのを見て自分も頷いた。そうしてだった。
 六人は春奈の兄、そして赤音の姉に訳してもらうことにしたのだった。そしてそこから自分達も勉強することにしたのだ。そのことが決まってからまた言う華奈子だった。
「バンドも何だかんだで勉強するわよね」
「そうね。本当にね」
 美奈子も頷く。それは確かにそのとおりだった。
 六人はバンドをしながらそれと共に勉強もしていた。そのうえで次第に様々なことを知ってもいくのだった。人間として。


第五百二十話   完


                   2012・8・24 
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