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対決!!天本博士対クラウン

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第三百十二話


                第三百十二話  博士の昼食
 小田切君もそうめんや西瓜を昼食としていた。そして博士はというとだ。
「美味いのう」
「何か思いきりヘビーな昼食ですね」
「そうか?」
 小田切君の問いに素っ気無く返す博士だった。見ればだ。博士はチーズフォンデュを食べていた。そしてその横には赤ワインまであった。
「別にそうは思わぬがな」
「暑くないですか?」
 小田切君が問うのはこのことだった。
「夏にそれは」
「暑い時には暑いものじゃ」
 しかし博士は言うのだった。
「それがいいのじゃよ」
「それで汗をかいてですか」
「夜はカレーがいいのう」
 夜の食事の話もするのであった。
「野菜カレーじゃ」
「香辛料はたっぷりですね」
「無論じゃ。それでこれでもかと汗をかいてじゃ」
 食べながら話す。尚食事中もいつもの白のタキシード姿である。しかし別にそれでどうということはない様子だった。
「それでこそなのじゃよ」
「夏だからですか」
「暑い食事で汗をかく。それもクーラーの効いた部屋の中でじゃ」
「クーラーは必須なんですね」
「それがかえっていいのじゃよ。暑い夏の涼しい部屋で熱いものを食べるのじゃ」
 こう小田切君に話す。
「最高の贅沢の一つじゃよ」
「贅沢ですか」
「暑い時に冷たいものを口に入れるのもよいがな」
 それもいいという博士だった。
「じゃがこうしてクーラーの効いた部屋で熱いものを食べるのもいいぞ」
「私はもうそうめんとか西瓜でいいですけれどね」
 小田切君はかなり素っ気無い。
「もうあっさりと」
「面白くないのう。まあわしもそうめんは好きじゃがな」
 実は和食も好きな博士である。
「それでも今はじゃ」
「そのフォンデュなんですね」
「美味いぞ」
 そこに串に刺したパンやソーセージやハムや野菜を入れてだ。そのうえで食べて一緒にワインも楽しむのだった。中々優雅な食べ方と言えた。
「今度どうじゃ?小田切君も」
「冬にお願いします」
 やはり小田切君の返事は素っ気無い。
「そういうことで」
「冬か。まあ冬は冬で面白いからのう」
「春夏秋冬全部楽しんでません?」
「何ごとも楽しまなければ駄目じゃよ」
 意外とそうしたことも楽しむ博士であった。そうしたことも考えるとだ。やはり趣味が多い。しかしそのどれもが世を騒がすものであるのだった。


第三百十二話   完


                2010・8・25 
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