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久遠の神話

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第五話 剣士の戦い七


「そうなります」
「そうですか」
「はい、それは剣士達が手に入れる力ではありません」
「散って終わりですね」
「その通りです」
「そうですか。それと」
 上城は力のことは納得した。そのうえでだった。
「魔物ですけれど」
「彼等のことですね」
「どうしているんですか?」
 彼が今度問うたのはこのことだった。
「魔物達まで」
「そうよね。剣士同士の争いなら」
 樹里もそのことに気付いて言う。
「別に。魔物なんていらないんじゃ」
「それなのにどうしているんですか?」
「糧です」
 聡美は二人にこう答えた。
「糧なのです」
「糧!?」
「魔物を倒しその力をてに入れるのです」
「魔物の?」
「簡単に言うと経験です」
 聡美は上城にわかりやすく話す。
「経験を積んで強くなるのです」
「魔物を倒せばその分だけですか」
「剣士は強くなります」
「じゃあ。魔物を多く倒せば」
 どうなるか。上城はすぐに察した。
 そのうえでだ。こう聡美に話す。
「それだけ強くなるんですね」
「そうです。そして剣士と戦い勝てば」
「剣士とは」
「魔物と戦う以上に強くなります」
「じゃあ剣士は」
「はい、魔物より遥かに糧となるのです」
 戦い勝てばだ。そうなるというのだ。
「ですから戦えば戦う程です」
「強くなるんですか」
「その通りです。ですから生き残ればそれだけ」
「僕は強くなる」
「そうなります」
「僕は強くなるのはいいです」
 上城はそれはいいとしたのだった。
 それでだ。こんなことを言った。
「ただ。曲がったことはしたくないです」
「そういうことはですか」
「はい、したくありません」
 また言う彼だった。
「僕の剣は活人剣ですから」
「まずは自分の修練ですね」
「そう思ってます」
 また言う上城だった。
「ですから戦いも」
「望まれませんか」
「そうです。ただ」
「ただ」
「そんな戦いがずっと昔から行われてるなら」
 どうなのか。彼はこう言った。
「僕は終わらせたいです」
「戦いをですか」
「はい、終わらせたいです」
 こうだ。聡美に対して話した。
「そうは思います」
「戦いを終わらせたい」
「誰がどうしてこんな戦いをはじめたのか」 
 それはまだよくわからなかった。神らしいとは察してもだ。
 そのうえでだ。聡美に言ったのである。 
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