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魔法少女リリカルなのは 平凡な日常を望む転生者

作者:blueocean
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後日談5 事件その後………

「やれやれ、来てはみたが………」

事件が終息し、1週間程たったある日。
トーレは昨日の夜ティアナから電話があり、本日呼び出されていたのだった。

家の前に立つトーレ。
家の外だというのにティアナの怒りをひしひしと感じていた。

「………取り敢えず入らなければ何も始まらないな」

そう思い、トーレは恐る恐るインターホンを鳴らした………







「いらっしゃいトーレさん!」

ドアを開けてくれたのはティアナだった。
いつもと変わらない無垢な笑顔。

「どうぞどうぞ!」

と言われ、部屋の中に入っていく。
すると………

「ト、トーレさん………」

何故か彼女の兄がボロボロで這いずり回っていた………

「トーレさん、あのゴミの事はお気になさらず」

「いや、ゴミって………」

「いいえゴミです」

ティアナは睨むようにティーダを見る。
一体何があったんだ………?










「さあ、ゴミの兄さん、訳を話してもらいましょうか?」

我が麗しき妹の愛のムチの傷が癒え始めた頃、まさかのトーレさんを家に呼びやがった。

トーレさんに知られてしまったら絶対に軽蔑されてしまう………

さて、どうする俺?

1明るいノリで乗り切る。
2頑張ってごまかす。
3泣いて同情を誘う。

この3つなら俺は………

「1だ!!」
「「はい?」」

「トーレさん。俺、自分の上司殴って喧嘩して管理局クビになっちゃった〜」

と、テンションを上げて言ってみた。

「何わざとテンション上げて押しきろうとしてるのよ!!」

「ちょ!?ティアナ止めて!!痛い痛い」

いつの頃かティアナのツッコミが厳しくなってきた。
年頃の女の子は難しい………

「はぁ………で、ティーダ、理由は?」

「へ?」

「理由はと聞いている」

「は、はい!!」

威圧感ある声で言われてしまい、つい正座をしてしまった………
だけどトーレさんって絶対に俺より強そうだしな………

結構容赦無さそうだし………

「じ、実は………」

俺は少し恐れながら話始めた………












「ティーダ・ランスター!!」

事件の後、傷も治り、自分の部隊に顔を出すと、いきなり部隊長に思いっきりぶん殴られた。

「事件の時、一体何をしていた!!」

「何をって、逃げ遅れた市民の救助に………」

「市民の救助など陸の奴等に任せておけば良いだろうが!!我々の任務は本局防衛だったのだぞ!!」

「だけど本局には本局の武装隊がいたじゃないですか!!陸は既に他の市民の救助で手一杯だったんです!!」

「それを何とかするのが陸の仕事だ!!それに我等は管理局員として動いているのだ、命令通りに動け!!」

「ふざけないでください!!市民を守らず自分達の身を守るのに集中しろって言うのですか!?」

「ああそうだ、それが我々に当てられた任務だからな」

「任務って………でもそれじゃあ救えない人も多いじゃないですか!!」

「それは仕方がない、必要な犠牲だったと言うわけだ」

「犠牲って………!!」

救える命も見逃すって言うのか!?

「管理局が潰されればそれこそこの世界の終わりだ、それを自覚しろ」

「………ふざけるな………」

「何………?」

「ふざけるなって言ったんだ!!何がこの世界の終わりだ、目の前の人も救えなくて世界を守っていけるか!!」

「貴様………!!」

胸ぐらを掴まれたが、その手を払い、部隊長をぶん殴った。

「ぐっ、貴様………自分のしたことが分かっているのか!?」

「はい、もうこの部隊も管理局にも未練は無いです、今までお世話になりなした」

「ま、待てランスター………!!」

そんな声を振り切り、俺は部隊長の部屋を出ていった………











「なるほど………」

「酷い、その隊長!!………でもそれって復帰してすぐの話よね?……今日まで何してたの………?」

「パチンコ」

「リストラされた会社員か!!」
「うごぉ!?」

おお、見事な飛び蹴りだ。

「これからどうするのよ、私達収入ゼロよ!?」

そしてティーダの胸ぐらを掴み、揺さぶりながら聞いている。

「大丈夫、大丈夫。これからは傭兵として稼ぐから。………まあ部隊にいた頃よりは減ると思うけど………」

そう聞いたティアナの手が止まる。

「………嫌」

「だけど、良いと思うんだよな。自分のしたい仕事が出来て、それが人のためになる。ウォーレンみたいに………」

「!?お兄ちゃんの………」

「ん?」

「バカーーーー!!!!」

と大声で言いながら拳がティーダの顔を直撃し、そのまま壁に吹っ飛んだ。

「ティアナ!?」

そのままティアナは家を出ていった。
一体どうしたんだ?

「ティーダ、ティアナを追う!」

「ちょ、トーレさん、助け」

しかし既にトーレは家から出ていっていた。

「全く、我が妹ながら良い拳だな………」

ふらふらながら立ち上がるティーダ。

「傭兵で稼ぐって良い考えだと思うんだけどな………」

そう呟きながら、ティアナとトーレが出ていった方向を見る。

「一体何がそんなに気に入らないんだ………?」

そんな事を思ってるとランスター家の電話がなった。

「はい、ランスターですけど………」











「いた」

ティアナを追って出ていったトーレはミッドにある河川敷の芝生でボーッと川を見ているティアナを見つけた。

トーレはそのまま静かにティアナの隣に座った。

「トーレさん………」

「ティアナはティーダの事が好きなんだな………」

「ち、違います。あんなんでも私のお兄ちゃんなので………」

「傭兵を嫌うのはウォーレン・アレストの事でか?」

トーレがそう言うと驚いた顔をしてティアナはトーレを見た。

「何でウォーレンさんを?」

「私は黒の亡霊を知っているからな」

そう言うと険しい顔になるティアナ。

「どうした?」

「私はあの人が嫌いです。自分の相棒だったウォーレンさんの葬式にも出ないなんて………あの時のお兄ちゃんの顔はとても悲しかった………」

「そうか………だがな、彼も思うことがあったのだ。目の前で自分の相棒が死んで、その事実が信じられなくて、仇を討とうと体を壊す勢いで戦って戦って、精神が崩壊する寸前だった」

「そう………なんですか?」

「だが、それを救ってくれた人達が居た。だから彼は彼女達を守るために強くなるとウォーレンに誓った。そして見事仇を退かせた」

「えっ、それって………」

「これは一部の人しか知らない事だ。恐らくティーダもな。まあ彼は感づいてるみたいだが………」

「じゃあ管理局は嘘を?」

「いや、あれで良い。黒の亡霊はもう表に出て戦う事は無いだろうからな。だからティアナ、黒の亡霊の事は誰にも話すな。話せば私はお前を消さねばならなくなるかもしれない」

「消さなくちゃって………」

「だが、私はティアナを妹の様に思ってる。だからそんな心配はしてないがな」

「!!うん、分かった。私の中でしまっておく!!」

「ありがとうティアナ………」

そんな2人を静かに風が包んだ………









「さて、この辺りは………」

色々探し回って河川敷に来た俺。
日も段々と下がってきた。

「早く伝えないと………」

掛かってきた一本の電話。
俺に取って願っても無い誘いだった。
これならティアナも認めてくれるだろう。

「えっと………あっ、いた」

どうやらトーレさんと何か話しているようだ。
………何かお世話になりっぱなしだな。

「取り敢えず近づいて………」

「………なの」

「ん?」

何か重要な話をしてるっぽいな………

「ちょっと聞いてみるか」

いたずら心が芽生え、聞き耳を立てる事にした………










「私ね、兄さんがウォーレンさんみたいになるんじゃないかって思ったの。実はウォーレンさんは兄さんと同じ訓練生だったの。その時、成績もトップで当時は結構期待の的だったの」

「ほう、まあ確かにあのバルトマンとやり合い、勝った男だから当たり前か」

「えっ!?ウォーレンさんってバルトマンに殺されたんじゃないの!?」

「いや、まあそうなるかな………」

「何か隠してるっぽい………まあ取り敢えずいいや。………だけどウォーレンさんは訓練校で管理局を辞めたの」

「ほう」

「『俺はやっぱり管理局は合わねえや、自分の気ままな様にやれた方がやりやすい』そう言って辞めたの。お兄ちゃんと本気で戦ってね」

「勝敗は?」

「最後の展開した魔力弾に対応しきれずにお兄ちゃんが負けちゃった。お兄ちゃんはね、管理局でウォーレンさんと一緒にコンビとして一緒に執務官で頑張りたいってよく言ってたの。だけどいきなり裏切られて頭にきたみたいで………」

「まあ親友だったらそうなるだろう………」

「その後、ウォーレンさんは傭兵として色んな仕事をしてきたみたいで、大怪我することもしょっちゅうあったみたいなの。だけどウォーレンさんは辞めなかった。だけど私はその内、死んじゃうんじゃないかって思い始めたの。そしてついにそれは………」

「なるほど………」

「だから私はお兄ちゃんが同じようになっちゃうんじゃないかって思えて恐いの………お兄ちゃんは私のたった一人の家族だから………」

「ティアナ………」

泣き出しそうなティアナを私はそっと抱きしめた。
自分の家族が居なくなる。
ドクターもナンバーズの皆も………そう思うと私も恐くなる。

「バカだなティアナは………」

抱きしめていると後ろからひょっこりティーダが現れた。
私もつい油断していたので気がつかなかった。

「俺がお前を置いて死ぬわけが無いだろ?そんな心配する必要無いんだよ」

「でも………」

「あと………実は就職先が決まったんだ。訓練校の教師をやってくれないかって訓練生の時の恩師に呼ばれてな、受けることにした」

「………そうなの?」

「だから傭兵の話は無くなったよ。まあ傭兵何かよりそっちの方が俺に向いてそうだし」

「うん、私もそう思う」

涙を拭き、笑顔で答えるティアナ。
これで一件落着だな。

「さあ、帰ろう。あっ、トーレさんも良かったら御飯食べていけば………」

「いいや、いつもお世話になっていたら迷惑だろう。今日は良い」

「駄目です!!お世話になったんですから、もてなすのがランスター家の掟です」

「だな。って事でこれ以上嫌がるなら俺がお姫様抱っこしていきますけど………」

「必要ない。した場合は斬り刻む」

「………すいません」

その後はまたランスター家に夕飯をご馳走してもらった。
やれやれ、すっかりこの兄妹のペースだな………
だが悪くない………














「たあ!」

「良いわよスバル」

天気の良い休日。
訓練校が休みなため、家の庭でスバルと訓練していた。

「えい!」

右拳が私の左肩を掠める。
スバルも随分動きが良くなった。

「行くよギン姉!玄武剛弾!!」

そう言ってスバルは右手の拳から複数の魔力弾を飛ばした。

スバルはあの事件後から、キリヤさんの戦いかたを真似するようになった。

私も直接お礼が言いたくて、休みの日にミッド中を探してみたことがあるけど、見つかったことがない。

「はい、ちょっと休憩」

「はぁ〜」

大きく息を吐き、その場で倒れ込むスバル。

「おっ、頑張ってるな」

そんな様子をお父さんが見に来てた。

「お父さん、それにはやてさん」

「おおきに。無事で何よりやったな」

今、お父さんの部隊でお世話になっている八神はやてさんだ。
管理局の制服を着ている辺り、仕事帰りかな?

「はい、ある人が助けてくれたので」

「ある人?」

「で、その事なんだけどなギンガ。お前の言ったような特徴の男は魔導師登録で探しても見つからなかったぞ」

「そう………ですか………」

お父さんに頼んで、管理局のサーバーから探してもらったけど見つからない………

一体何者なんだろう………

「あの………なんの話ですか?」

「ああ、ギンガとスバルの命の恩人でな、2人を守ってくれた奴がいたらしいんだ。だけどよ、いくら探しても見つからなくて、魔導師だって聞いたから魔導師登録から探してみたんだが見つけられねえんだ」

「へえ、その人の名前は何と言うんです?」

「キリヤって言うんだけどよ………」

「キリヤ………?」

名前を聞くとはやてさんは何だか難しい顔をして唸ってます。

もしかして………

「知っているんですか!?」

「う〜ん、だけど私の知っとる桐谷君は魔導師じゃ無いはずやし………キリヤって人、イケメンで髪が立ってる?」

「はい、そうです」

「結構背が大きい?」

「うん、大きかったよ!!」

「うわぁ、ありえそうや………」

スバルの答えを聞き、苦笑いするはやてさん。
これを逃したらチャンスは無い………!!

「はやてさん、お願いです!!キリヤさんと会わせていただけませんか?」

「私も会いたいです!!」

「う〜ん、まあええけど、取り敢えず桐谷君に確認取ってからでええか?」

「はい、ありがとうございます!!」

「はやてさん、ありがとう!!」

これでやっと会える、キリヤさんに………  
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