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スーパー戦隊総決戦

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第十六話 最後の戦士その一

                     最後の戦士
 戦隊の面々も敵達もあれこれと考えていた。その神戸に行く最も適した方法をだ。
「電車は乗換えがなあ」
「一旦名古屋に出て新幹線で行くのは?」
「それでも迷いそうだし」
 そんな頼りない有様だった。
「車も。何か迷いそう」
「だよなあ。カーナビってもな」
「それでも迷いそうだし」
 これも敵も味方もであった。どちらもであった。
「じゃあどうすればいいんだ」
「それならどうすれば」
「歩いていくのも辛いしな」
「どうすればいいんだ?」
「困ったな」
「とりあえず行かないといけないしな」
 このことはわかっていたのだ。最低限のことはだ。
「電車もバスも不安だしな」
「空もちょっと」
「どうする?」
「ワープとかできる?」
 今言ったのは冴だった。
「何かさ、他の世界を通って」
「あっ、そうだそれならダイナアースから行くとか?」
「それいいんじゃ」
「ああ、それは止めておいた方がいいです」
 アスカがそれをすぐに止めた。
「ダイナアースは地球と同じ大きさです。しかもかなり複雑な場所ですから」
「じゃあそこでも迷子になる可能性があるから」
「それも駄目なのね」
「はい、そうです」
 こう仲間達にも敵にも話すのだった。そして同じ世界にいるヴァッフォとミゲラもここでこのことを言うのだった。実はダイナアースのことを忘れていた彼等だった。
「そういえばそうだったな」
「伊勢とかそれどころの広さではないな」
「うむ、だから止めておくべきだな」
「確かにな」
 こう話してであった。二人も言うのだった。
 そしてアスカがだ。最後に言った。
「ダイアナースからの通過は止めておくべきです」
「じゃあそれも駄目か」
「サムライワールドとかはどうかしら」
「そっちは」
「そうした世界も同じだよ」
 今度はボンバーが答えてきた。
「この世界と同じ宇宙の中の世界だよ。だからね」
「となるとインフェルシアも無理か」
「そうなるよね」
「はい、そちらもです」
 スフィンクスも出て来て言う。
「神戸への直通の穴はまだありません。今から作っても一日かかります」
「じゃあ時間かかり過ぎだよな」
「それもなしね」
「何かないない尽くしになってきたな」
 ありとあらゆる手段が否定されてきていた。彼等にとって辛いことにだ。
 そして遂に手段がなくなった。するとだった。
 何とあらたな人間が出て来た。彼は。
「諸君、いいだろうか」
「あっ、王様」
「どうしたんですか?」
 パルジファルであった。その精悍かつ気品のある顔でやって来た。そのうえで戦隊の面々だけでなく敵達に対しても声をかけてきたのである。
「急に出て来られて」
「神戸におられるんじゃ」
「確かに私は神戸にいる」
 パルジファル本人もそれは言う。
「しかしだ」
「しかしですか」
「といいますと」
「事情が少し変わった。君達に来てもらいたい場所がある」
 それがあるというのだ。
「そこに連れて行こう」
「えっ、神戸じゃなくて?」
「あの、どうなったんですか?」
「無論その後で神戸にも招く」
 パルジファルはまた一同に話した。
 
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