| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

FAIRYTAIL-ダークブリングの力を操りし者-

作者:joker@k
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第四話  ジークハルト!?と新たなる地へ




 確か第八セクターがどうとか言ってたな。とりあえず、奴らを殴ったときに奪った見取り図を見て第八セクターに向かうとしよう。意外とここから近いみたいだからすぐだな。それに周囲を見渡してみると、暴動も収まりつつある。
 
 ボロボロの布を着ている人達が喜びの表情を浮かべているのを見るに、恐らく奴隷側が勝利したのだろう。子供から大人まで皆喜びを分かち合っている。そんな彼らの様子を見ながら走っていると早くも目的地であろう場所に到着した。

 さてと、ここらへんで使うとするか。透視のDB【ドーブレビスタ】。これは。あらゆる物体を通過し遠くの物を見たり、透視した映像を写し出すことが出来る。空間だけでなく、相手のステータス、弱点を見ることも出来るというかなり便利なDBだ。
 
 ただし、今の俺では範囲も狭く、ステータスもあまり詳しく表示されない。熟練度の問題もあるが、現時点でのDBP残量の問題もある。残りはだいたい二割弱。やはりマザーDBアルシェラを使ったのはまずかったか。地味に毒のDBもノーマルクラスの中では消費が激しいほうだからな。それゆえ、長時間の使用はできないのだが。

 第八セクターはまだまだ建設が進んでいないのか中はほぼ洞窟状態の場所のようだ。
 そのままドーブレビスタを使いながら、洞窟へと足を進める。いったん洞窟深くへ入ると外の騒音は消え、自分の足音だけが響き渡る。

 すると、早速洞窟内で人らしきものを発見したのだが少し様子がおかしい。俺はDBのおかげで洞窟内の壁を透視しさらに先まで見えているため、相手は俺には気づいてないようだ。
 あれはもしかしてエルザか? いや、それよりもエルザの傍に居るあの男はっ!


「ジークハルト……だと!?」


 なんであいつがこの世界にいる!?あいつはRAVEの世界の住人のはずだ。一体どういうことだ。他人のそら似にしてはあまりにも似すぎている。いや、落ち着け。ジークハルトにしてはあまりにも幼い。やはり、別人か?今の情報だけでは何とも判断がって!?

 突然、その謎の蒼髪少年が魔法らしきものでエルザの首を絞め始めた。クソが!このままじゃ間に合わない!俺は咄嗟に壁抜けのDB【スルー・ザ・ウォール】を使い蒼髪少年と俺との間にある壁をすり抜けて、少年との距離を一気に縮めた。

 そして、その少年がこちらに気づいた時には、俺はすでに彼の懐に潜り込み、残りわずかなDBPを使い鋼鉄のDB【フルメタル】を使用し自身の拳のみを鋼鉄に変えて敵の下顎に拳を振りぬいた。

「昇竜拳ってかぁ!?」

「ガッッ!」

 俺の昇竜拳もどきで脳を揺さぶられたのか一撃で気絶させることに成功した。この奇襲が成功してなかったらかなり危うかったかもしれない。俺のDBPはスッカラカンだ。びた一文残っちゃいねぇ。精神的疲労からか俺も地面に倒れこんだ。ふと横に顔を向ければエルザが地面に倒れこんだ状態で驚いた表情しながらこっちを見ていた。

「ル…シアか。よか…った…無事で…なにより…だ」

 エルザは意識が朦朧としていたのか、言葉が途切れ途切れだった。そしてすぐに気絶した。……気絶、だよな? 俺は動かない身体に鞭を打ち、エルザに駆け寄り、口と首に手を当てた。

「よかった。脈もあるし、息もしてる」

 俺はひとまず、エルザの無事に安堵し、少し休憩してからエルザを背負い洞窟からの脱出を試みる。ご飯を食べていなかったこととDBPを全て使い尽くしたことで身体は疲弊しきっていた。

 悪いが、あのジークハルトもどきの蒼髪少年まで連れて行く気力もないし、体力があったとしてもエルザの首を絞めた罰として置いて行くつもりだ。それにこいつのことよく知らないし。最後に蒼髪少年の顔をまじまじと観察した後その場を離れた。見れば見るほどジークハルトにそっくりだったな、あいつ。

 しかし参った。この洞窟を途中から壁を通り抜けて来てしまったため、内部の構造がわからない。ふと俺は自分が靴を履いてないことに気づき、だからさっきから足の裏が痛かったのかと今更ながら思った。よくよく自分の身体を見てみると上半身は裸で下半身はボロい布切れの長ズボン、いや擦り切れて七分丈状態だ。せつねぇな。

 この洞窟に入った時には微塵も思わなかったが迷宮のように入り組んでるように見える。やはり、DBは便利だった。それとも俺の今の疲労具合のせいで迷宮のように感じてるだけか?まぁいいか。そうこうしている間に無事に洞窟から出ることができた。大分時間が掛かってしまったようだが仕方がない。

 外に出るとさんさんと降り注ぐ太陽の光が眩しく光る。暗いところから明るいところへと出たためか、眼を慣らすのに時間が掛かった。

「シャバの空気は美味いな。な~んて」

 ずっと牢屋にいてその後すぐに洞窟にいたからだろうか、くだらない陽気な発言をしてしまったと後悔しつつ何やら騒いでいる場所に目を向ける。そこには巨大な船に乗り込んでいた元奴隷がざわついている。たぶん、あの船でこの島から脱出をするのだろう。ちょうどいい、俺とエルザも便乗させてもらうとするか。


――だが、世界はそう甘くなかった。


「皆、船から逃げるんだ! エルザと金髪の悪魔が船に爆弾を仕掛けた!」

 ま・た・お・ま・え・か!というよりあの野郎、もう気がつきやがったのか!しかも俺より早く洞窟から脱出し、口八丁でそれらしい理由をつけてエルザと俺を悪者に仕立て上げていた。ムカつくことにガキのくせして説得力がありやがる。言葉の内容だけじゃない、カリスマと呼ばれるものだけが発することができる雰囲気を纏ってやがる。悔しいが完璧だ。

 ……しかし、このままでは相当まずい。恐らくあいつは周りの奴らからかなり信頼されているであろうことはすぐ見てとれる。ここで俺が登場するのはかなり分が悪い。仮に俺がこの場にいき誤解を解こうとしても、金髪の悪魔なんて呼ばれている俺のことなんか信用するはずもない。エルザだけをここに残すのもあの蒼髪が何するか分からないから不安だ。クソッ!完全にしてやられた!

 とにかく、周りに気づかれないようここから脱出しなければ。幸い、俺がいた牢屋の近くの海辺に小さな小船が何隻かあったはずだ。それを使えばとりあえずの命の危険からは間逃れる。

 未だ起きる気配のないエルザを背負い直し、俺は慎重かつ大胆に小船がある場所まで駆け抜ける。自身の体力も限界をとうに超えていたが、何とか船のある場所まで辿り着き、船を固定しているロープを放し急いで出発させた。船にはちょうど二人分のスペースとオール、そして変わった水晶のようなものが設置されていた。手を掲げるとまるでモーターボートのように船が急発進した。

「こりゃ便利だ。さすがにオールを漕ぐ体力なんか残ってねぇしな」

 この船がどこに向かっているのか定かではないが、これで一息つけると思った瞬間今までの疲労が一気に押し寄せ、深い眠りへと落ちていった。






side out
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

side エルザ




 ここは、一体……。周囲を見渡せば、どこかの海辺だということがわかる。しかし、あの楽園の塔周辺にはこんな場所あっただろうかと疑問を浮かべ、すぐにあの悪夢がフラッシュバックした。そうだあのときジェラールに首を絞められてそこで……ルシアは!?

 私は慌てて、周りを先ほどよりも注意深く見渡す。そこには何故か船であっただろう残骸と私の足元にルシアがうつ伏せになって倒れていた。

「おい! ルシアしっかりしろ!」

 私はどんどん血の気が引いていき、またあのときのようにロブおじいちゃんのときのように大事な大切な人を亡くすのではないかと不安に駆られる。一生懸命、涙ながらにルシアの身体を揺さぶると。

「ぐぅ~ぐぅ~」

「…………」

 寝息。よかった、本当によかった。思わず腰が抜け浜辺の柔らかな砂に腰から落ちた。よくよく見てみるとルシアの寝顔は起きているときと違って可愛らしく思えた。

(起きてるときは、あんなに鋭い眼つきなのにな。ふふっ可愛いものだ)

 私は心地よさそうに寝ているルシアの口元の涎を指で拭き取りながら、もう一度周囲を見渡し意を決して、彼の頭を自分の膝の上においた。

「こ、これが、膝枕というものか。少し恥ずかしいな」

 たぶん今私の顔は真っ赤だろう。楽園の塔にいた仲間の女の子に教えてもらった、好意を寄せている相手に膝枕をすると幸せな気持ちになるというのを実感した。

「い、いやいやいや、わ、私はべ、別にルシアのことは!」

 周囲に誰もいないにもかかわらず大声を出してしまったことに恥ずかしくなり、下に俯く。いやでも誰もいないほうがよかったのかもしれない。
 
 私は恋とか恋愛とかはわからない。ただ、ルシアに好意を抱いているのは確かだ……それが友人に向けるものか、お、想い人に向けるものかはわからないが。

 いつの間にか夕暮れ時に差し掛かっており、海辺は綺麗なオレンジ色に輝いている。この海の向こうには楽園の塔があるのだろうか。ジェラールに言われた言葉を思い出す。


『Rシステムは楽園の塔は俺が完成させる。そしてゼレフを復活させるんだ。そこに本当の自由がある。心配しなくていい、俺は奴らとは違う。皆に食事を与え、休みを与える。恐怖と力での支配は効率が悪いからな。』


 私はジェラールの豹変に気がついてしまった。そしてあのとき、首を絞められたとき彼は私を殺すつもりはなかった。教団の邪魔な奴らを排除してくれた感謝の礼に生かしてやると言われた。ただし私が皆を助けようと動けば一人づつ殺されていってしまう。それにみんなはまだ彼が豹変してしまったことに気がついてない。これから私はどうすればいいのだろう。私は、一体どうすれば……。気が付けば、私は自然と涙していた。


 不安と絶望に押しつぶされそうで、今だけはとルシアに抱きつき彼の胸の中で泣きつづけた。

 
 

 
後書き
フェアリーテイルを初めて読んだときジェラールには驚きました。前作を知っている身としてはね。プルーでも驚愕しましたが。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧