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学園黙示録 Highschool Of The Dead ~壊れた世界と紅の狼~

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合流

 
前書き
今回は短め 

 
~毒島side~
蒼騎くん達と別れてから、丸一日たったが何時まで経ってもバスは動かなかった。


「これでは、待ち合わせの時間に間に合わないな」
「そうですね。それに………後ろの連中も相当ヤバいですね」


小室くんと私は後ろを向くと、そこではもはや紫藤が教祖と言っても過言じゃないほどの洗脳集団が居た。


「………このバスは捨てた方がいいわね」
「高城!」
「一日中考えていたのだけど、紫藤の洗脳は尋常じゃないわ! 紫藤の言葉を聞いているアイツ等の目は異常よ。平野! アンタも起きなさい!!」


高城くんは、寝ている平野くんを叩き起こして、話し合いに参加させていた。


「このままじゃ、私達もアイツ等みたいになる。だけど、私はそんなのゴメンだわ! それに………」
「それに真紅狼達との約束もある。ここで動くのを待つのも得策じゃないな」
「そうだ。そうなると選択肢は一つ」


私が平野くん達の顔を見ると、全員は分かった様に頷く。
そこにさらに一人増えた。


「ねぇ、私も入っていいかしら?」
「静香先生?」
「僕たちは別に構いませんが………いいんですか?」
「まぁ~ねぇ。こんなときにこんなこと言っちゃダメなんだけど、私、紫藤先生の事嫌いなの」


それを聞いて、私達は軽く吹きだしてしまった。
そして、荷物を担いで出る瞬間、紫藤に呼び止められた。


「おや、皆さん、どうしましたか?」
「紫藤先生! 私達は、別行動を取らせてもらうわ! これ以上アンタに付き合う義理もないしね」
「………いいでしょう。ここは日本、自由の国ですしね。でも………鞠川先生、貴女はダメです。現状医師である貴女を失うのは非常に痛い。それにこちらにも貴女を必要としている生徒はたくさんいる。どうか、考え直してくれませんか?」


紫藤は語りつつ、こちらに近づいてきた瞬間、平野くんが釘打ちつけで紫藤を威嚇射撃した。


ビュッ!
ドスッ!


「ひ、平野くん?」
「今のはワザと外した」
「き、キミは暴力的なこと………」
「だいたい、お前は俺の事バカにしてたじゃねぇか!! ずっと我慢してた!! だけど、今ならお前を殺せる!! 毒島先輩! 僕が後衛を務めます! 小室と先に行ってください!!」


彼が男気を見せたので、私は遠慮なく先頭を切ることにした。

男子(おのこ)だな、平野くん」


そして、私達はバスから降りて、徒歩で御別橋に向かったが、そこにも<奴等>の手は迫っており、私達は蹴散らしながら進んでいったが、次第に囲まれ始めていた。


「はぁっ!!」


ドスッ!


<奴等>の頭を木刀で吹き飛ばし、一体、また一体と倒していくが<奴等>は無限とも言えるほどに湧き続けた。


「毒島先輩! もう弾が切れそうです!」
「なら………!」


私は木刀を右頬に叩き込んで吹き飛ばした。


「これを貸そうか?」
「肉弾戦は無理ですー!!」
「ならば………」
「平野、退け!」


ガァン!
グチャッ!


「た、助かったよ、小室」
「おう。大丈夫か?」
「だけど………」
「言うな。諦めたら、終わりだぞ?」
「………そうd」


平野くんが気力を振り絞る瞬間、大きな音がしたから発生し、そのあと大型スクーターが飛びこんできた。
スクーターを運転している人間は、私達がよく知ってる人間だった。


『ヒャッハー!! 戦闘だーー!!』
「「「「蒼騎/真紅狼/くん!!?」」」」


後ろには、宮本くんも乗っており、<奴等>を駆逐し始めた。
~毒島side out~


~真紅狼side~
ガソリンスタンドから走りだし、朝を迎え………橋に辿り着いた時には夕方になっていた。
御別橋に向かう途中で隣の床主大橋では、すでに交通規制に<奴等>が入り混じっており、阿鼻叫喚図になっていた。


「酷いな、こりゃ」
「………御別橋の方は、どうなの?」
「交通規制は引かれていないが………ヤベ!!」


俺は橋の上で戦っている者たちを見て、スピードを上げる。


「どうしたの!?」
「孝達が、大勢の<奴等>と交戦しているみたいだ! 突っ込むぞ!!」
「突っ込むって言ったって………」


俺は、前にある荷台車をジャンプ台代りに扱い、自前の腕力で大型スクーターを持ち上げた。


「ヒャッハー!! 戦闘だーー!!」


叫びながら、心の中で“王の財宝”を開き、四十五口径“サイクロプス”を引っ張り出し、平野に投げた。


「平野!!」


投げられたモノを手にし、俺が平野を横切った瞬間、銃弾が放たれる。


ダ、ダンッ!!


「ダブルタップだぜ!!」


俺はそのままドリフトを掛けながら、周りの<奴等>を吹き飛ばす。
そして毒島先輩の方に走らせる。


「毒島先輩、伏せてください!」


見えない様に“王の財宝”からライオットを引っ張り出し、<奴等>に向けて撃ちまくる。


ダンッ! ダンッ!! ダンッ!!!


ショットガンだが、弾はスラッグ弾。
その為、被弾する必要性はない。
スラッグ弾の威力は薄い鉄板なら簡単に貫くことが出来る為、それが人間なら頭に当たれば見事なザクロのように飛び散る。


「っと、こんな感じか」
「蒼騎くん! 無事で何よりだ」
「そちらは小者とは別れたんですね?」
「ああ。ところで、床主大橋は見たかね?」
「ええ。おそらく渡河するのは無理でしょう」
「そうか。そろそろ夜になるし、どこか立て籠れる場所があればいいのだが………」
「あ、先生。良い所知ってるわよ?」
「え、本当ですか?」
「うん! あのね、先生のお友達の家がすぐそこなの!」
「それはマンションですか?」
「メゾネットタイプよ」
「………ということらしいが、どうする?」


全員に訊ねると、高城が………


「今日はそこに泊まりましょ。電気や水道が通ってるうちにお風呂とかに入りたいし………」


そこで、平野が“お風呂”という単語に反応していたが、スルーで。


「先生、そこってどこですか?」
「えーーっとね。あそこ!」


差してる方向は、床主大橋から少し離れた場所だった。


「よし、全員疲れているっぽいし、ここはサービスで凄いことをやってやろう!」
『へ?』


俺はスクーターから降りて、鋼糸を展開し斬れない様に全員を掴んで残った鋼糸で電柱などに巻き付けて、引っ張られるかのように飛んでいく。


『な、なんだこれぇぇぇぇぇぇぇ!?』
「滅多にやらないが、俺流、空の旅」
「ちょ、落ちないの、コレ!!?」
「安心しろ、高城。お前等を掴んでいるのは俺の鋼糸だ。鋼糸にはこういう使い方もあるんだぜ? 実際に、学校に行くときもこれを何回か使ってる」
「先生、高い所苦手なのよーー!!」
「すぐに着くんで、ちょっと待ってくださいな!」


先生が差した場所に到着する前に、未だに余っている鋼糸で周りと屋内の<奴等>を殲滅し終わったと同時に目的地に着いた。


「ほい、到着。………って、なんで、お前等はそんなに疲れてるんだ?」


見事に皆、ぐでーってなってる。


「空の旅を優雅だったろ?」
「蒼騎くんほど、私達は精神が図太くないのだよ」


毒島先輩は顔には出てないが、おそらくまだ先程の体検に驚いているのだろう。
若干呼吸が早い。


「ほら、早く入った! <奴等>になりたいのなら、おいていくぞ?」
「蒼騎くん、ここの周りは………?」
「ああ、先程殲滅したんで、大丈夫ですよ」


俺はにこやかに言うと、俺以外は一斉に溜息をついた。
なんだよ、その溜息は?
溜息に不満を持ちながら、俺達は部屋の中に入っていた。
~真紅狼side out~


別にいいデスよー、たいてい一回はこういうことが必ずあるし・・・ 
 

 
後書き
プチいじけた真紅狼。

今回はもう一話投稿します。 
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