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真・恋姫†無双 劉ヨウ伝

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第57話 黄巾の乱勃発、原作の始まり

私は司隷校尉の属官を自分の配下で固めました。

司馬懿を「都官従事」

司馬朗を「録事門下」

司馬孚を「功曹従事」

臧覇を「武猛従事」

趙雲を「部群従事」

楽進を「主簿」

太史慈を「武猛従事仮左」

夏候蘭を「部群従事仮左」

李典を「功曹従事仮左」

于禁「省事記室」

以上が任官内容です。

私の配下に司馬朗、司馬孚が加わりました。

彼女達の真名は奈緒、彩音です。

彩音と真桜には密命を与えています。

いずれ私が拠点を持ったとき、兵器工場を開設しようと考えているのですが、その工場で働く人間を探させています。

移住する可能性もあるので、それも考慮して人材を探させています。

洛陽で私の火縄銃開発に関わった人物には全て声を掛けています。

私の名声と彼らの給金を高めに設定したので皆良い返事をくれました。

太史慈にはいずれ督軍従事に任じようと思っています。

現在、督軍従事の官職はないですが黄巾の乱が勃発すれば、督軍従事の官職が創設されるはずです。

この前会った華琳は法を破った蹇碩の叔父を殴り殺して、表向きは栄転ですが洛陽から追い出されました。

洛陽を去る時、華琳は私に別れの挨拶をする傍ら私に愚痴っていました。





今日は美羽を連れて洛陽の貧民街に足を運ぶことにしました。

私は美羽にせがまれ彼女を肩車しています。

「兄様。どこへ行くのじゃ?楽しい所かえ」

私の頭上から陽気な美羽の声が聞こえました。

「楽しい所じゃないな。美羽に見て欲しい場所があるんだ」

麗羽同様、美羽にも庶民の子供達と遊ぶ機会を作っています。

庶民の目線を持てることは美羽の為になります。

「嫌なのじゃっ!兄様、行きたくないのじゃ」

「美羽、私と一緒に行けば、後で、(ケーキ)を作ってあげよう」

「蛋っ!兄様、分かったのじゃ。楽しみなのじゃ。兄様、蜂蜜を沢山掛けてたも」

「ああ、美羽の言う通りにするよ」

美羽は機嫌を直して喜んでいました。

蛋はケーキの中国語訳です。

ケーキはこの時代ないので、ホットケーキを私が勝手にそう読んでいます。

砂糖はこの時代貴重品なので、ホットケーキの生地に砂糖を入れず代わりに出来上がったホットケーキに蜂蜜を多めに掛けました。

美羽はこれが大好物です。





私達は貧民街に着きました。

「兄様・・・・・・、何なのじゃ・・・・・・ここは」

美羽は怯えながら私の頭にしがみついています。

「美羽、洛陽がこの国の中心ということは知っているね?」

「分かっているのじゃ」

「洛陽は人と物が集まる。でも、洛陽に来た人全てに仕事にありつけるわけじゃない」

「それとこの者達と何が関係あるのじゃ」

「この人達がそうした人達だからさ。彼らは仕事がないから、何時も腹を空かせている。いずれ、空腹を満たすために犯罪者になる。もしくは、既に犯罪者になっている」

「兄様、食べ物はどこにでもあるのじゃ。何故、仕事がないと食べ物がないのじゃ」

「美羽・・・・・・。庶民は仕事をして、お金を手に入れ、そのお金で食べ物を買うんだ」

「・・・・・・仕事がないと食べ物を食べれないのかえ・・・・・・」

私の頭上から美羽の悲しい声が聞こえました。

「私は司隷校尉になって以来、貧民街の人々に炊き出しをしている。しかし、それでは何の解決にもならない。今日、明日の彼らの飢えを救うことが出来ても、彼らに仕事を与えることができなければ意味が無い」

宮廷の連中は闘争に明け暮れ、この状況を気にも掛けていません。

庶民出身の何進様ですら同じです。

やはり後漢は一度命脈を断つ必要があります。

そして、私が漢王朝、第二の中興の祖になってみせます。

全ては董卓が朝廷の実権を握り、少帝を毒殺し献帝を帝位につけなければ始まりません。

その後、献帝は折を見て偽帝として誅殺します。

これは前漢の皇族である私でなければできないことです。

後漢の皇族は既得権益を享受しているので、少帝毒殺の件をうやむやにするはずです。

そうはさせません。

「寒そうなのじゃ・・・・・・」

「美羽、この光景を忘れないで欲しい。私はこの者達を助けたいと思っている。だから、美羽がいずれ大守になったとき、彼らのような者達を守ってあげてくれないか?」

「兄様、分かったのじゃ!」

私の頭上からは美羽の凛々しい声が聞こえました。

これで美羽が南陽大守になったとき、彼女は民を慈しむ為政者になるでしょう。

孫策達のつけいる隙を作らなければいいのです。

もし、仁君となった美羽を排すような真似をすれば、この私は公然と孫策一党を賊として誅殺できます。

揚州を孫家の物とはばからない愚か者共と話し合うだけ無駄です。

どこをどう理解すれば揚州が孫家の物なのか理解できません。





私と美羽が貧民街を出て私の家に向かうと揚羽が血相を変えて私達の所に走ってきました。

「正宗様、大変です!早く宮廷に参内してください。民衆の反乱が起きたそうです」

揚羽は目で私に目配せをしてきました。

とうとう『黄巾の乱』が勃発しました。

さて、恋姫の原作が始まるわけですが、天の御使い北郷一刀はどの陣営に現れるのでしょうか?

どの陣営に現れようと天の御使いを名乗るのであれば逆賊として誅殺するつもりです。

宗教臭い風聞を垂れ流す者は危険です。

黄巾の乱の首領張角が良い例です。

恋姫の張角は歌手ですが、本人に悪意なくとも周囲を巻き込んで面倒なことをしでかしました。

私が乱世に打って出るとき、必ず目障りになるはずです。

「兄様、何を考え事をしておるのじゃ。妾のことなら気にせず早く宮中に行ってたも」

美羽は私に声を掛けてきました。

「わ、悪いな美羽。揚羽、美羽のことを頼めるか」

「お任せください」

「兄様、お気をつけてなのじゃ!」

美羽に笑顔で私を送り出された私は家に急いで戻ると正装をし宮中に参内しました。

 
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