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仮面ライダー エターナルインフィニティ

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第十二話 ワームと運動会と体操服その四

「さもなければどうなっていたか」
「宗朗はね」
 何故かだ。彼のことを千姫が話す。
「文武両道で学問もできるのよ」
「そうなのか」
「学年でトップクラスで。凄いんだから」
「それはわかった」
「納得したわね」
「しかし。それを本人が言わずにだ」
 天道はその千姫に対して突っ込みを入れて述べる。
「君が言うのか」
「むっ、それがどうかしたの!?」
「しておるわ」
 天道ではなく幸村が文句をつける顔で突っ込む。
「全く。御主をきたら」
「私がどうしたのというのよ」
「わかりやすい素直でない娘だからのう」
「私は別に」
 そう言われてだ。狼狽を見せて返す千姫だった。
「ただ事実を説明しただけで」
「それだけにしては狼狽し過ぎじゃろ」
「気のせいよ。私は宗朗なんて別に」
 千姫は嘘が下手だ。それもかなり。
「何も思っていないわよ。私を侮辱するつもり!?」
「別にわらわは何も言ってはおらんぞ」
「いいえ、言っているわ」
 最早言い掛かりだった。そうでもしないと言い繕えないからだ。
「はっきりとね」
「言っておらぬぞ」
「私はね。宗朗のことなんか何とも思っていないんだから」
「だから言っておるではないか」
「何処が言ってるのよ」
「やれやれだな」
 そんな千姫にだ。兄の慶彦は呆れる顔だった。そのうえでのぼやきだった。
「全く。子供の頃から嘘が吐けないからな」
「お兄様までそんなことを言って」
「いや、この場合は慶彦が正しいぞ」
 幸村は醒めた目で慶彦に突っ込み返す。
「御主はどう見てもじゃ。宗朗のことがじゃ」
「全く。とんだ濡れ衣よ」
 まだこう言う千姫だった。しかしである。
 そんな話をしているうちに彼等も文月学園に着いた。そのうえで運動会と戦いに備えるのだった。
 運動会は次の日だった。その次の日にだ。 
 全員体操服姿で参加していた。ただしだ。
 ライダー達はジャージだ。そのジャージ姿を見てだ。
 F組の面々がだ。こう神代に尋ねた。彼は相変わらず豪奢な椅子に座り爺やを控えさせてだ。グラウンドにあるその席で優雅に紅茶を飲んでいた。
 明久がだ。その神代に対して言う。
「あの、神代さん」
「何だ?」
「紫のジャージですか」
「それがどうかしたのか?」
「よくそんなジャージありましたね」
「俺の色は紫だ」
 神代のライダーとしての色である。
「だから何の問題もない筈だ」
「それはそうですけれど」
「何か不都合があるのか」
「何かやたら派手なんですけれど」
 ただの紫ではない。ラメまで入っている。その何処かのタレント事務所のステージ衣装の様なジャージを見てだ。明久は呆然として言うのである。
「それで一体何処で売ってたんですか?」
「売っているものではない」
 神代は胸を張ってそのことは否定した。
「これはオーダーメイトだ」
「オーダーメイト?」
「特別に注文して作らせたのだ」
 そうしてできたジャージだというのである。
「俺の為だけにある特別のジャージなのだ」
「そうだったんですか」
「そしてだ」
 神代から明久にこう言う。
「我が友アッキーヒサよ」
「アッキーヒサ、ですか」
「そうだ。我が誇らしき友よ」
 何時の間にかだ。彼等は完全に友人になっていた。
 
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