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八条学園騒動記

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第七百五十一話 本名じゃないその十一

「評価すべきよ」
「江戸時代の日本は」
「そうしたところもね」
「結構ね」
 ここでだ、ベスはこんなことを言った。
「時代劇観てると」
「死刑判決多いわね」
「遠山の金さんとか大岡越前とか」
 こうした時代劇のシリーズを観ていると、というのだ。
「もうね」
「最後は死罪って言うこと多いわね」
「打ち首獄門とかね」
 ベスはその死罪の具体的な話もした。
「多いけれど」
「実は死刑少なかったのよ」
「そう判決が出ても温情で許されて」
「罪一等か二等減じられて」
 そうなってというだ、ジョーは話した。
「それでよ」
「助けられていたのね」
「相当悪いことしないと」
「死罪にならなかったの」
「時代劇は創作だから」
 あくまでというのだ。
「だからね」
「それでなのね」
「あんなに毎週ね」
 放送の度にというのだ。
「死罪になるなんてね」
「なかったのね」
「ええ、治安よかったしね」
 当時の日本はこのことでもかなりのものだったのだ。
「それでね」
「そのうえでなのね」
「犯罪自体も凄く少なかったし」
「その中で死刑になる人は」
「江戸時代長かったけれど」
 二六四年続いた、その間二百年以上平和であったのだ。
「そうした捜査や取り調べでね」
「裁判だったのね」
「そうなの、拷問ですらね」 
 一番厳しい海老責めを行うにしてもというのだ。
「自由に出来なかったし」
「無闇に残酷なこと出来ないって」
 メグが言った。
「それだけでね」
「かなり違うでしょ」
「普通拷問って」
 一番上の妹にさらに言った。
「もっとね」
「過酷なものよね」
「ええ」
 そうだとダ、ジョーに答えた。
「現場の拷問役人が決める」
「そうしたものだけれど」
「江戸幕府は違ったのね」
「ちゃんと老中っていうね」
 この役職のというのだ。
「今で言う大臣それも首相クラスの人がよ」
「許可を出していたのね」
「そこまで管理されていたから」 
 拷問を行うにしてもというのだ。
「人道的だったのよ」
「当時としてはかなり」
「ええ。武士でもね」 
 支配階級にあってもというのだ。 
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