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仮面ライダー エターナルインフィニティ

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第七話 義の戦その三

 宗朗に顔を向けてだ。そして言ったのだった。
「ではそのことを忘れずにじゃ」
「戦っていくんだね」
「最後の最後までな」
「それでね」
 十兵衛がほうれん草のひたしを食しながら言ってきた。
「その黒い神様だけれどね」
「黒衣の青年が?」
「うん、何か色々やることがあるんだって」
 こう一同に話すのである。
「それで今はね」
「今は?」
「ここに来ることはできないけれど」
 それでもだというのだ。
「十兵衛に鬼さん達に伝えて欲しいって」
「何ですか、それは」
「一体」
 威吹鬼だけでなく轟鬼も十兵衛に問うた。思わず身を少し乗り出している。
「黒衣の青年が僕達に伝えたいこと」
「それって何なんだ!?」
「この世界のスサノオは天草四郎との戦いの後で出て来るんだって」
 これがだ。黒衣の青年からの伝言だというのだ。
「だから。天草に勝ってもね」
「油断してはいけない」
「そういうことか」
「そのことを伝えて欲しいって」
 十兵衛はあくまで天真爛漫な調子で話す。戦いの時とは全く違う。
「そう言われたから」
「やっぱりそうなんだね」
 宗朗は十兵衛の言葉を聞いて。納得した様に頷いた。
 そうしてだ。また言う彼だった。
「スサノオは僕達を見て試し続けているんだ」
「本当に趣味の悪い奴ね」
 千姫は宗朗の言葉を受けて憮然とした顔になる。
 そのうえでこう言ってだ。スサノオへの嫌悪を見せたのである。
「最後の最後まで出て来ないなんて」
「まああれだ。大物は最後に出て来るものだからな」
 響鬼がその千姫にこう話す。
「特に気にすることでもないさ」
「まずは戦いましょう」
 半蔵が述べる。
「柳生義仙、そして天草四郎と」
「そうだな」
 半蔵の今の言葉に頷いて応えたのはダルタニャンである。見れば器用に箸を使い続けている。
「それでは今からだ」
「また向こうから来るな」
 桐矢は己の読みを述べた。
「さて、その時に」
「もう一度迎え撃ちましょう」
 あきらが応えて。そうしてだった。
 彼等はそのまま食事を摂る。そうして今は十兵衛の帰還を喜ぶことにした。その食事の後で。
 十兵衛はにゃんぱいあ達とだ。庭で遊んだ。そのにゃんぱいあ達にだ。
 十兵衛はその彼等にこう尋ねた。
「君達ってさ」
「何にゃ?」
「何かあるのかよ、俺達に」
 にゃんぱいあとまさむにゃがその十兵衛に問い返す。
「他の世界から来たんだよね」
「そうですよ」
 にゃてんしがその問いに答えた。彼も来ているのだ。
「僕達は元々は天界にいまして」
「天界?」
「神様がおられる世界です」
 そこから来たというのだ。
「ですからとても偉いんですよ」
「ふうん、君達って偉い猫なんだ」
「はい、そうなんです」
 にゃてんしは平然と嘘を吐いた。
「だから崇め奉らないといけないんですよ」
「そうだよね。偉いんだからね」
 そしてだ。十兵衛はにゃてんしの嘘をそのまま信じた。
 そのうえでだ。こう言うのだった。
「神様みたいなものだよね」
「いえいえ、僕は天使ですよ」
 このことだけは正しかった。
 
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