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夢幻水滸伝

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第三百四十七話 オクラホマの攻防その四

「あそこを守るとな」
「州の交通の要地です」
「あの街を守れば敵はそれ以上進めません」
「それで、ですね」
「撤退すればですね」
「徹底的にな」
 将兵達に強い声で話した。
「オクラホマシチーの守りを固めるで」
「そうしてですね」
「あの街を守りますね」
「州の心臓を」
「そうしますね」
「そしてな」 
 そのうえでというのだ。
「州を守り抜くで」
「わかりました」
「ではそうしましょう」
「この防衛ラインを守りきれなくなれば」
「その時は」
「そうするで、ただこのままやと」
 ガーランドは前線を見つつ苦い顔で言った、敵軍の攻撃は今も激しくそれで損害は秒単位で出ている。
 その戦局を見てだ、将兵達に言うのだった。
「もたへんな」
「そうですね」
「この状況では」
「既に航空戦力はかなり失っています」
「空港への攻撃がはじまっています」
「爆撃と砲撃で塹壕や鉄条網への損害も大きいです」
「トーチカも破壊されてきています」
「そやからな」
 だからだというのだ。
「ここはな」
「はい、このままではですね」
「州境の防衛ラインを守りきれないですね」
「そうなりますね」
「そうなるわ」
 こう言うのだった。
「ほんまに」
「そうですね」
「このままでは」
「やはり数が違います」
「装備の質も」
「そして星の方もおられますし」
「こっちはおらっち一人でな」 
 その星の者のこともだ、ガーランドは話した。
「相手はスタインベックとオニールや」
「お二方です」
「どちらの方もお強いです」
「それも非常に」
「スタインベックの突進力と攻撃力も脅威やが」
 それと共にというのだ。
「オニールのダイナマイトや」
「あの神具ですね」
「実際に使われていますが」
「広範囲に恐ろしい爆発を引き起こします」
「半径にしてキロ単位の」
「おらっち達の世界で言うとな」
 今丁度オニールがダイナマイトを投げた、塹壕の上で爆発したが半径三キロ程が地下深くまで消し飛んだ。
「放射能のない核兵器や」
「恐ろしい威力です」
「あの様な神具をよく使われますと」
「とても守り切れません」
「実際に前線が破壊されています」
「あのダイナマイトの攻撃だけでも」
「あいつも厄介や、ダイナマイトは恐ろしい神具や」
 ガーランドから見てもだ。
「これではな」
「守りきれないですね」
「とても」
「この防衛ラインは」
「ああ、あいつにはおらっちが向かいたいが」
「そこにおるかガーランド」
 ここでだった。
 スタインベックの声がした、見れば前にダグダの棍棒を持ちブレスの鎧を身に着けている彼がいた。 
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