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星河の覇皇

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第八十六部第三章 学園の理事長としてその三十四

「充実するしな」
「やはりいいこと尽くめですね」
「そう思う、何も食べていない人より食べている人の方が戦えるな」
「その通りですね」
「餓えた軍隊は弱い」
 八条は言い切った。
「幾ら鍛えていて兵器があってもな」
「肝心の軍人さん達が餓えていますと」
「とてもだ」
 それこそというのだ。
「満足に戦えない」
「そういうものですね」
「人間食べないとな」
 今は無花果を食べながら言う。
「力が出ないしだ」
「生きることも出来ないですね」
「それはもう絶対のことだ」
「空腹ではですね」
「どうにもならない、もう考えることもだ」
 このことすらだ。
「出来ない」
「考えることすら出来なくては」
「戦うことなぞ出来ない」
「だから餓えた軍隊は弱いですね」
「戦うどころではないからな」
「それで、ですね」
「まずは豊かになることだ」
 それからだというのだ。
「やはりな」
「だから豊かになることですか」
「それも美味しくて栄養があればだ」
「尚更いいですね、食事は」
「それで豊かになればなるだけな」
「国防にいいですね」
「同じ人間でもだ」
 八条はこうも言った。
「現代と古代では体格が違う」
「あっ、それは」
 由良は八条の今の言葉にはっとなった、そのうえで彼に言った。
「戦国時代の日本人も」
「今の我々と比べるとな」
「相当に小さかったですね」
「例えば伊達政宗公で一六〇だった」
「それで当時は普通でしたね」
「今では子供位の大きさだ」
 このことは連合全体から見てそうである、小学校高学年ともなればそこまでの背丈で標準となっている。
「最早な」
「しかし当時は」
「摂取している栄養の関係でな」
「そうなっていますね」
「当時の具足の大きさを見てもな」
「日本人は小さかったですね」
「幕末でもだ」
 この時でもというのだ。
「勝海舟もな」
「小さかったですね」
「この人は一四九だったという」
「今では」
「小学生でもな」
「四年生位ですね」
「それ位の大きさだった」
 そこまで小さかったというのだ。
「当時でも小柄だったというが」
「そこまで小さかったですね」
「それは栄養の関係でありな」
「摂取する栄養がよくなると」
「体格は自然と変わる」
「そうなりますね」
「牛乳を飲んでもいい」 
 八条はミルクティーを飲みつつ話した、見ればそのミルクティーはミルクつまり牛乳が多く入っている。 
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