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星河の覇皇

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第八十六部第三章 学園の理事長としてその三十二

「わかる、だからだ」
「あえて見せるのですね」
「こちらの堅固な防衛ラインをな」
「そうして最初からですね」
「攻めさせない、圧倒的な守りはだ」
 それはというのだ。
「それだけでだ」
「確かな国防になりますね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「連合は巨大だ、巨大ならばな」
「その巨大さを見せることですね」
「それが最大の国防になる」
「備え自体が」
「戦わずして勝つというが」
「それになりますね」
「まさにな、私は百戦百勝は求めない」
 決して、そうした言葉だった。
「それが如何に愚かなことか知っているつもりだ」
「よく言われますね」
「百勝してもそれだけ傷付く」
 戦争をすればというのだ。
「それだけでな」
「無傷の勝利は有り得ないですね」
「必ず損害は出る」
「犠牲は」
「それが例え一人でもな」
 それでもというのだ。
「損害、犠牲は出る」
「それが戦争ですね」
「だからだ」
「それをご承知なので」
「私は百戦百勝は求めない」
 八条は紅茶を飲みつつ話した、ミルクを入れてその上で甘くさせている紅茶だ。砂糖は入れていないが確かに甘い。
「それよりもだ」
「戦わずしてですね」
「それを求めている」
「だからですね」
「エウロパにもサハラにもな」
「見せますね」
「あえてな、そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「敵が攻めない様にする」
「その堅固な防衛ラインを見せて」
「そうする、それこそ全軍を以てしても攻め落とせないのなら」
「誰も攻めないですね」
「そうだ、万里の長城どころではない」
 その防衛ラインはというのだ。
「全体が山海関だ」
「その万里の頂上のはじまりの場所で」
「最大の関門だったな」
「それで都を守っていました」
 即ち北京をだ。
「明朝の頃は」
「その山海関の様な、な」
「堅固な防衛ラインをですね」
「敷けばな」
 それでというのだ。
「敵はだ」
「攻める気を失いますね」
「見るだけでな」
「そしてそれが最大の国防ですね」
「私はそう思う、連合軍を基本大いに見せていることもな」
 このこともというのだ。
「そのうちだしな」
「国防のですね」
「そういうことだ、それでだが」
「それでといいますと」
「アタチュルク要塞群はエウロパへの備えだが」
「マラッカ回廊、ガンタース要塞群と並んで」
「その一つだがどうもエウロパ軍はな」
 備えの対象である彼等はというと。 
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