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第百二十七話 お金の価値その一

                第百二十七話  お金の価値
 富美子は借りもの競争に出た、そして借りるものを借りてゴールしてからこんなことを言ったのだった。
「いや、すぐに借りられて」
「よかったわね」
「ええ」
 隣のクラスのカンボジアから来た娘に話した。
「本当にね」
「あんたマイクだったわね」
「だから放送してるテントに行ってよ」
 そうしてというのだ。
「借りたのよ」
「そのマイクをね」
「たまにね」
 富美子は嫌そうに話した。
「何それっていう」
「洒落にならない借りものあるわよね」
「そうでしょ」
「ええ」
 タイの娘もその通りだと答えた。
「たまにね」
「だからね」
「今回マイクで」
「すぐに手に入るものだったから」
 それでというのだ。
「運がよかったわ」
「そうよね、私もね」
「あんたは襷だったわね」
「応援団のね」
「だからそっちに行って」
「応援団の方にね」 
 こう言うのだった。
「借りたわ」
「そうだったわね」
「勿論返すわよ」
 カンボジアの娘は笑って話した。
「そうしたものはね」
「そうするわね」
「お金でもね」
「ああ、お金はね」
 富美子はこのジョークに笑って応えた。
「絶対にね」
「返さないと駄目よね」
「そうよね」
「間違ってもヤミ金からは借りないで」 
 そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「借りたら返す」
「そうよ、ただね」
「ただ?」
「ヤミ金って借りる人いるのね」
「それしかないか」
 若しくはとだ、富美子は話した。
「しょうもない理由でね」
「借りるのね」
「ヤミ金に借りる人って結構ね」
「碌でもない人いるのよね」
「社会的に信用がないから」
 そうした輩だからだというのだ。
「もうね」
「そうしたところからしかね」
 それこそというのだ。
「借りられなくなって」
「後はわかるわね」
「地獄ね」
「借金地獄よ」
 富美子は真顔で言った。
「ヤミ金に手を出したら」
「漫画みたいな」
「ええ、その漫画でもあるでしょ」
 ヤミ金を描いた漫画でもというのだ。
「ヤミ金何とか君も何とかの帝王も」
「どっちも酷い人出るわね」
「そういうとこも問題だけれど」
 それと共にというのだ。 
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