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ハッピークローバー

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第百二十六話 複雑な立場その十

「もうね」
「炭鉱になると」
「ほら、あそこって」
 富美子はさらに話した。
「元々肉体労働は」
「ああ、駄目とかね」
「立場の悪いね」
 そうしたというのだ。
「人がするものって」
「思ってるわね」
 これは朝鮮朱子学というものの影響らしい、偏った学問だけを貴び知識人以外は蔑むという思想である。
「それはね」
「あちらの子言うしね」
「それで北朝鮮も」
 この国もというのだ。
「共産主義って言っても」
「その考えが残っていて」
「将軍様が頂点で」
 一華はそれでと言った。
「お勉強している人が、いや」
「軍隊でしょ」 
 理虹が言ってきた。
「あそこが」
「そうなるわね」
「先軍政治だから」
 そうした国家だからだというのだ。
「それでね」
「お役人が、じゃなくて」
「軍人さんが偉くて」
 独裁者の次にというのだ。
「その軍人さんもね」
「食べられない国ね」
「そういうことでしょ」
「とことん駄目な国ね、そんな国にいたら」
 一華は心から言った。
「嫌過ぎるわね」
「絶対に住みたくないわね」
「ええ」
 理虹に心から答えた。
「あそこだけはね」
「アフリカもね」
「あんまりな国あるけれどね」
 国家が独立してハッピーエンドではなく問題はそれからである、アフリカ諸国はその教訓を残したと言えるだろうか。
「それでもね」
「そのアフリカ並か」
「それ以上にね」
「あそこはね」
「駄目よね」
 一華は言った。
「本当に」
「もう希望なんてね」
「何処にもなくて」
「アフリカじゃクーデターなんて」
「しょっちゅうよね」
「よくも悪くも」 
 そうした定義は抜きにしてというのだ。
「起こって」
「政府変わるわね」
「洒落にならない独裁者が出ても」
 ウガンダのアミンや中央アフリカのボサカが当てはまるであろうか。
「それでもね」
「すぐにね」
「クーデターが起こって」
 そうなってというのだ。
「それで」
「独裁者がいなくなるわね」
 一華は言った。 
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