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ハッピークローバー

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第百二十六話 複雑な立場その七

「健闘が大事よね」
「プロの世界だってね」
 結果が求められるこの世界でもというのだ。
「スポーツマンシップを守らないと」
「駄目だしね」
「オリンピックとかでもね」
「やっぱり勝ってこそだけれど」
「それでもね」
「スポーツマンシップを守らないと」
 さもないと、というのだ。
「本当にね」
「駄目だしね」
「全力を出して」
「スポーツマンシップを守る」
「それこそが大事よ」
「その通りね」
 二人でまさにと話した、そこにだった。
 富美子も話に入って来てだ、こんなことを言った。
「負けたら兵役とか炭鉱送りとか」
「後ろのあれよね」
 一華は富美子の今の話を聞いて冷めた顔になってこう言った。
「北朝鮮よね」
「ええ、兵役はね」
「お隣さんね」
「うちの学校もお隣さんの国の人いるけれど」
「あそこ兵役あってね」
「その兵役がね」
 その国の国民の義務がというのだ。
「随分ね」
「嫌がられてるのよね」
「日本にもあったけれど」
 富美子は戦前の話をした。
「実は普段はね」
「そんなに兵役に就いた人いなかったのよね」
「それこそクラスに一人か二人」
「そんな割合だったみたいね」
「身体検査が厳しくて」
 甲乙丙丁の四段階で一番上の甲でないと不合格であったのだ。
「しかも品行方正じゃないとね」
「駄目だったから」
「もうね」
 それこそという口調で言った。
「中々ね」
「合格出来なかったのよね」
「それがね」
 その状況がというのだ。
「あっちじゃね」
「簡単に合格して」
「その後はね」
「何か環境が酷くて」
「大変みたいだから」
「あの国の男の子皆嫌がってるわね」
 兵役に就くことをだ。
「結構色々な国にあるけれど」
「フランスだってあるしね」
「そうなのよね」 
 一華はまさにと答えた。
「イタリアでもスウェーデンでもね」
「スイスなんてね」
 富美子はこの国の話もした。
「もうね」
「国民皆兵よね」
「そうよね」
「あそこはね」 
 一華もスイスについて言った。 
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