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ハッピークローバー

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第百二十六話 複雑な立場その六

「生徒を教えて」
「それでよね」
「そんな奴がずっと学校にいるから」
 一般社会ならば懲戒免職になる様な行為を平然と人前で行ってもだ、腐敗はその個人が行うだけではまだいい。だがその腐敗を見て誰も何もしようとしなくなれば腐敗は何処までも酷くなってしまうものだ。
「悪くなって」
「今があるのよね」
「日本の教育ってね」
「いい鉄は釘にならなくて」
 一華はこうも言った。
「いい人はね」
「学校の先生にならない」
「そうもね」
 その様にもというのだ。
「日本じゃ言われてるしね」
「それでその通りだしね」
「スポーツマンシップがなくて」
「もう勝利至上主義」
「負ければ何かさせて自分はしない」
「そんな奴反面教師でしかないわ」
「本当にね」
 こう二人で話した、そうした話をしてだった。
 一華は自分が出る競技にも出た、だがそれが終わってからクラスの場所に戻って苦い顔で言ったのだった。
「いや、あと少しでね」
「一位だったわね」
「速かったわ」
 一位になった娘はというのだ。
「本当にね」
「あの娘バスケ部よね」
「あの黒人の娘はね」
 隣の場所にいる理虹に話した。
「そうよ」
「タンザニア生まれよね」
「そう、あそこ生まれでね」
 それでというのだ。
「ずっとね」
「バスケやってるのね」
「運動神経いいわ」
「一華も頑張ったけれど」
「敵わなかったわ」
「そうだったわね、けれどね」
 それでもとだ、理虹は一華に微笑んで話した。
「全力で走ったでしょ」
「ええ」
 一華はその通りだと答えた。
「そうしたわ」
「スポーツマンシップを守って」
「変なことしてなかったでしょ」
「全くね」
 理虹は太鼓判を押して言った。
「本当にね」
「だったらいいわね」
「さっき二人でお話した通りにね」
 まさにというのだ。
「全力を出しきって」
「スポーツマンシップを守ったら」
「そうしたらね」
 それならというのだ。
「もうね」
「それでいいわね」
「確かに一位になれば最高だけれど」
 それでもというのだ。 
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