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星河の覇皇

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第八十六部第二章 教育改革その五十三

「エウロパの様に中央政府の力が強く」
「統制色は強くないですね」
 キャスターも言ってきた。
「言われてみますと」
「そこに大きな違いがあります」
 連合とエウロパにはというのだ。
「どうしても」
「その国家としての違いがあって」
「あの教育改革は国家の発展に貢献する人材を育成するものです」
「個人の能力を高めてその人生を幸せにするのではなく」
「国家の発展の為のものです」
「いえ、それは教育として間違っています」
 教授はここまで話を聞いてこう言った。
「どうにも」
「教育は個人の幸せの為ですね」
「教養や技術はその為にあります」
 教授も言った。
「個人が優れた能力で幸せになれば」
「満ち足りた生活を送れます」
「その市民で国家が構成されれば」
「国家も発展しますね」
「はい、国家に貢献する人材を育成しなくても」
 それでもというのだ。
「市民、私達が幸せな人生を送れれば」
「それでいいですね」
「それが教育です」
 こう議員に答えた。
「まさに」
「ですから」
「エウロパの教育改革はですね」
「連合には」
 どうしてもというのだ。
「合わないです」
「そうなりますか、どうも私は」 
 教授は議員の言葉を聞いて言った。
「認識違いをしていました」
「そのことを認められますか」
「はい、エウロパはエウロパです」
「国家が違いますね」
「あの様な中央政府が統制している国は」
 嫌悪感も浮かべて話した。
「連合にはありません」
「あれはもう全体主義国家ですよ」
 この言葉は中年の金髪の女が言った、野党の議員である。
「民主主義と言っていますが」
「それがですね」
「何処が民主主義か」
 野党の議員は教授に述べた。
「私は違うと思います」
「もう全てを中央政府が決めますし」
「あの様な国家はです」
 到底というのだ。
「民需主義ではない」
「だからですね」
「連合とは全く違います」
 民主主義国家である自分達とはというのだ。
「ですから」
「それで、ですね」
「あの教育については私もです」
「連合には入れられない」
「エウロパのものです」
「そうですか、では私はあらためてです」
 教授はここまで話して強い声で言った。
「これからはです」
「連合の中で、ですね」
「はい」 
 まさにというのだ。
「考えていきます、世間知らずでした」
「えっ、そう言われますか」
 キャスターは教授の今の言葉に驚いて言った。 
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