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星河の覇皇

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第八十六部第二章 教育改革その四十四

「こうなるな」
「いいサンプルだよ、しかしな」
「しかし?どうした?」
「いや、エウロパまずくないか」
 大学生は友人に言った。
「どんどん強くなっていってるな」
「ああ、あいつが総統になってからな」
 友人もその通りだと返した。
「ギルフォードの奴がな」
「あいつ何とかならないかな」
「俺もそう思うぜ、あのままあいつが好き勝手やったらな」
 これは連合から見た場合である。
「もうな」
「エウロパどんどん強くなるな」
「そうなってな」
 それでというのだ。
「とんでもない国になるな」
「今以上に強い国になるな」
「俺あの戦争でエウロパ負けてあの国は当分立ち直れないって思ったよ」
「俺もだよ」
 大学生もそうだと返す。
「もうな」
「そうだったよな」
「徹底的に叩きのめして賠償金もがっぽり取ったしな」
「領土も奪ってな」
「そうしてやったからな」
 エウロパ戦役の時のことを話した。
「もうな」
「当分立ち直れないって思ったらな」
「それがあいつが出て来てな」
「あの戦争から復興して」
「そしてな」 
 そのうえでというのだ。
「今ああしてどんどん強くなるとかな」
「予想外だったな」
「そうなるとかな」
 大学生はさらに忌々し気に話した。
「想像もしなかったな」
「本当に嫌な奴が出たな」
「この人も言ってるな」
 スマホの動画に出ているその世間知らずの大学教授もだった。
「あいつのことをな」
「極悪人って言ったな、今」
「ああ、野心に燃える独裁者とかな」
「その通りのこと言ってるな」
「そうした奴だからな」
 ギルフォードはというのだ。
「だからな」
「早くか」
「死んでくれないかってな」
「思うよな」
「呪わないけれどな」
 大学生はそれはしないと言った。
「絶対にな」
「それはしないか」
「ああ、だってな」
「だってっていうと」
「人を呪わば穴二つっていうだろ」 
 だからだというのだ。
「それでだよ」
「人を呪うと自分にも返ってくるか」
「呪いって邪法だからな」
「それはそうだな」
「だからな」
「それでしないんだな」
「ああ」
 大学生は友人に話した。 
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