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神々の塔

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第六十五話 塔の空気その五

「そのうえでな」
「こうした階もある」
「それがな」
「おもろいか、確かに同じ様な階やと飽きるな」 
 施もそうした状況ならと頷いた。
「嫌になるわ」
「そやな」
「そう思うとな」
「色々な階があるとその分ええな」
「ああ、進む方もな」
「この塔は神霊さん達が造ってるが」
 そうであるがとだ、中里は話した。
「それぞれの神霊さんでな」
「趣向を凝らしてな」
「中には暗闇だけの階もあったわ」
 そうした階もというのだ。
「何もなくてな」
「真っ暗闇でな」
「灯りを付けても見える範囲は僅かの」
「あと真っ暗闇で混沌とした階もあったな」 
 施はこうした階の話もした。
「やはり何もない」
「ラグクラフトの神々が造った階やったな」
「それで出て来る敵もな」 
 獣やモンスターそして神霊の下僕達もというのだ、そうした階でも当然ながら敵がいて襲い掛かって来るのだ。
「そっちの勢力が多かったな」
「そやったな」
「そうした色々な階があって」
「何万もある」
 中里は言った。
「考えてみたら凄い塔やな」
「まさに神の御業やな」
「この塔ってバベルの塔に似てるけど」
 綾乃は考える顔で述べた。
「うちが思うに」
「ああ、似てるな」
 中里は綾乃のその言葉に頷いた。
「僕もそれは思ってたわ」
「そやね」
「というか誰もがな」
 それこそというのだ。
「思うことやな」
「この塔がバベルの塔に似てるって」
「バベルの塔は人間が造ってな」
「神様の世界、天界に行こうとして」
「それで神の怒りを買ってな」
 そうしてというのだ。
「壊されたわ」
「聖書にあるね」
「そこで言葉もそれぞれ通じん様になった」
「そう言われてるね」
「その逆でな」
「この塔は神霊さん達が造って」
「天界に至るんや」
 そうなるというのだ。
「神霊さん達の世界にな」
「バベルの塔は至ろうとして造られて」
「この塔は至る為に造られてる」
「そこもちゃうね」
「そして踏破して展開に至ることをな」
「神霊さん達は望んでるね」
「そこに至ることを傲慢と思わずな」
 人のそれのとだ、そしてこの塔がタロットカードで正でも逆でもタロットの中で最悪の意味を持つカードになっているのだ。
「至ってな」
「力を備えることを期待してるね」
「そや」
 まさにというのだ。 
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