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星河の覇皇

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第八十六部第二章 教育改革その三十八

「この教えはな、だが本物の邪教はな」
「世を乱し惑わし」
「人を殺め」
「おかしな教義も掲げ」
「勢力を拡大せんとしますね」
「それは教えを広めるのではなく」
 宗教団体の当然の行動ではある、だからどの宗教も宗派も布教には熱心でよく活動しているのである。
「利用出来る者を増やし」
「そして世を騒がせんとする」
「若しくは乗っ取りにかかる」
「そうしてきますね」
「そうだ、そしてよく見れば碌でもない教義だ」
 邪教のそれはというのだ。
「今言うキリスト教でもそうした宗派があるな」
「今もですね」
「昔もありましたが」
「そうですね」
「人民寺院等な」
 ガラサは二十世紀のアメリカに存在したこの宗派の名前を出した。
「何処かおかしかったな」
「キリスト教ではありますが」
「異端と言ってよかったですね」
「異端という言葉の定義も難しいですが」
「そうでしたね」
「そうだった、異端はかつてはバチカンが一方的に言い」 
 例えば南フランスのカタリ派に対してそう宣言した。
「十字軍を送ったり等してだ」
「徹底的に弾圧しましたね」
「かつては」
「左様でしたね」
「今はバチカンも異端と言ってもだ」
 それでもというのだ。
「そう言って破門するだけだ」
「今バチカンに破門されても」
「それでもですね」
「これといってですね」
「効果はないですね」
「カトリックからそうされるだけでな」
 カトリック信者にとっては困ることでもというのだ。
「最初から独自の宗派でいるつもりなら」
「何ということはないですね」
「これといって」
「そうなりますね」
「だから問題はない、だが本物の異端はな」
 ガラサはここでは異端を邪教と同じものとしてそのうえで話していった、その口調は真剣なものだった。
「違う、どう見てもキリスト教の定義から離れていてだ」
「よからぬ目的がある」
「金銭等を求め」
「権力を求める」
「世も乱さんとしますね」
「そうだ、おかしな教理を掲げてな。しかしだ」
 それでもと言うのだった。
「それもだ」
「わかりますね」
「よく見れば」
「そして見破ればですね」
「その時はですね」
「犯罪を突き止めることだ」
 詐欺なりそれなりをというのだ。
「そして倒すことだ、兎角対立はな」
「避けるべきですね」
「連合の中では」
「お互いに利益を共有する」
「それが第一ですね」
「そうだ、只でさえ衝突の多い国だ」
 連合の宿痾についても話した。 
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