| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第八十六部第二章 教育改革その三十三

「産業が興り識字率も上がり」
「非常にいい統治でした」
「当時の日本の統治はかなり良心的だったかと」
「台湾でもそうでしたし」
「だから逆恨みでだ」
 それでというのだ。
「しかも千二百年も昔だ」
「それだけ昔のことなら」
「それならばですね」
「恨んでもです」
「逆恨みで極端ですね」
「左様ですね」
「その通りだ、だがそうした事情があってもだ」 
 それでもというのだ。
「やはりな」
「恨みは買わないことですね」
「どんな国が相手でも」
「それに尽きますね」
「それも国益ですね」
「そうだ、だから相手国にもな」
 その国にもというのだ。
「利益を供与してだ」
「それを共有という形にして」
「そうしてですね」
「お互いに利益を得て」
「恨みを買わないことですね」
「国益は長期的に求めるものだ」
 求めることは当然にしてもというのだ。
「やはりな」
「だからですね」
「こちらはものを売り」
「相手にもですね」
「その国のものを買ったりして」
「そうして利益をもたらしますね」
「そしてお互いとなる、国益は考えて得るものだ」
 短期的ではなくというのだ。
「目先だけのそれを求めるなぞだ」
「失格ですね」
「それならば」
「先の先まで見て得る」
「そうでないと駄目ですね」
「そういうことだ、アメリカや中国はよくそれで失敗するがな」
 六大国の中でも特に強いこの二国はというのだ。
「彼等は常に国益を得ることに熱心だが」
「貪欲ですらありますね」
「あくまで国益を求めようとします」
「そうして動いていますね」
「しかしそれは貪欲なあまりだ」
 その為にというのだ。
「目先のそれを追い求めるものになってだ」
「それで、ですね」
「相手国の恨みを買う」
「自国だけとなり」
「そうなっていますね」
「自国第一は当然だが」
 それでもというのだ。
「やはりな」
「相手にも利益をもたらすことですね」
「相手あってのことですし」
「それならば」
「そういうことだ、こちらが六分の利益を得たら」
 それならというのだ。
「相手も六分のな」
「利益を得る」
「その様にしますね」
「相手も同じだけ」
「その様に」
「政治は十に分けても十とは限らない」
 数学というよりかは算数ではないというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧