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神々の塔

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第六十四話 終わらないものはないその四

「後で後悔することばかりだけれどな」
「あの、感情を抑えることは」
 シェリルがどうかという顔で尋ねた。
「そういうのは」
「そんなのわかるだろ」
「ないですね」
「わし等にはな」
「やっぱりそうですね」
「我慢しないでな」
 それでというのだ。
「動くんだよ」
「そうですね」
「それがギリシア神話だよ」 
「それでそうしたことも」
「感情の赴くままだよ」
 その為にというのだ。
「動くんだ、しかしお前さん達は真面目だな」
「いや、こちらの世界の人も同じだ」
 こう言ったのはペルセウスだった、雄々しく男性的なヘラクレスと比べるとかなり優男の外見である。
「やはり秩序がありな」
「法があるか」
「そして理性がな」
「それでか」
「私達の様にはしない」
 感情的な行動は取らないというのだ。
「あまりな」
「ううむ、面白くないな」
「私達が奔放過ぎるということだな」
「特にわしはか」
「そうなるな、まあそうしたことは秩序や法や理性の中でな」
 そうしたものでコントロールされてというのだ。
「進めていくことだ、だから私達はだ」
「見守ることか」
「この者達のそうしたこともな」
「そうか」
「そうだ、むしろ騎士団の方にな」
「面白い男がいるな」
「ああ、あの子ね」
 アレンカールは神霊達の話を聞いて頷いて言った。
「あの子は起きた世界でももてるから」
「それでだな」
「こっちの世界やと凄いんですよね」
「うむ、それこそな」
 ヘラクレスは笑って話した。
「毎晩ハーレムでな」
「そうみたいですね」
「様々な種族の美女達とだ」
「楽しんでいて」
「見所があるな」
「見所がありますか」
「そうした者もいなければな」
 それこそというのだ。
「面白くない、お前さん達の勢力では皆お前さん達みたいか」
「健全な高校生ばかりです」
 アレンカールは正直に答えた。
「ほんまに」
「経験すらないか」
「キスとかもです」
「面白くないのう」
 ヘラクレスは嘆息して言った。
「実に」
「そやから起きた世界やとです」
「十八ではか」
「普通はまだまだです」
「子供はいないか」
「一人も」
「キスすらなくて」
 そうであってというのだ。 
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