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神々の塔

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第六十四話 終わらないものはないその三

「あまり」
「しないんだな」
「うち等起きた世界やとまだ高校生なんで」
「十八だろ、そうだとな」 
 ヘラクレスはその年齢になればと返した。
「子供の一人や二人な」
「おるんですか」
「こっちの神話だとな」 
 ギリシア神話ならというのだ。
「普通だぞ」
「十八で子供おっても」
「もうムラッてきたらな」
 そうなればというのだ。
「即座にがな」
「ああ、ギリシア神話ですね」 
 芥川が憮然として応えた。
「神様も人も」
「男も女もな」
「そうした感情になればですね」
「迷わずな」 
 そうしてというのだ。
「即座にだよ」
「そういうことしますね」
「それがこっちの神話だよ」
「そうですね」
 芥川もそれはと応えた。
「読んでると」
「それでだよ」
「十八になるとですか」
「もうな」
「子供の一人や二人ですか」
「何なら十三でな」
 この歳でというのだ。
「いてもな」
「ええんですか」
「そうだろ」
「そうやないです」
 芥川は憮然として即答した。
「僕等が起きた世界やと」
「じゃあ全員か」
「それは」
 ここでだ、芥川は。
 仲間達を見回した、するとだった。
 全員が視線を逸らしたり俯いたりバツの悪い顔になった。かく言う芥川もそうした顔になっている。それが全てだった。
「そうですね」
「面白くないな、わしなんてな」
 ヘラクレスは自分のことを話した。
「百人は子供いるぞ」
「神話でそうありますね」
「ああ、トータルでな」
「それは凄いですね」
「もっといるな」
 百人以上というのだ。
「今も神界でな」
「色々ですか」
「お姉ちゃんにお兄ちゃん達とな」
「遊んでますか」
「そうさ、ギリシアの神霊はな」
 その彼等はというのだ。
「我慢しないからな」
「本能、勘定の赴くままですね」
「動いてな」
「お子さんもですね」
「多いんだよ」
「誰もがそうですね」
「まあアテナ様やヘスティア様やアルテミス様はな」
 こうした女神達はというのだ。
「別にな」
「そんなことはせえへんで」
「静かだな、ただアルテミス様はかっとしてな」 
 即ち短気でというのだ。 
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