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豊臣秀吉が異世界で無双系姫騎士やるってよ

作者:モッチー7
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第1話:不足尽くしの強国

 
前書き
前回のあらすじ

太閤豊臣秀吉は跡取り息子である秀頼の誕生を大いに喜んだ。
しかし!
この時秀吉は既に58歳。
秀頼が立派に元服する姿を見届けるにはあまりにも遅過ぎた……
そこで、秀吉は優秀な家臣の中から五大老や五奉行を選抜し、秀頼と豊臣家の今後を託して息を引き取った……
享年62歳……

へべく…… 

 
ん?……
ワシの目が開く?
何故開く?
ワシは死んだ筈では……
それに……ここはどこじゃ?
天井も……何じゃこの柵は?
牢の割には上ががら空き―――
……
何じゃこれは!?
これがワシの手!?
まるで赤子ではないか!?
ワシは何時の間にこんなに手が縮んだんだ!?
それに……足が上手く動かせん!
何かの束縛を受けていないのに足が動かんとは……
まさか……足も縮んだのか!?
そうじゃ!起き上がる事ぐらいは出来る筈じゃ!
……あれ?……
頭が異様に重いぞ?……
まるで横になって寝る事しか出来ない赤子になったみた……
……はっ!
無い無い!それは無い!
その様な妖術が在るなら既に他の誰かが使っておるわ!
あーははははははははは!
……
そんな冗談を言ってる場合じゃないぞ。
この様な手足でどうやって動けと言うのじゃ?
む?
誰か来た?
「産まれたか?」
「はい。もうお抱きなっても大丈夫です」
う……
産まれたぁー!?
ちょっと待て!
ワシは本当に赤子に戻ってしまったと言うのか!?
そんな馬鹿な!何かの間違いじゃ!その様な異様な妖術がこの世に在る筈が!
それに、ワシを持ち上げようとしている者の姿、どう視ても南蛮人か紅毛人だぞ!
「して、我が子の性別は?」
「姫君にございます」
「娘か」
姫君ぃー!?娘ぇー!?
ワシは男だぞ!
こやつら何処に目を付けておるのじゃ!
「で、陛下、お名前は?」
「名か……」
ワシは秀吉じゃ!関白・大政大臣の!
信長様の許で働き、必死に戦果を稼いで、必死に登り詰め、太閤として死んだ!
つまり、このワシがこんな所で赤子となって女子となって……何を言っておるのじゃワシはぁーーーーー!?
「……オラウ・タ……今日からこの者をオラウ・タ・ムソーウと呼ぼうぞ」
何で……
どうしてこうなったあぁーーーーー!

どう言う原理なのか……
かつて豊臣秀吉だった私は、ムソーウ王国第三王女『オラウ・タ・ムソーウ』に産まれ変わった……様です……
……本当に……どう言う原理……
ま、私をあのままにしていたら、間違いなく病に殺されていたので、まぁ儲けもんと考えてオラウとして生きていこう……
……と思ったのですが……
このムソーウ王国の軍隊……何か変です。
私が聴いた話だと、このムソーウ王国は常勝無敗の無敵の強国……だ、そうですが……
豊臣秀吉(わたし)が視た限りだと、祖国(このくに)は常勝軍団が常備するべきモノが1つも無いとしか言えません!
なのに祖国(このくに)が常勝軍団を維持し続ける事が出来るのは、階級が部将以上の将校全員が……まるで作り話に出てくる一騎当千の様に強過ぎるからだ!
どうやら、祖国(このくに)の軍隊の階級は対象者に鬼の様な強さを求めておる様で、例え貴族や大臣、王族関係者であろうと定められた強さを下回った時点で例外無く部将未満に降格させられる決まりです。
それが……祖国(このくに)の戦略や戦術を真っ直ぐで幼稚な御粗末な体たらくに変えてしまった……様です。
ま、1人で数十人の敵を何度も木の葉の様に吹き飛ばせる化物が大勢いると、かなり油断したらそうなりますわな……
が、これがヤバい!
こんな獣の様な大昔な戦い方を続けていたら、豊臣秀吉(わたし)祖国(このくに)に来るまでに見たり聞いたりした戦上手の思う壺だ!
間違い無く!
幸い、私にはまだ前世である豊臣秀吉の記憶や知識が有る!
これを活かせば、いずれは祖国(このくに)の戦略や戦術は徐々に改善する!……筈……多分……きっと……
と言うか……豊臣秀吉の記憶を祖国(このくに)の戦術に吸収させる為には、この私が部将以上の将校になって部隊を率いないと!
……私はまた覚える事が増えてしまった……
礼儀作法、語学、音楽、乗馬、ダンス、歴史、文学、芸術……
ただでさえ覚える事が星の数程あるのに……

私は14歳になった。
そして……私の太刀筋を弓矢や鉄砲の弾の様に飛ばせる様になりました。
祖国(このくに)にとっては一般的な戦技の1つに過ぎない様ですが、豊臣秀吉(わたし)がかつて居た世界では、これが出来た時点で奇跡です。
「姫様、大分お強く成られましたな?ご立派です」
教官がお世辞を言い、訓練生が拍手で私を迎えた。
と言っても、これで漸くスタートライン……祖国(このくに)で部将以上の地位を確保するのに10年近く掛かってしまった……
不幸中の幸いなのが、この間に祖国(このくに)を襲う敵がいなかった事。
いや……恐らくはいたと思うが、そいつらの戦術が祖国(このくに)と大して変わらないので、祖国(このくに)のお得意である直接戦闘に持ち込まれてあっさり撃破された可能性が高い。
豊臣秀吉(わたし)にとってはそれが致命的にヤバい!
つまり……どいつもこいつも戦術のイロハを知らぬ馬鹿ばかりと言う事だ!?
もしこの状態で戦上手な敵に襲われたら、祖国(このくに)はひとたまりもないぞ!
そして……
……その危惧が現実になりつつあった。
「亡命!?マッホーウ法国の王家が我が国にだと!?」
どうやら、弱小小国にすぎなかったエイジオブ帝国が何故か急に無謀な大規模侵略を開始したと言うのだ。
このエイジオブ帝国、勝率はそんなに高くない筈なのだけど、何故か最後はエイジオブ帝国に有能な戦士を皆殺しにされ領土を奪い尽くされて終わってしまうそうです。
……知りたい!
エイジオブ帝国がどうやってマッホーウ法国に勝利したのか!
「御父様!その亡命して来た者達とお話したいのですが―――」
「聞いてどうする?」
え?
「どうするって、それはエイジオブ帝国の必勝の秘密を―――」
「聞いてどうする?」
え……質問の意味が解りかねますが……
「確かにマッホーウ法国は我が国が誇る戦技に勝るとも劣らない魔法を多く修得している。それが戦技や魔法に乏しい弱小のエイジオブ帝国如きにと言いうのが不思議に思うのは解る」
「解るのならなおの事―――」
「だが!我々にはこのムソーウ王国を支えた数々の戦技が有る!あんな弱小小国如きに敗けはせんわぁー!」
「おーーーーー!」
私の父親が強気な勝利宣言に一同が強気な怒号を叫ぶが……この状況のヤバさに気付いている人……何人いるの!?
敗北者の所業の逆を行うは戦術の基本中の基本……それが出来ないのって相当ヤバいんですけど!
本当に祖国(このくに)は戦術のイロハを知らな過ぎる!
急がねば……早く豊臣秀吉の記憶や知識を祖国(このくに)の戦術に吸収させなきゃ……間違いなく祖国(このくに)はエイジオブ帝国に敗けるぞ! 
 

 
後書き
オラウ・タ・ムソーウ

年齢:14歳
性別:女性
身長:147cm
体重:42.2㎏
体型:B84/W55/H81
胸囲:E65
職業:王女
武器:後期型パルチザン風ショートソード
戦技:光刃、一閃、剣の舞
趣味:日記、女遊び、ティータイム
好物:美女、美少女
嫌物:幼稚過ぎる戦術、醜男
特技:戦略、戦術、豪遊、人たらし
前世:豊臣秀吉

ムソーウ王国第三王女として異世界転生した豊臣秀吉。
ムソーウ王国の王女としての教養を身につける一方、ムソーウ王国の将校必須である驚異的で一騎当千な戦闘力も身につけており、剣から衝撃波を飛ばすなどの戦技を習得している。
直接戦闘の方は文字通りの一騎当千だが戦略や戦術は幼稚過ぎるムソーウ王国の真っ直ぐ過ぎる戦い方に悪戦苦闘しながら、豊臣秀吉の記憶と知識を頼りに謎の弱小小国エイジオブ帝国の野望を打ち砕くべく戦い続ける。
イメージモデルはミルヒオーレ・F・ビスコッティ【DOG DAYS】とミーア・ルーナ・ティアムーン【ティアムーン帝国物語】。 
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