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八条学園騒動記

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第七百四十四話 シナゴーグその二

「そう言う人もいるのよ」
「それだとね」
 今度はウェンディが言った。
「心霊スポットにも」
「言われてるわよ」
「やっぱりそうなのね」
「そんな噂が立つ位ね」
 今自分達が前に見ているシナゴーグはというのだ。
「誰も知らないね」
「そうした場所なのね」
「そうなのよ」
 こう話すのだった。
「この学園の中でもね」
「ううん、それだけ学園の中にユダヤ教の人が少ない」
「そういうことかしら」
「そうなのよ、ユダヤ系って連合各国にいて」
 クラスで二人に話した通りにというのだ、事実連合全体にユダヤ系はいてそして要地を占める様にして暮らしている。
「知識人と科財界人とか」
「芸能界とか動画配信者とか」
「そういうのに多いわね」
「けれど数自体はね」
 それはというのだ。
「本当にね」
「少ないね」
「そうよね」
「まあいざとなったら」
 こうもだ、アンは言った。
「お金とマスコミやネットの影響力あるから」
「乗り切る」
「そっちの力技で」
「そうしているけれどね」
 二人にこのことも話した。
「まあお家芸かしらね」
「イスラエルの」
「そしてユダヤ系の」
「だからね」
 それでというのだ。
「やっていってるけれど」
「数は少ないね」
「ユダヤ系の人達は」
「そうなのよ、だからこの学園でも」
「ユダヤ系の人少なくて」
「このシナゴーグも知ってる人少ないのね」
「そう、知っていて」
 その存在をというのだ。
「積極的に通うのはね」
「ユダヤ教徒の人だけで」
「他の人達は通わない」
「僕達も知らなかったしね」
「この学園にかれこれ十年以上いてもね」
 二人もお互いで話した。
「そんな風だし」
「他の人は知らないのも当然だね」
「そうでしょ、これが教会とかモスクだとね」
 キリスト教とイスラム教の宗教施設ならというのだ。
「人多いでしょ」
「そうそう、どっちも学園の中にあるけれど」
「キリスト教はカトリック、プロテスタント、正教でね」
「モスクだっていつもね」
「人が多いわ」
「信者さんの数が違うから」
 それでというのだ。
「皆その場所も知っていて」
「行き来もする」
「それで人も多いわね」
「そうなのよ、ただ少なくても」
 その数がとだ、アンは言った。
「私達はね」
「気にしないわね」
 ウェンディが言ってきた。 
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