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星河の覇皇

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第八十六部第二章 教育改革その六

「臣民だな」
「主権は皇帝にあり」
「そして市民ではなくな」
「皇帝の臣下となるからですね」
「臣民となるのだ」
「あくまで主権は皇帝にあるのですね」
「そうした国家になる、ならな」
 それならというのだ。
「どうしてもだ」
「民主主義でもですね」
「連合のそれとはかなり違う」
「そうした国になりますね」
「そうだ、そうした国になることもな」
「考慮すべきですね」
「主権は市民にある」
 上司は強い声で話した。
「それはどうしてもな」
「連合では当然のことですね」
「そこが変わるとだ」
 主権在民でなくなると、というのだ。
「それだけでだ」
「連合ではおかしいとなりますね」
「主権者は我々だ、つまりだ」
「市民ですね」
「四兆の人間全てがだ」
 それこそというのだ。
「市民だ、君主の方々はおられてもな」
「あくまで国家元首、象徴であられ」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「やはり政治等はな」
「市民が行っていますね」
「そうなっている、エウロパは貴族が存在し」
「貴族が主に統治していますね」
「そうした国でだ」
「そしてサハラは」
「皇帝主権の国家となる」 
 このことがほぼ決まっているというのだ。
「そうした違いはある、そしてだ」
「そうした違いも考慮してですね」
「教育は考えるべきだ」
「そういうことですね」
「ギルフォード総統が出した教育制度改革はあくまでエウロパに合ったものだ」
「連合に合ったものではない」
「そこはわかるべきだ、わかっていないとだ」
 それこそというのだ。
「失敗する」
「敵とは言え是非にという知識人もいますが」
「知識人か」
 上司は知識人と聞いてこう言った。
「いい知識人もいるがな」
「そうでない知識人もいる」
「ただ知識人というだけではだ」
 それこそというのだ。
「中身はわからない」
「その知識人の」
「そうだ、知識人といっても質の悪い者もいるな」
「左様ですね」
「中にはおかしな知識人もいる」
「何もわかっていないで知ったかぶりを言うだけの」
「それでも通じるのがだ」
 それがというのだ。
「知識人でもあるな」
「確かに」
 部下も知っていることだった、知識人といっても確かな学識と識見そして常識を持っているとは限らないのだ。 
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