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盲目の猫と素敵な飼い主

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第二章

 その子猫はホーグの家族となった。ダークグレーと白の八割れの雄で名前はベニーとなった。そのベニーは。
「ニャア」
「ニャア」
「すっかり仲よしだね」
「ええ、いつもね」
 ホーグは自宅に来てベニーの様子を見に来た獣医に話した、見れば彼はパーキンスととても仲良く遊んでいる。
「パーキンスの後をついて行くのよ」
「懐いているんだね」
「私と主人にもそうよ」
 自分達にもというのだ。
「懐いて甘えん坊でね」
「それでなんだ」
「やんちゃで遊び好きで」
 見ればとても活発に動いて遊んでいる。
「元気よ。目が見えないなんてね」
「確かに思えないね」 
 獣医が見てもだった。
「とても」
「ええ、私も脊椎の手術が終わって」
「まだ痛むね」
「けれどね」
 そうした状況だがというのだ。
「ベニーに元気付けられているわ」
「それは何よりだね」
「それで職場にも連れて行ってるけれど」
「そこでも元気だね」
「ええ、その元気さにね」 
 ベニーのというのだ。
「本当にね」
「君もだね」
「元気付けられていて」
「頑張っているんだね」
「よく来てくれたわ」
 ホーグは満面の笑顔で語った。
「うちに。ベニーは素敵な猫よ」
「そして君もだよ」 
 獣医は満面の笑顔で語る彼女に言った。
「素敵だよ」
「そうかしら」
「そのベニーを救ったね。素敵な猫は」
 ベニーはというのだ。
「素敵な飼い主に出会えたんだよ」
「そうなるのね」
「そうだよ、じゃあこれからもね」
「ええ、ベニーとね」
「仲良くしていってね」
「そうしていくわ」
 ホーグはこの時も満面の笑顔だった、その笑顔で返事をした。そこにベニーが来た。彼はとても人懐っこく家族の膝の上に来て親し気に鳴いた。その姿はとても幸せそうなものだった。


盲目の猫と素敵な飼い主   完


                 2024・3・22 
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