八条学園騒動記

「やっぱり」
「まあそれでも三世紀頃にはあったし」
　日本の皇室はというのだ。
「世界一古い」
「そうしたお家だね」
「そのことは間違いないわ」
　まさにというのだ。
「どう考えてもね」
「そうだよね」
「ええ、ただ流石に百歳超えた方が何代も続くのは」
「それも紀元前とかの頃に」
「ないわね」
　それはというのだ。
「流石に」
「実在はしておられるんだよね」
「どうもね」　
　ウェンディの返事は今一つ要領を得ないものだった。
「そうらしいわ」
「そうなんだ」
「ええ、ただね」
「それでもだね」
「また言うけれど百歳超えの人が何代も続くのは」
　紀元前の様な時代にはというのだ。
「ないわね、しかし百歳にもなったら」
「もう五歳位だと」
「何でもないみたいね」
「女の人でもかな」
「そう、女の人でもね」
　年齢を気にする性別の人達でもというのだ。
「気にしなくなるわ」
「そうなるんだ」
「まあ私も」
　ウェンディは自分のことも考えて述べた。
「それだけ生きたら」
「百歳にもなったら」
「気にしなくなるのかしら」
「一歳どころかだね」
「ええ、ただね」
　ここでウェンディはこうも言った。
「百歳と言わずにね」
「もっとだね」
「どうせ生きるなら」
　それならというのだ。
「もっとね」
「百歳以上だね」
「生きたいわ」
「具体的にはどれだけかな」
「百五十かしらね」
　少し考えてからだ、ウェンディは答えた。
「もうね」
「確か人間の寿命の限界だったね」
「噂では不老不死の人もいるそうね」
「仙人さんだね」
「あとサン＝ジェルマン伯爵ね」
　ウェンディはこの人物の名前も出した、この時代においてもこの世界の何処かにいると言われている。
「あの人もね」
「実在するのかな」
「会ったとか見たって人いるそうよ」
「そうなのかな」
「私はいるんじゃないかってね」
　サン＝ジェルマン伯爵はというのだ。
「思ってるけれどね」
「そうなんだ」
「多分だけれどね」
　それでもというのだ。
「思ってるわ」
「そうなんだ」
「ええ、ただ会うことはね」　
　そうしてその実在を確かめることはというのだ。
「まずね」
「無理だね」
「例え会っても」
「相手がそうだと言うなんて」
「まずないわよね」
「ああした不思議な人はね」
「だからね」
　それでというのだ。