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金木犀の許嫁

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第九話 忍者は人を殺さないその五

「これはね」
「絶対のことね」
「それは守るから」
「私だって物凄く失敗してるから」
 だからだとだ、夜空は姉に答えた。
「そんなことは言わないわ」
「そうなのね」
「だからお互い様でしょ」
 姉に微笑んで言うのだった。
「失敗は。私お姉ちゃんの失敗で怒ったことないでしょ」
「夜空ちゃん優しいからね」
「優しい優しくない以前に自分も失敗するから」
 それでというのだ。
「お互い様よ」
「そういうことね」
「そう、他人の失敗をあれこれ言ってたら」
 そうしていると、というのだ。
「自分が失敗した時にね」
「滅茶苦茶言われるわね」
「そうなるから」
 だからだというのだ。
「私はね」
「そうしたことは言わないのね」
「そうなの、それでお姉ちゃんも失敗には言わないわね」
「悪いことをしたら怒るけれどね」
 その時はというのだ。
「けれど夜空ちゃんとてもいい娘だし」
「怒らないの。そう言えばお姉ちゃんに怒られた記憶ないわ」
「そうなのね」
「お父さんとお母さんには怒られたことはあるけれど」 
 それでもというのだ。
「お姉ちゃんにはね」
「そういえばないわね」 
 真昼も言われて気付いた。
「言われてみると」
「そうでしょ。それで挑戦しての失敗はいいのね」
「それならね」
 姉の返事は変わらなかった。
「いいのよ」
「そうなのね」
「それでね」 
 妹にさらに言うのだった。
「私これからもね」
「挑戦していくのね」
「何かにね」
「そうしていくのね」
「七十でもさあこれからってね」
「言う人いるわね」
「夜空ちゃんも知ってるのね」
 そうしたことを言う人をというのだ。
「そうした人を」
「聞いたことあるわ」
「尊敬するわよね」
「お年を召されてもそう言う人は」
「それで挑戦していく人はね」
「挑戦にはリスクが伴いますね」 
 白華が言ってきた。
「どうしても」
「その時の保険はちゃんと用意して」
「やることですね」
「けがしそうだったなしない様にして」
 そのうえでというのだ。
「やればいいのよ」
「そうですか」
「お料理なら失敗しても食べるしね」
「その時はですね」
「それで怪我しそうな失敗の時は」 
 そうしたケースもあるのだ、一口に挑戦と言っても実に色々なものがあるのだ。中には危険なものもあるのだ。 
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