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星河の覇皇

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第八十六部第一章 貴族達の嘲笑その五十三

「それで千億の賢者が向かうとな」
「質で勝てますね」
「人材で」
「そうなりますね」
「衆愚が揃っていてもだ」
 それでもというのだ。
「それなりの力になることは事実だが」
「数は力である」
「よくそう言われますね」
「それで、ですね」
「それだけで力ですね」
「そうなる、しかしだ」
 カミュはさらに話した。
「その人材が優秀な者ばかりだとだ」
「大きな力ですね」
「連合より遥かに」
「ではそうした意味でもですね」
「カルト教団は潰していきますね」
「悪い芽は芽のうちに摘んでおく」
 こうも言うのだった。
「そして育たなくする」
「それもまた政治ですね」
「内憂はそうしていくものですね」
「これが外患にもですが」
「国家の禍はそうしていきますね」
「カルト教団は下手をすると大きな勢力になる」
 その危険があるというのだ。
「共産主義は宗教ではないがそうだな」
「はい、まさに」
「十九世紀に出てです」
「二十世紀に世界を覆いました」
「そして多くの犠牲を出しました」
「あれは福音だった」
 キリスト教で言うそれだったというのだ。
「まさにな」
「そう思わせるものがありましたね」
「急激な発展に戸惑う社会の中で」
「勢力を拡大する資本家とその下で働く労働者の対立」
「劣悪な労働条件の問題」
「そして機械化の波があり」
「その中でだ」 
 混乱する社会の中でというのだ。
「共産主義が出て来た」
「それが福音と感じられ」
「世に受け入れられ」
「浸透していきましたね」
「マルクスのそれがな、だがそこでだ」
 カミュは冷徹な声で述べた。
「多くの者が検証をしなかった」
「共産主義へのそれを」
「まさに福音と感じ」
「それで、ですね」
「検証をしませんでしたね」
「まずこの世に完璧なものはない」
 カミュは強い声で述べた。
「人間の創ったものならな」
「思想でも他のものでもですね」
「完璧なものはないですね」
「この世には」
「そうだ、人間が完璧でないのだ」
 このことがまずあるというのだ。
「その人間が生み出したものが完璧か」
「その筈がないですね」
「どうしても」
「思想にしてもそうであり」
「マルクス主義もですね」
「完璧である筈がない」 
 尚マルクスは宗教を否定していた、その為ユダヤ系であったが反ユダヤ主義者という立場であったのだ。 
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