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ソードアート・オンライン もう一人の主人公の物語

作者:マルバ
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SAO編 主人公:マルバ
四人で紡ぐ物語◆ヒースクリフの謎
  第三十二話 総当り戦

「マルバ、そういえばお前とデュエルしたことってなかったな」
「そうだね。キリトと戦うのは初めてだなぁ」
「でも俺が負ける予感がするな。『百花繚乱』で短期決戦されたら打つ手がないから」
「そう? じゃあ、お互いにハンデつけよっか。僕は《遅延解除(ディレイキャンセル)》を使わない。キリトは『スターバースト・ストリーム』以上の上級技を使わない。これでどう?」
「お、いいなそれ。乗った!」

【DUEL START!】
 システムウィンドウが閉じると同時に、マルバとキリトは駆け出した。二人の間の空間は一瞬で閉じ、剣が空中で交差する。キリトの左の剣はマルバの右のチャクラムが、右の剣は左の短剣が、それぞれ切り結んだ。キリトは《二刀流》だが、マルバも《双剣》である。二刀の防御なら十分に可能だ。そのまま二人が立ち位置を変えると、マルバの短剣はマルバの(、、、、)予想通り遠くへ弾き飛ばされていた。
 キリトの動きが少し遅くなった。武器を取り落としたマルバに対して余裕を感じたのだろう。しかし、それはマルバの思う壺だった。そのまま再び突っ込んでくるキリトに対し、マルバは『玄鳥』で迎撃する。マルバの後に続いて地を蹴ったユキは、キリトとすれ違う前に『幻惑』を放った。白く塗りつぶされた視界の中、キリトの剣とマルバの籠手が空中で交わり、二人は立ち位置を交代した。振り向こうとするキリトに背後からチャクラムが襲いかかる。そう、マルバは『幻惑』の中、空中で追跡性能が高い『鎌鼬』を放っていたのだ。キリトは半分勘に頼ってそれを回避しようと横に飛んだが、遅い。『鎌鼬』がキリトに追いつき、その身体を滅多切りにした。

【WINNER:Malva!】


「くそ、あのちびっ子のこと忘れてた……」
「まだまだ甘いよ、少年」
「余裕こきやがって……」

 マルバはその場から退場し、代わりにシリカが入場してきた。

「キリトさん、連続で大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫。もう始める?」
「ええ、そうしましょうか。回復技持ちのピナがいるとこちらが一方的に有利なので、ピナは今回休ませておきます」
「別に居ても平気なのに」
「本当ですか? ピナのバブルブレスはユキの幻惑より強力ですよ?」
「……やっぱナシで」
「あはは、それがいいと思います。……それじゃあいきますよッ!」

【DUEL START!】
 カウントが0になると同時に突っ込んできたキリトを、シリカは冷静に回避した。四連撃、『バーチカル・スクウェア』。全てを避けきると同時に床を蹴ったキリトは、硬直が解けるまでにシリカから十分な距離を取ろうとした。
 しかしそれを逃すシリカではない。短剣の突進技を利用してキリトに追いすがったシリカはそのまま攻撃を打ち出そうとして……、その瞬間を待っていたかのように、キリトが先に動いた。
 十六連撃、『スターバースト・ストリーム』。シリカは一撃目の剣先に突進技を当て、反動で自分の身体を飛ばすことで攻撃を防ごうとするが……
 一撃目。キリトの右手の剣とシリカの短剣が見事にぶつかり合い、両者が反動で二メートル以上吹き飛ばされた。
 二撃目。態勢を整えようとするキリトは、二撃目を故意に地面に誘導することで転倒を防いだ。
 三撃目。遠くへと飛んでいくシリカには全くもって届かず、空を切る。
 十撃目。連撃を止めないように移動するには時間がかかる。キリトは散々空振りしながら地面に倒れて受け身を取るシリカに追いすがるも、地面から上半身だけを起こしてぎりぎり転倒していないシリカの短剣でパリィされた。
 十一撃目。シリカの籠手が『パーリング』を成功させ、剣が遠くに弾き飛ばされる。キリトは危うくキャンセルされかけたスキルをなんとか立て直した。
 十二撃目。しゃがんだシリカの頭上を通り過ぎる。
 十三撃目。剣先がシリカを捉えた。しかし強ヒットには至らず、シリカのHPの一割ほどが削られただけだ。
 十四撃目と十五撃目。二つの剣が同時に横薙ぎを繰り出す。シリカは下側の片方を短剣でパリィ、姿勢を低くして上側の一撃を躱す。
 十六撃目。姿勢を立て直したシリカは、先ほどのパリィで武器を取り落としていた。『閃打』の構えを取り迎撃を試みるも、最後の攻撃は斬りではなくて突き。突きを拳で受け止めるのは無茶がある。手刀の技を使えばよかったな、と一瞬考えたシリカの胴を、キリトの剣が貫いた。

【WINNER:Kirito!】

「……流石ですね。出し惜しみしないで《遅延解除(ディレイキャンセル)》も使えばよかったです」
「えっ、シリカも使えるんだ」
「はい、マルバさんから特訓受けましたから。キリトさんも訓練してみますか? ……いえ、そういえばキリトさんには使えないはずですね」
「そうだな、俺は長剣二刀流だから同時にひとつしかスキル使えないし。……うーん、俺もディレイキャンセルに対抗できるようなシステム外スキル探してみるかな。せっかくの二刀流だから」
「そんな簡単に見つかりますかねー?」

 シリカとキリトは向い合って一礼すると、キリトがその場を後にし、代わりにヒースクリフが入場した。オーディエンスが一斉に沸く。

「さて。シリカ君と言ったかな」
「はい、そうです」
「ハンデは要らないかね?」
「ピナを戦闘に参加させてもらえれば十分です」
「そうか。よほど自信があるようだな。一応私はアインクラッド最強と言われているのだが」
「……それを自分で言っちゃうんですか」
「一応デュエルでは負け知らずなのでな。多少舞い上がっているだけかもしれないが」
「それなら、その連勝記録を今日この場で止めて見せます!」
「ほう、それはそれは。……ふふふ、楽しませてくれ給えよ」
「思う存分楽しませてあげます! 《竜使い》シリカ、行きますッ!!」
「ふむ、私も名乗るとするか。……《神聖剣》ヒースクリフ、参る!」

【DUEL START!】
 最初に動いたのはシリカだった。右手の短剣が鋭い風切り音をたててヒースクリフに迫る。
 ヒースクリフの十字盾は難なくそれを防いだ。
 しかし、これはただの挨拶代わりのようなものだ。
 シリカも一瞬で引き、代わりにシリカのいた場所をヒースクリフの剣が薙いだ。
 剣はシリカから見て左側に振られ、シリカは隙ができた右側に攻撃を仕掛ける。
 しかし、ヒースクリフの盾はあまりにも大きく、少し動かすだけで短剣技を防いでしまう。
 剣が再び唸りを上げ、シリカを襲った。
 シリカはそれを籠手で受け止めるも……筋力値で負け、一割ほどのダメージを受ける。
 ヒースクリフの剣は動きを止めない。
 横薙ぎの剣は頭上に振り上げられ、すぐに振り下ろされた。
 シリカは短剣でパリィし、一メートルほどの距離を取る。
 短剣を振り上げ、頭上に投げ上げた。
 バトンのようにくるくると回りながら光を放ったそれは、ヒースクリフのいた場所目掛けて降ってくる。
 ヒースクリフはやや遅めのバックステップを踏み、それを回避。
 シリカはヒースクリフに体当たりするように至近距離からの『玄鳥』を放った。
 ヒースクリフはそれをまともに受け、吹き飛ばされる。
 しかし……ヒースクリフのHPは二割ほどしか削れてはいなかった。
 シリカは地面に突き刺さった短剣を抜きながらバックステップ。
 二人の間に五メートルほどの距離ができた。
 すかさずピナがやってきて、シリカのHPをフル回復した。

「なかなかやるようだな。君に対する認識を改めなければならないようだ」
「これでも最前線で戦ってますからね」
「ふふふ。この戦い、楽しくなりそうだ」

 ヒースクリフの剣が光をまとい、シリカに凄まじい重さを持った攻撃が襲いかかる。
 シリカはそれをサイドステップで回避、カウンターで短剣の連続攻撃技を繰り出した。
 この技は軌道が複雑で、初見では決して回避することはできない。
 短剣の剣先がソードスキルの力を得て加速し、連続五回攻撃が決まる。
 一撃目。右側からの袈裟斬りを、ヒースクリフの剣がパリィした。
 二撃目。下からの斬り上げは、大盾が防御する。
 三撃目。振り下ろされた短剣は、その軌道を見越した盾が防御しきった。
 四撃目。その場でのクイックターンと共に打ち出された左側からの横薙ぎは、やはり盾が防ぎきる。

 シリカは違和感を感じた。
 今まで何回もデュエルをしてきたが、このような完璧な防御は同じ短剣使いしかできない。
 何度もスキルを発動させ、軌跡を完璧に知っている者でなければこのようには防御できないはずなのだ。

 五撃目。シリカは最後の突きを繰り出しつつ、胸いっぱいに空気を吸い込む。
 そして……

「ピナ、『バブルブレス』!」

 彼女の叫びに呼応し、小竜が飛来する。
 シリカは最後の突きを盾のど真ん中に突き立て、反動で自分の身体を吹き飛ばした。
 シリカと入れ違いでヒースクリフに向かっていくピナは、ヒースクリフの頭上を越えると同時に彼に向かって シャボン玉の泡のようなものを吐いた。
 しかし、ヒースクリフは全く怯んでいない。
 空中のシリカに追いすがるように斬り上げの技が発動し、シリカはそれを籠手で弾いて地に降り立った。

 ――今だ。
 ヒースクリフはバブルブレスによって大幅に視界が狭まっている(、、、、、、、、、、、、)はずだ。
 シリカを迎撃するために上空を見ていたヒースクリフは、今シリカが何をしているのか目撃できない。

 シリカは左脚のブーツから一振りの短剣を抜き出した。
 それは――『トレンチナイフ』。
 そして最速の技を一瞬で繰り出す。
 この距離で剣を使って繰り出す最速の攻撃と言えば、普通考えられるのは『スライスエッジ』。
 しかし、シリカが繰り出した攻撃は、例え見えていたとしても、ヒースクリフには予想できなかっただろう。
 シリカはしゃがみこんだ不安定な姿勢で、短剣を振りかぶった。

 左手から閃光が(ほとばし)る。
 この世界で最速の技、それは――投剣技『アーク』。

 その閃光は確実にヒースクリフの喉元を捉えていた。
 上空に振られた盾は決して『アーク』の速さには対応できない。
 シリカは勝利を確信した。

 しかし……
 ヒースクリフは、シリカの攻撃を視界の隅に(、、、、、)捉え、驚愕に目を見開いた。
 すぐさま盾を動かし始める。
 間に合わないはずだった。
 決して間に合わないはずの盾は、恐るべき速さで移動し、閃光を受け止めた。

 短剣が跳ね返る。
 シリカはそれを無意識に受け止め、跳躍した。
 盾が下に振られすぎている、今なら……!
 『アーク』は冷却(クーリング)中なので発動できないが、空中でシリカは再びその剣を振りかぶった。
 投剣技『ダブルシュート』。
 両手の短剣が唸りを上げ、時間差でヒースクリフを襲った。

 ヒースクリフの動きは今度こそ間に合わなかった。
 一撃目が持ち上げられた盾の向こうに消える。
 二撃目は盾に弾かれたが、確かに一撃目は肩あたりにクリーンヒットしていた。

【WINNER:Sirica!】


 オーディエンスの歓声が響き渡る中、シリカは短剣を回収して装備しなおした。
 ヒースクリフは非常に険しい顔をしていた。彼はまず自分のHPゲージを確認し、それが6割ほど残していることを確認する。『マルチシュート』は攻撃力が低い技なので、クリーンヒットを受けてもそれほどHPが減らなかったようだ。
「シリカ君。私は君を見くびっていたようだ。まさか本当にこの私が負けることになるとは」
「偶然ですよ。私もまさか『アーク』が防がれるとは思いませんでした。すごい反射神経ですね」
「はっはっは、敏捷性が低くても筋力値があれば盾を素早く操ったりすることはできるのだよ」

 高らかに笑ってみせたヒースクリフだが、その表情は全く笑っていない。
「さて、次はマルバ君かな。観客がお待ちだ、立ち去り給え」
「わかりました」

 シリカは一礼するとこちらにやってきたマルバとすれ違う。
「マルバさん。あの人は何かおかしいです」
「そっか。分かった、僕は勝つことより彼が何を隠しているのか調べることにするよ」
「頑張ってください」

 シリカが退場し、マルバはヒースクリフと対峙した。
「君がマルバくんか」
「そうですよ。僕が《双剣》のマルバです」
「ほう、《双剣》。投剣と短剣を同時に使う者がいると聞いていたが、それは君のことかい?」
「多分そうでしょうね。僕以外にこんな変な戦い方する人、知りませんから」
「なるほど、なるほど……それでは、私は今日、二人の『二刀流』と戦うことになるわけだ」
「そうなりますね。貴方自身も二刀流のようなものですけど」
「はっはっは、面白いことを言う。盾が剣と同等の武器になり得ると? 私は盾はあくまでも補助として使っているつもりだったが」
「十分なりえますよ。僕のギルドには大盾使いがいますが、彼が剣を抜いたところはほとんど見たことがないです。彼はほとんどシルドバッシュだけで戦ってますよ」
「ほほう……それは実に興味深い。《盾攻撃スキル》はあくまでも盾に当たり判定を与えるだけのスキルだったはずだが。今度その彼に会わせてくれ給え」
「いいですよ、彼もあなたと話してみたいと思いますし」
「さて、そろそろ始めようか。観客が待ちわびているようだから」
「そうですね。それでは、改めて。 ……《双剣》のマルバ、参る!!」
「フッ、君も名乗るのか。いいだろう! 《神聖剣》ヒースクリフ、受けて立つ!!」

【DUEL START!】
 カウントがゼロになったにも関わらず両者は一歩も動かなかった。
 シリカの言ったとおり、この男が何かを隠しているのだとすれば……これはその隠しているものを暴くいい機会だ。
 二人の視線が交差する。

 マルバはヒースクリフの装備を見つめた。
 なんの変哲もない十字剣と十字盾。
 装備に特別な点は見られない。
 しかし、ヒースクリフは十字盾でもスキルが発動できるのだ。
 盾にも十分に注意すべきだろう。

 ヒースクリフはマルバの装備を見つめた。
 なんの変哲もない短剣と、明らかに何かが違う円月輪(チャクラム)
 あの円月輪は普通の円月輪ではないはずだ、とヒースクリフは推測した。
 おそらく、複属性武器。
 彼は円月輪に特に注意を払うことを決めた。

 最初に動いたのはヒースクリフだった。
 十字剣を地面と平行に構え、すっと打ち出す。
 マルバはそれを籠手で上へと弾いたが、続く盾の追撃にバックステップを踏む。
 ヒースクリフは更に追撃を重ねた。
 マルバはステップで回避しつづけるが、そんなことがいつまでも続くわけがない。
 マルバは再び剣をパリィすると、大きく跳躍してヒースクリフの背後に降り立った。
 すぐに攻撃に転じるが、そこはさすがの反応ですでに盾を構え直しているヒースクリフ。

 マルバは攻撃をどこに打ち込むべきか迷った。
 とりあえず左右に揺さぶりをかけてみよう、そう決めて短剣を握り直す。
 左からの一撃、素早い『スライスエッジ』。
 盾が左に振られるが、それを見越してマルバは相手の右腰目掛けて『円月斬』を同時に放っておいた。
 弧を描いて飛ぶチャクラムはヒースクリフの脇腹を捉えていたが、ヒースクリフはそれを剣で叩き落とした。
 しかし、マルバの狙いは、ヒースクリフに右側を確認させることだけにあった。
 マルバの短剣が光を帯びる。
 ヒースクリフがマルバから視線を外した一瞬の隙を突いて、最速の『アーク』が放たれる。
 それは確かにヒースクリフの脚を貫き、そこに突き刺さった。
 わずかに慌てるヒースクリフ。
 一旦距離を取ってから刺さった剣を抜こうと考えたのだろう、大きくバックステップを踏もうとした。

 マルバの狙いは突き刺さった短剣による貫通属性ダメージである。
 決して抜かせるものかと、マルバは強烈なラッシュを開始した。
 連続技に連続技を重ね、防御より攻撃を優先し、相手の動きに追いすがる。
 いくつかの重攻撃が大盾を『抜け』、ヒースクリフのHPは着実に減っていった。
 HPが減るにつれ、なぜかヒースクリフの顔に焦りが浮かんできた。

 焦り……?
 何に対する?

 マルバの頭に疑問が走る。
 集中が途切れ、連続技が空を切った。
 追撃を恐れ、慌てて距離を取るマルバ。
 その隙にヒースクリフは脚から短剣を抜き払った。

 両者とも、ここで一旦攻撃を中止する。
 マルバのHPは残り6割程度。
 それに対し、ヒースクリフは貫通属性ダメージを相当受けたらしく、残りは5割強だ。

 次に攻撃を仕掛けたのはマルバだった。
 円月輪を振りかぶると、『オリジナルソードスキル』を放つ。
 その名も――『流星乱舞(ルセイランブ)』。

 円月輪の攻撃を主軸に置き、大量の投擲用ピックをばら撒き敵を撹乱しながら短剣で追い打ちする、比較的短めの《双剣》スキルである。
 一気に6つものピックがヒースクリフの足元に突き刺さった。
 わずかに驚いたヒースクリフを、マルバの右手の剣が襲う。
 難なくそれを盾で受けるヒースクリフだが、その上空から更に3つのピックが襲撃し、彼は再びバックステップを踏んだ。
 それを追いかけるように左右から攻撃が続く。
 右からの剣は盾が、左からの拳は剣が、それぞれ叩き落とした。
 硬直したマルバを狙おうと盾から顔をだしたヒースクリフだが、その顔面を目掛けて短剣が凄まじい勢いで飛んできたために再び顔を引っ込めた。
 マルバはここで攻撃を切り、溜まったディレイを解消する。
 攻撃がこないことを不審に思ったヒースクリフは、マルバが硬直していることを知ってすぐに攻撃に転じた。
 ヒースクリフの剣がマルバの喉元をかすり、マルバはカウンターでその顎を狙って回し蹴りを放つ。
しかし、それは盾が見事に防ぎきった。

 技の反動で両者とも三メートルほど下がり、すぐに突進してその間を埋めた。
 しかし……戦場にマルバの声がこだまする。
「ユキ、幻惑だ!」

 二人が激突する瞬間、二人の視界は白く染まり……

 二人が立ち位置を交代した時、WINNER表示が踊った。

【WINNER:Heathcliff!】


「うわー、負けた負けた。流石ですね」
「フッ、君もなかなか強いではないか。楽しませてもらったよ。また機会があればデュエルしたいものだ」
「そうですね。また機会があれば」
「さて、次の試合も頑張ってくれ給え」
「……え、まさか」
「総当り戦、と言っただろう? 当然、マルバ君とシリカ君も戦うのだよ」
「まじっすか……」
「ああ、まじだ。健闘を祈る」


 ヒースクリフが退場し、しばらくしてからシリカが嫌そうな様子で現れた。
「うぅ……マルバさんとは戦いたくないです……」
「僕だって嫌だよ。でもまぁ、仕方ないかなぁ」
「はぁ、仕方ないですね。どうせやるなら本気で行くまでです」
「ああ、手加減なんかしたくないね。僕も本気でいかせていただく」
「それじゃ、準備はいいですか?」
「いつでもどうぞ」

 二人は剣を抜き放った。マルバは二刀を、シリカは短剣を構える。
「《竜使い》シリカ、行きます!!」
「《双剣》のマルバ、全力で行くよ!!」

【DUEL START!】 
 

 
後書き
なんとシリカ、ヒースクリフに勝利してしまいました。

気づく方は気づくと思いますが、シリカの投剣技『アーク』は、至近距離からだととんでもない攻撃力を誇ります。ヒースクリフはHPが5割を切ることを恐れてオーバーアシストしてまで『アーク』を防ぎました。『ダブルシュート』は弱い攻撃なのでクリーンヒットしてもあまりダメージを負わなかったんですね。



さて。
執筆の方ですが、ユイ編まで書き終えました。このままスカルリーパー戦を書いてもいいのですが、その前に一度他の作品や読者の方とのコラボをやってみたいなーと思います。
内容は次の通りです。


クエストボードに一件のクエストが現れた。プレイヤーからの依頼というだけでも珍しいのだが、依頼人はなんとヒースクリフ。新聞にも取り上げられ、街はそのクエストに関する噂で溢れかえっていた。
【十一月二十五日、第七十五層主街区《コリニア》の円形競技場においてバトル・ロワイアルを開催する。第三位までの賞品・賞金あり、詳細及び申し込みは血盟騎士団本部まで。締め切りは十一月二十日。諸君の健闘を祈る Heathcliff】


現実世界での締め切りは今週末とします。ユイ編終了後、公開予定です。二次創作を書いていない方もエントリー可能です。エントリーされる方は、感想欄に書き込むか又は私宛にメッセージをお送りください。
その際、次のことを書いてください。
 ○エントリーするキャラクター名
 ○二次創作を書いている方は作品名
 ○二次創作を書いていない方はキャラクターの性別・一人称・喋り方の特徴
 ○キャラクターの使用武器
 ○キャラクターの戦闘スタイル(臨機応変、攻撃速度重視、ソードスキルに頼らない、クリティカル特化等)
 ○キャラクターのビルド(敏捷特化、筋力より、バランス型等)
 ○こういうふうに戦わせてほしい等の要望(あれば)
一人の方で複数のキャラクターを申し込んでも構いません。ただし、ゲームバランスを整えるため、チート要素は排除させていただきます。使用可能なソードスキルは原作に登場するようなごくごく普通の強さのみに限定しますし、《ユニークスキル》は使用できません。ユニークスキルを使える設定のキャラクターでエントリーする場合、作品内でユニークスキルは使いませんのでご了承ください。《システム外スキル》は基本的に使用可能です。また、原作に登場するキャラクターでも構いません。
リーグ戦です。戦う相手の武器種の相性を参考に私の独断と偏見に基づいて勝敗を決めます。
ふるってご参加ください。エントリー人数が少なかった場合行いませんので、できるだけたくさんの方の参加をお待ちしています。 
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