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インフィニット・ストラトス~黒き守護者~

作者:eibro
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今日は厄日だ。

 あの日から色々あった。
 例えば凰が一夏にキレて会いにこなくなったり、俺がスパルタすぎて一夏が「日曜は休ませてくれ」と懇願してきたり。

「は? 当たり前だろ………」

 俺が平然と言うと、一夏だけでなく篠ノ之とオルコットも安堵していた。
 ちなみにだが、この後の特訓で凰がピットにいて情報漏洩のために追い出そうとすると、一夏と凰が喧嘩を始める。篠ノ之に聞いたところ、凰の告白を勘違いして喧嘩になったのだが、鈍感すぎる一夏もだが、それを知っているのにあんな告白をした凰も悪いと思う。
 そして一夏は「貧乳」と言って凰をキレさせ、危うく死ぬところだった。

(別に貧乳でいいだろ。胸がでかい奴からしたら小さくできないのに………)

 一応、そっちの手術もできるらしいが、俺はどうでもいいと思った。

 そしてあっという間に気が付けばクラス対抗戦。

「風が気持ちいい………」

 そんなコメントを残しながら、俺は第二アリーナ―――ではなく寮の屋上にいた。
 一夏のことは篠ノ之とオルコットに任せて、俺はサボっていた。特に理由はないが、あるとすれば嫌な予感がするというだけだ。

(なんか、この嫌な予感って―――!?)

 急に頭が鳴り響き、俺は思わず頭を抑える。

(………何か、来る!?)

 すぐにディアンルグを展開し、光学迷彩を起動してその場から飛翔した。





 ■■■





 俺のディアンルグは戦闘もそうだが、ハイパーセンサーも高性能だ。だからある程度のステルスは見破れる―――はずだが、

(見えないな。………だが、そこだ!!)

 《迅光》を展開し、感じる方向へ撃ち放つ。そしてそこに当たり、何もない場所から全身装甲(フルスキン)が突然姿を現す。それと同時に俺に頭痛が襲うが、どうでもよかった。

「よぉ。誰だか知らないが―――こっちの目的のために死ね」

 《炎閃》を展開すると同時に一薙ぎで切り捨てる。元が高出力故に一撃で機能を奪い、その場で爆散した。

「あっぶね~。もうちょっとで死ぬところ―――って、まだいるのかよ………」

 新たな熱源反応を察知し、そこには同じ型が3機あった。

「………一人じゃキツい―――わけでもないな」

 瞬時に《インパクト・スラッグ》以外の射撃武装を展開し、避ける敵IS相手に乱雑に撃ちまくる。どれも高威力なため、当たれば一撃で落とせる代物だ。

「―――風宮くん! 大丈夫ですか!?」

 ようやく教師部隊が現れた。

「―――遅い!」
「―――何よ! これでも急いで来んだから!」
「あっそ。山田先生は何人かを引き連れて落ちたISの回収。そのほかは俺のフォローだ」
「了解!」

 各自迎撃を行い、俺は2機に減った敵ISに接近しながらエネルギービット《キロプテル》での射撃を行いつつパイルバンカー《ストライクバンカー》で装甲を貫通させて全弾打ち込んだ。

「風宮君! 上です!」

 山田先生の声を聞き、すぐに上を向いたがいいが熱線が目の前まで迫っていた。当然、回避などは無理だ。
 そのままモロに食らい、俺は海に叩きつけられる。そしてオマケとばかり殴ってくる。

「邪魔―――するな!!」

 零距離で《インパクト・スラッグ》を展開と同時に撃ち、蹴り飛ばす。
 なんとか至近距離で爆発を食らわないで済んだ。

「山田先生、敵は?」
「今のところは確認できません」
「では3人1小隊を組んで哨戒を行ってください。敵の目的は不明ですのでまた襲ってくるだろうし」

 それだけ伝えると、俺はさっきまでいた場所へと戻ろうとする。

「え? どこに行くんですか!?」
「一夏の試合が終わったのでどうなっているか見に行くんです。まぁ、その残骸を運ぶのを手伝って欲しいというのなら構いませんが」

 山田先生は普段ではありえないように機敏に指示して何人かの教師を連れて残骸の回収を行った。そしてすぐに停止させられる。………ここから先は立ち入り禁止らしいな。

「さて。ゴミ掃除も終わったし、さっさと一夏の―――!?」

 急に頭痛が俺を襲った。今日は厄日かっての。

 ―――やっぱり、無人機。あの女、本当に邪魔だ。

(あの女? 誰の―――!?)

 謎の単語が俺の頭を過ぎり、さらに段々とビジョンが浮かんできた。

(………あれは、俺……? そして――――さっきのIS!?)

 ―――まぁいいや。邪魔するなら殺す。どんな手を使っても。例え―――地球が滅んでも。

 そんな物騒な声を最後に、俺の意識は飛んだ。





 ■■■





『………これで最後か』

 彼は名簿を見ながら最後の死体を自作した棺桶に入れた。

『……すまないな、みんな。俺だけが生き残って』

 そう言いながら彼は火を投げ入れてから棺桶の蓋を締め、機械で掘った大きな穴にそれを入れた。

『でも、それは後悔していない。神とか信じていないけど、それでも―――抗う。たぶんだけど―――今の俺は触れてはいけない一線を超えているんだよ。だからいつか、その記憶を消す』

 話している間も、目の前にある炎は段々と勢いを増している。普段なら逃げなければいけないが、炎がその男を避けていた。

『もしかしたら、早い内に会えるかもしれないな。俺がどんな結末を辿るかわからないけど………。その時は歓迎してくれよ』

 その言葉を最後に彼は背を向け、ISを展開した。
 その姿は―――ディアンルグだった。





 ■■■





「―――!?」

 目を覚ますと、そこは俺が知る天井だった。どうやら自室らしい。

(………あれ? 俺、さっきまで外にいたんじゃ………?)

 どうやら記憶が混乱しているらしく、まだ本調子ではなかった。

(それに、さっきのは………ディアンルグだよな―――!!)

 また頭痛が響いたかと思いきや、今度は鮮明になってきた。ディアンルグのことが頭にあるのを考えると、どうやら記憶を取り戻したらしい。
 汗を掻いていたのでシャワーを浴びるために用意をしていると、

「―――大丈夫か!?」

 いきなり一夏、篠ノ之、オルコットが部屋に入ってきた。

 そう言って俺はシャワールームに入り、汗を流してから外に出た。

「―――んで、何で俺の部屋に入ってきたんだ? そりゃ、部屋の鍵を締めてなかった俺も悪いが―――次は命を奪うから」
「あー、いや、スマン。お前が倒れたって聞いたからさ」
「まぁいいけど。それで、試合はどうしたんだ?」
「ああ。なんとか優勝したぞ」

 そりゃそうだ。俺があんなに頑張ったのに負けたと言ったら―――シメていたところだ。

「そりゃよかった」
「そういえば、鈴に勝ったらあの意味を教えてもらう約束していたんだ。悪いちょっと行ってくる」

 そう言ってどこかに行ってしまった。
 後日談だが、凰を追いかける一夏を見たクラスメイトが調査をして一夏が告白を勘違いしていたことを知ると袋叩きにしたらしい。 
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