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カードにも転売ヤー

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第二章

「ですから」
「そうした人には売らない様にしますか」
「そのリストも配布しますので」
 そうするからだというのだ。
「アプリを使って」
「店員用のですね」
「そうしますので」
 だからだというのだ。
「若しお店に来れば」
「売らないことですね」
「そうした人はわかり次第随時追加します、まず転売は犯罪です」
 本社の人は松村に店の中、店員のスペースで話した。まだ開店前だが店の中はもう動きはじめている。
「このことをです」
「強く言うことですね」
「はい」
 まさにというのだ。
「宜しくお願いします」
「そうします」 
 実は松村は転売が犯罪ということを知らなかった、それで普通にモラルのある彼は内心そのことに戦慄していた、そのうえでだった。
 アルバイトの店員達にも事情を話して本社から配布されたポスターを貼ってそのうえでアプリに来たブラックリストにもよく目を通した。
 そのうえで店の経営にあたると。
「いや、まさかです」
「学校の先生が転売ヤーとは思いませんでしたね」 
 大学生のバイトの男女の店員が松村に言ってきた。
「公立中学の」
「儲ける為にやってたなんて」
「いや、ここ先生の質悪いから」
 松村は店員達に難しい顔で答えた。
「奈良県はね」
「えっ、そうなんですか?」
「奈良県先生の質悪いんですか」
「暴力とかセクハラとかしょっちゅうだから」
 そうした状況だとだ、彼は店員達に話した。
「それでこうしたこともだよ」
「しますか」
「ブラックリストに載ってて」
「それでうちに来てです」
「転売しようとしに来たんですね」
「そうだよ、ただ警察に突き出したからね」
 通報してというのだ。
「これで終わりだよ」
「ええ、しかし子供のおもちゃを転売して儲けるとか」
「酷いことですね」
「全くだよ、転売自体が犯罪だけれど」
 松村は眉を顰めさせて店員達に応えた。
「子供の夢、おもちゃにそうするなんて最低だよ」
「全くですね」
「やっていいことと悪いことがありますよね」
「そうだよ、犯罪だし人として道をを踏み外しているからね」
 松村は店員達に言った、そして子供達が笑顔になる様に店を経営していってそれと共に転売ヤーにも注意していった。そのうえで健全なカードゲームを店長として進めていったのだった。


カードにも転売ヤー   完


                    2024・2・18 
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