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八条学園騒動記

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第七百三十八話 銀の薔薇その五

「侯爵夫人でもあるのよ」
「凄く偉い人ね」
「当時の神聖ローマ帝国でもそうで」
 話の舞台はマリア=テレジアの時代である。そしてレミはオーストリアではなく当時のハプスブルク家の正式な統治する国家を話に出したのだ。
「今のエウロパでもね」
「凄く偉い人ね」
「そうよ」
 実際にというのだ。
「これがね」
「あっちの考えだと」
「連合だとね」
「何でもなくても」
「エウロパだとね」
 それこそというのだ。
「階級社会だから」
「そうした考えね」
「何ていうか」
 七海はどうかという顔で話した。
「あそこの考えはつくづく階級ね」
「貴族社会だからね」 
 レミはこう返した。
「だからね」
「階級は絶対ね」
「階級が高いならね」
 それならというのだ。
「それだけね」
「偉いのね」
「総統は世襲じゃないけれど」 
 エウロパの国家元首はというのだ、中央集権的傾向の強いこの国でかなりの権力を有していることで知られている。
「それでもね」
「一番偉いわね」
「国家元首だからね、それでね」
「凄い権力あるのよね」
「専制君主みたいにね」
 連合ではエウロパ総統はそう言われている。
「凄い権力があって」
「やりたい放題ね」
「只でさえ貴族はやりたい放題なのに」
「総統になると」
「世襲でなくても」
 選挙でえらばれ任期制である。
「その貴族より偉いか」
「専制君主の皇帝ね」
「それ位凄いのよ、各国政府も議会も裁判所も」
「総統の下にあるのよね」
「三権では行政だけれど」 
 行政そして立法、司法の中でというのだ。
「三権の上に立つっていう位にね」
「大きな権力あるのよね」
「だからね」  
 それだけの権力があるからだというのだ。
「もうね」
「やりたい放題ね」
「ローマ皇帝よね」
 彰子はこう言った。
「もう」
「そうよ」
 まさにとだ、レミは答えた。
「言うならね」
「その立場よね」
「というか正式にね」
 レミはさらに話した。
「エウロパ総統はローマ皇帝の後継者ってね」
「言われてるの」
「エウロパはローマ帝国の後継国家で」
 エウロパを建国したブラウベルグが言ったことである。 
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