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星河の覇皇

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第八十六部第一章 貴族達の嘲笑その四

「ならです」
「これからも増えていきますね」
「彼等は」
「その連合に対するには」
「それにはですね」
「かなり難しいです」
 人口で連合に勝つことはというのだ。
「兎角必死にです」
「我々は増えなくてはならないですね」
「何としても」
「連合を超える為には」
「そうしなければならないですね」
「そうです」
 まさにというのだ。
「勿論一夫一妻は守り」
「中絶も認める」
「それは当然のことですね」
「政策として」
「はい、中絶は難しい問題があります」
 宗教的かつ倫理的にだ、この問題はこの時代でも議論になっている。エウロパでも連合でもである。
「バチカンは今も否定的ですが」
「それでもですね」
「中絶もですね」
「必要ですね」
「それぞれの人に事情がありまして」
 尚カミュはキリスト教はカトリックである、そしてその信仰は結構篤いものがあり教会にもよく通っている。
「生み育てることが出来れば」
「難しい場合もありますね」
「どうしても」
「それぞれの事情で」
「左様ですね」
「それは仕方がないです」
 それぞれの事情はというのだ。
「ですからそれはです」
「認めますね」
「中絶は」
「そのうえで人口増加を進めていく」
「そうしていきますね」
「フリードリヒ=ヴィルヘルム王もです」
 フリードリヒ大王の父王である、兵隊王と言われ特に背の高い兵隊を集めかつプロイセンの国力伸張に発展した。
「中絶は認めていました」
「左様でしたね」
「人口増加に努めていましたが」
「それでもでしたね」
「中絶は認めていましたね」
「それでもプロイセンの人口は増えていましたし」
 王の努力もあってだ、ただしこの王は人間としては暴力的かつ吝嗇でお世辞にもいい性格とは言えなかった様だ。 
「やはりそれぞれの事情があります」
「その人それぞれの」
「だからですね」
「それはそのままですね」
「中絶については」
「長年続いていますが」
 この中絶の是非の議論はというのだ。
「そして今我々が笑いものにしている連合でもです」
「議論になっていますね」
「中絶の是非は」
「あの国においても」
「左様ですね」
「カトリックだけではないですから」
 中絶を批判している宗教はというのだ。
「このエウロパでもありますし」
「北欧系ではフレイヤ女神の信仰がそうですね」
「そしてギリシア系ではヘラ女神ですね」
「他の神々の信仰でも見られますね」
「中絶への批判は」
「そして連合でもです」 
 自分達の敵であるこの国でもというのだ。 
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