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星河の覇皇

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第八十五部第五章 北京宣言その四十二

「さらにだ」
「攻めていますね」
「流れに乗った様だ」
「それでは」
「もうだ」 
 まさにというのだ。
「あの国の勝利、統一でだ」
「決まりましたか」
「そうだと思う、まだティムールは降伏していないが」
 それでもというのだ。
「戦局はです」
「決まったとですか」
「中央政府の軍人達が言っている」
「それでは」
「サハラでの戦争は近いうちに終わり」
「統一されて」
「そしてだ」
 そのうえで、というのだ。
「あの国の皇帝にな」
「アッディーン大統領が即位して」
「あの国を治めることになるが」
「その座は孤独ですか」
「そうだ、だがその孤独に耐えないとだ」
 そうしなければというのだ。
「皇帝になることはだ」
「適わないですね」
「歴史を見るとそうだ、そして軽率でもだ」
「務まらないですね」
「到底な、ヴィルヘルム二世ではな」
 ドイツ帝国のこの皇帝ではというのだ。
「国を滅ぼして自身もだ」
「滅びますね」
「ドイツ帝国は倒れた」
 実際にというのだ。
「そして彼は帝位を失った」
「一次大戦の最後に」
「ああなってしまう、あの皇帝は軽率だった」
 そうした人物だったというのだ、実際にこの皇帝は発言がよく変わり何かとそうした行動も見られた。
「昭和天皇が反面教師にしたというしな」
「あの様になるなと」
「君主としてな」 
 天皇即ち皇帝としてだ。
「そう教えられたというしな」
「確かに歴史を見ますと」
「軽率な御仁だな」
「皇帝が孤独であることも」
「自覚していなかったな」
「左様ですね」
「権力の座であるとだけ認識してな」
 そうしてというのだ。
「ああしたことを繰り返してな」
「そのうえで、ですね」
「あの様にだ」
 まさにというのだ。
「なってしまった」
「国を倒してしまい」
「自身も失脚した」
「左様でしたね」
「皇帝は色々とだ」
「自覚せねばならないですね」
「あの様に軽率で権力とだけ意識していないと」
 そのヴィルヘルム二世の様にだ。
「失敗してしまう」
「国を失い自身もですね」
「その座を失う、あの皇帝は能力自体はな」 
 肝心のそれはというと。 
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