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八条学園騒動記

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第七百三十六話 広い部屋その六

「事実我々は連合では小柄だな」
「その方ですね」
「二人共身長は一八〇を超えているが」
「エウロパの平均以上ですね」
「しかしだ」
 それでもというのだ。
「この国ではな」
「やや小柄ですね」
「そうなっている」
「連合の平均は一九〇なので」
「それを基準とするとな」
 どうしてもというのだ。
「我々はな」
「小柄な方ですね」
「ややという位だがな」
 それでもというのだ。
「そうなる」
「そうですね」
「ローマ人もバイキングの中ではな」
「小柄ですね」
「オクタヴィアヌスは一五八だった」
 初代皇帝である彼はというのだ。
「カエサルは一八五だったそうだがな」
「それではバイキングの中では」
「オクタヴィアヌスは小柄だった」
「そうですね」
「バイキングの平均身長は一七〇だったそうだからな」
「そうですか、ただ」
 上等兵はバイキングの話を聞いてこう言った。
「今も北欧諸国はです」
「バイキングの子孫のな」
「エウロパの中では大きな方ですが」
「だが当時はな」
「それ位ですか」
「摂取している栄養の関係でな」
 それでというのだ。
「一七〇程だった、そしてだ」
「その大きさで、ですね」
「かなり大柄だった」
「そうだったのですね」
「そしてナポレオンは小柄だったという」 
 連合では特に言われている、英雄は実は案外負けていてその体格はそうしたものだと馬鹿にしているのだ。
「一六四か一六七でな」
「それ位でしたか」
「当時のフランス人の平均は一六〇だった」 
 成人男性でだ。
「それと比べるとな」
「やや高いですね」
「それ位だった」 
 そうだったというのだ。
「周りが大きかったのだ」
「それで小さいと言われていましたか」
「親衛隊は一七八以上が入隊基準でな」
 それでというのだ。
「ミュラ達将軍達はな」
「大柄でしたか」
「だからだ」
 その為にというのだ。
「彼は小さいと言われた」
「周りが大きいので」
「我々も同じだ」
「事実エウロパでは小さいと言われないです」
 上等兵はきっぱりと答えた。
「そう言われた記憶はです」
「ないな」
「全く」
「私もだ」
 大尉もというのだ。
「そう言われたことはな」
「ありませんね」
「全くな」
 それこそというのだ。 
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