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八条学園騒動記

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第七百三十六話 広い部屋その三

「思う」
「そうなのですね」
「君もだな」
「好きになれません」
 上等兵は強い声で答えた。
「どうも」
「そうだな」
「やはり」
「性的に乱れている」
「そう思えますね」
「実際にな」 
 大尉は嫌悪感を見せて話した。
「そうしたことにもだ」
「用いられる場所ですね」
「連合は性的なサービスの提供にはだ」
「寛容ですね」
「アイドルや女優の写真集やDVDも多いな」
「男性だと俳優ですね」
「そしてアニメや漫画やゲームでもだ」
 そうした媒体でもというのだ。
「アダルトと言われるだ」
「性的なものがですね」
「一定のジャンルを占めている」
「そういえばそうですね」 
 上等兵もそれはと答えた。
「連合では」
「そうしたもので性的刺激を与え」
「多産にですね」
「つなげているのだ」
「そうした狙いがありますか」
「少なくとも性的欲望の発散が出来る」
「そうしたものを用いて」
 上等兵もそうした事情は理解していて答えた。
「そうですね」
「それだけで性犯罪の防止にもなる」
「発散すれば」
「そうしたものの悪影響を受けて犯罪を犯すという意見もあるが」
「それはですね」
「創作と現実の違いがわからない者は何処にでもいる」
 それこそというのだ。
「そうしたものだけの話ではない」
「創作の真似をするのは」
「フリッツ=ハールマンの作品を目にして彼の行いを真似るならだ」
 第一次大戦後のドイツに出て来た殺人鬼だ、少年を襲い食い殺しその肉を売っていたことで知られている。
「それは狂人だ」
「創作の犯罪行為を真似るならですね」
「それはだ」
 まさにというのだ。
「狂人だ」
「そうですか」
「だからだ」
 それでというのだ。
「狂人のやることで一々どうかいうのはな」
「誤りですね」
「狂人のやることは基準になるか」
 大尉は言った。
「果たして」
「そうはならないですね」
「そうだ、狂人は狂人だ」
 あくまでというのだ。
「標準にはだ」
「成り得ないですね」
「狂人ではなく常識人を見ることだ」 
 そして標準にすべきだというのだ。
「創作についてもな」
「では連合のそうした創作作品は」
「いいのだ」
 別にというのだ。
「読んだりプレイしてもな」
「そしてそれがですね」
「多産や発散になるのだ」
「だからいいですか」
「連合にとってな、そして混浴もな」
「多産にですね」
「連合はつなげている、だが」
 ここで大尉はまた嫌そうに話した。 
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