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八条学園騒動記

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第七百三十六話 広い部屋その二

「混浴は」
「江戸時代まではな」
「それでは」
「そうだ、当時の日本は性的にはおおらかだった」
「そうでしたね」
「混浴ならな」
 それならというのだ、尚寛政の改革で知られる松平定信は混浴を禁止した。他にも様々な風紀引き締めの政策を行っている。
「何があるか」
「言うまでもないですね」
「兎角かつての日本はな」
「性的にはですね」
「おおらかで同性愛もだ」
「普通でしたね」
「そうした国でな」
 それでというのだ。
「そうしただ」
「混浴も普通であった」
「そうだったのだ」
「そしてこの時代の連合でも」
「わりかしだ」
「普通にありますね」
「温泉街に行けばな」
 そうすると、というのだ。
「必ずだ」
「混浴がありますね」
「そうだ、しかしな」
 大尉は顔を顰めさせて述べた。
「私としてはな」
「混浴はお嫌いですか」
「不純に思う」 
 嫌悪感を込めて話した。
「そうしたものはな」
「性的にですね」
「そうだ、エウロパでも知られていてだ」
「批判されていますね」
「そうだな、だが連合は基本だ」
 それはというと。
「農耕社会だ」
「その文化ですね」
「開発開拓はな」
 連合が常に行っているこの二つはというのだ。
「都市にだ」
「農村ですね」
「牧場や漁業も行うが」
「まずはそこからですね」
「そうだ、農耕社会なのだ」
 連合はというのだ。
「遊牧民がいてもな」
「モンゴル等ですね」
「しかしだ」
 それでもというのだ。
「土台はな」
「農耕社会であり」
「農耕社会では多産が望まれる」
「連合は実際そうですね」
「そうだ、多産がな」
「貴ばれていますね」
「流石に既婚者が入ることは禁じられているが」
 混浴にだ。
「独身ならな」
「誰でも入って」
「そこで相手を見付けることもだ」
「多いですね」
「連合ではな、多産の社会を維持する為にもだ」 
 その目的もあってというのだ。
「連合ではな」
「混浴もありますね」
「そうなのだ」
 これがというのだ。
「連合はな」
「左様ですか」
「だがそれはな」
「大尉としては」
「エウロパ全体で批判されているな」
「不純であると」
「乱れている、その様にな」
 まさにというのだ。 
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