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神々の塔

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第五十五話 食事その二

「味付けにはやねん」
「お味噌使ってんな」
「そやねん」
「それがよかったな、ええ味になってるな」
「お味噌も利いて」
「それでな」
「確かに美味しいな」
 リーはその味噌で味付けされた鍋の汁をすすってから言った。
「これは」
「スープもな」
「いや、スープやないやろ」 
 リーは施の今の言葉にはこう返した。
「これは」
「ちゃうか」
「これはお味噌汁や」
「そっちになるか」
「ああ、和食になるからな」
「和食ではスープと呼ばんしな」
 それでというのだ。
「これはお味噌汁や」
「そやな」
「そしてな」
 リーはさらに言った。
「お味噌はこうして味付けにもなってな」
「匂いも消してくれるな」
「そやからな」
 それ故にというのだ。
「非常にええ」
「そうした調味料やな」
「こうして猪を食べても」
 匂いうの強いこの獣の肉もというのだ。
「ちゃんと味付けしてな」
「匂いも消してくれるな」
「そうしてくれるわ」
「若し塩とかお味噌がないと」
 シェリルも言った。
「少なくとも日本の味付けにはな」
「ならんな」
「このお鍋かてな」
 施にさらに言った、
「もっとな」
「味が落ちてるな」
「そうなってるわ」
「そぷなるな」
「私も何も入れんでな」
 調味料をというのだ。
「お肉や山菜や茸を茹でても」
「あかんか」
「食べられても」
 それでもというのだ。
「美味しいと思えんやろな」
「調味料がないとやな」
「そや、せめてな」 
 それこそというのだ。
「お塩がないとな」
「あかんな」
「西洋のお料理やと胡椒を使うわ」
 この香辛料をというのだ、胡椒を手に入れる為に大航海時代となったことは起きた世界の歴史の一幕である。
「絶対に」
「胡椒がないとお肉がな」
「あかんな」
「ああ、味も匂いもな」
「ほんまにな」
「まさに胡椒は絶対の必需品やな」
「私等も持ってるしな」
 宿屋と一緒にある道具やでいつも塩や胡椒を購入しているのだ、醬油や味噌もであり食事の時に用いているのだ。今の様に。
「どうしてもな」
「調味料は必要やな」
「そや、美味しく食べることもな」
「大事やな」
「冒険の間もな」
「こうしてな」
 施は自分の碗の中の山菜を食べつつ応えた。 
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